Coachella2023渡米記 〜前置き編〜
稲垣です。
井の頭に移転して色々と落ち着いてきました。
絶賛行っている採用で応募してくださる方がこのnoteを見て、僕やこの会社の考え方を知ってくださっていることを知りました。
普段はなかなか吐露することもないので、なるほど、真面目なことを書いたほうが伝わるのか、と思って今も真面目な文章を書いていますが、実際はもっと砕けた人格なので、なんとなくnote上で真面目ぶっている感じが自分的には違和感あります笑
でも今回も真面目に書いてみます笑
突然ですが「Coachella Valley Music and Arts Festival」という音楽と芸術の祭典とも呼ばれる野外フェスティバルをご存知でしょうか?
アメリカのカリフォルニア州の砂漠地帯で行われる世界を代表する音楽フェスティバルで、世界中から集まったインフルエンサーなどを中心に1日延べ10万人近くのお客さんが3日3晩多くのビックアーティストのパフォーマンスを求めて一堂に会する、なんともアメリカらしいスケールの大きい野外フェスティバルです。
今年の春、この野外フェスティバルに単独渡米して現地で経験してきました。
感想を一言で言うのは難しいのですが、僕が15年近く生業にしてきた音楽と映像のお仕事の中で、日本以外でエンタテイメントに触れるのは初めということもあり、月並みではありますがインターネットで得るものとは全く異なる何事にも代え難いセンセーショナルな経験となりました。
(Coachella は毎年Youtube生配信をしている)
ただ今回は前置き編ということでなぜCoachella にいく事になったのかを中心に綴っておりますので、相変わらず硬めの感じですが、何卒ご容赦ください 笑
カイトの1年半
まず遡ること約6年前、僕には10年在籍した前職を退職してから1年半のフリーランスとしての期間があります。
幸いなことに会社を辞めてからも「一緒に仕事やろうよ」とご好意にしてくださる方がいたこともあり、独立してから本当に忙しくさせていただいていました。
当時すでにカイトを屋号として名乗っていたため、当時作ったロゴは今のロゴに比べ、幼く、小さな赤ちゃんがモチーフになっています。
ロゴに込めた精神性は当時から変わらずですが、とにかく何もわからない0からのスタートだったので、凧揚げする赤ちゃんという大変シュールなロゴを使用していました。今でもすごく気に入ってます。
開業してからの1年は今のオフィスに程よく近い井の頭公園にあるボロアパートを借り、多くの映像作品を作りました。
社会から切り離されて孤独になって初めて気づく責任や感謝、仲間の大切さ、備品のありがたさなど、多くのことを痛感した期間だったと思います。
会社に所属していると気づかない社会の仕組みに身をもって触れることで、「生きるための術」ということをより深く知れるいい機会だったと思います。
KITE Inc.としての4年
2018年11月28日にKITE Inc.として会社を設立、そのタイミングで井の頭公園のアパートを引き払い、市ヶ谷のシェアオフィスに小さな部屋を借りました。
理由は様々ありますが、2018年にとある仕事を経て、長年の夢だった洋楽アーティストとの仕事を本気で目指してみようと思ったことが一番のきっかけ。
21歳の時、Underworldというアーティストとの出会いが僕を映像への道に引き上げてくれたのもあり、洋楽への憧れは昔から変わりませんでした。
(擦り切れるほど見たライブDVD)
このタイミングでロゴのデザインも赤ちゃんから少年にちょっとだけ成長することになり、ここから色々初めて行こうと思った矢先にコロナ禍突入することになりました。
世界が混乱する中、情勢に合わせて一喜一憂しつつ「エンタテイメントとは」「経営とは」の狭間にはまりながら頭を悩ませながら葛藤する日々の中で、全く先の読めないスケジュール展開と、求められることに応え続けるプレッシャーが渦巻くなく2021年の年末に心身共に疲弊し、体調を崩してしまいました。
もちろんたくさんの人に迷惑をかけてしまいましたが、そういう時に助けてくれる人の愛情や温かさ、それは僕が40年近く生きてきた上での大きな財産でもあり、
それを気付けたのが何よりも大きかったのだと思います。
