教育方針なんてあるもんか
こちらのツイートが興味深かったです。
詳細はリンク先をご覧いただければと思いますが、要点としては「子どもに口をださないって難しい。つい出しちゃう」という悩みに対して、「親ができるのはここまでという土俵を示すのがいい」ということでした。確かにぼくもそうしているなあと思います。
我が家の場合
18歳になったら家を出ること
高校卒業時に1000万円は用意する
この2つだけ決めて「あとは知らん。自分で決めて自分でやるように。進学するもしないも自由」と子どもに伝えていました。本人たちもそれを前提としていたし、親としてもやるべきことがシンプルなので気が楽だったです。
しっかり者の長女は「資格を取りたい」とそれ系の公立大学に行き、バイトをしまくり、学費や居住費以外はなるべく1000万円に手を出さないようにしているのが特徴的でした。卒業時に残ったお金で車を買うそうです。スズキのハスラーが候補らしい。
「とにかく東京に行ってみたい」と言っていた長男は東京の国立と私立の両方に受かったあと、特に迷うことなく私立を選択していました。学費も生活費も高いので4年間の想定費用をノートに書き出して私立だと400万円足りないぞ。自分でバイトして毎月10万は稼がないとやっていけないぞと伝えたところ「まあ、楽勝でしょう」と嘯いていました。これからしっかり苦労したらいいなと思っています。笑
まだ中学生の末っ子は姉と兄のそれぞれのやり方を見ながら「自分はどうすればいいのだ…」とまだ見ぬ未来を妄想しているようです。慎重派なので彼女らしい選択をするんだろうなと思っています。
親としては子ども3人が18歳になるまでにとにかく各自の1000万円を用意したらいいので、それ以外のことは特に気にする必要もないのが楽でした。どの大学に行こうが行くまいが就職しようがバックパックで世界旅行に旅立とうがお好きにどうぞというマインドになれるので。
大学無償化制度を改定してほしい
このやり方だと子どもたちにとっては「大学の授業料=自分の金に直接関わる話」になります。なので、現政権が大学無償化制度をぶちあげたとき、子どもたちも一瞬色めきたったのですが、「子どもが3人いる家庭だけね。しかも扶養が3人いる期間だけね。一番上の子が卒業したら対象外ね」という謎仕様が判明してみんな怒り心頭でした。そりゃそうだよなあ…と思います。あの制度設計は本当によくない。特に二人目、三人目の子どもたちにとっては怒りの元にしかならない。国のオーナーとして改善を求めます。
保育園や小学校で書かされた教育方針
ちなみに、子どもが保育園に入るときのアンケートで、「教育方針があったらご記入ください」という欄があったのですが、妻と話しあって記入したのは「嫌なことはイヤだと言える子にしたいです」でした。小さな子がこれから生きていく上で大切なことだと思って書いたのですが、大人になっても生きていく上で大切なことだと思っています。
そういえば小学校からのアンケートも書きました(色々記入させられてるな…)。「学校に望む、お子さんへの対応をお選びください」との項目で、「地域の人に挨拶