ありがたいことに丈夫に産んでもらっていたのか今までなんとか元気にやってこれたので、そのマンパワーを過信しすぎていたのだと思います。
体力や吸収力もきっと何年も時間をかけて下降に入ってきた年齢になったことを痛感しつつ、同時に年月の分だけ関わってきたたくさんの人との繋がりを感謝しながら、2022年にはこの3年、いや、僕が映像の仕事をスタートしてからこの20年にあたる集大成になるようなお仕事もさせていただけたことで、今の僕が提示できる全てを出し切れたそんな1年になったのではないかと思います。
応えの天井
僕が映像を企画・提案・制作をする上で、薄々気づいていたことがあります。
それは僕自身が20年前のインプットの財産にいまだに頼っている、ということです。
KITEを立ち上げてからの5年間のみならず、前職から仕事に一所懸命向き合うことが主軸になりすぎて、期待への「応え方」の天井が見えてしまったのを感じたのもちょうど同じタイミングでした。
「今までと同じでいいのだろうか」
「自分をアップデートするべきでは」
2023年に入ってすぐそんな感覚になったことを鮮明に覚えています。
20年前の自分の人生が変わる程の大きな衝撃を今一度体感する必要があるような気がする。そう考えるようになりました。
そしてそんな中Coachellaのラインナップが発表されたのです。
Coachella2023 には過去と未来があった
出演者を見ても全然知らない人たちばかりでした笑
知らないということは僕が全く今の世界のポップスについていけていないということでした。
ただ僕が2000年代前半に多くの洋楽に触れていたアーティストが今年4組出演していました。
The Chemical Brothers
GORILLAZ
Underworld
björk
当時の彼らは音楽のみならず時代の象徴のような多くの映像作品を世の中に出し、僕も多分に影響を受けました。
世界中のフェスティバルではヘッドライナーとして席巻するような存在でしたが、今年のCoachella では彼らの名前はヘッドライナーにはなく、Bad Bunny、BLACK PINK、Frank Ocean(キャンセル)で、全体的に非英語圏のアーティストが多い印象でした。(Bad Bunnyはプエルトリコ、BLACK PINKは韓国)
このフェスに限りかもしれませんが、世界のアーティストの音楽の聞かれ方がインターネットを通じてより垣根をこえ多様性を帯びてきているということを感じたのです。
(実際BLACK PINKのパフォーマンス時に韓国語で熱唱する欧米圏のオーディエンスもたくさんいた)
つまり世界はより垣根なく近くなっている印象を受けたのです。
20年前に得た財産を現代のものに置き換えていては時代にそのまま取り残されてしまう。時代も変わり僕と20代前半の方とは20年分の感覚のズレがある。
過去のトレンドを今の表現として感じてしまっている自分に疑問と恐怖心を思ったからこそ、僕は2000年代とこれからのトレンドを同時に感じるこのCoachellaにいくことで、自分をアップデートする使命感を強く感じたのだと思います。
そして、
「一人で全てやりきよう、全ての手配を一人で行い、日本語を話さず誰も知り合いがいない状況の中で、本場のエンタメに触れる、それを成し遂げよう」
と考えました。
この年齢になって僕も経営者としても自分で判断する機会が中心になり、上司や先輩に怒られる機会もない中、ありがたい事に僕をサポートしてくれるスタッフや家族の後押しもあり、今一度未知の世界に飛び込む当時の気持ちを感じてみようとそう思ったのです。
久しぶりの海外。
この3年間を経てより世界は繋がっている、そう感じることのできた今回の計画であったと思います。
・・・はい!
いつもの感じで硬めの内容になってしまいましたが僕自身がそうであったように、Coachellaに向けてなかなか日本語での情報を得ることができなかったので、次回は海外フェスに興味がある方や今後行かれる予定がある方のために細かく行き方や楽しみ方を書いてみようと思います。
当然海外ですからトラブルもたくさん笑
続く
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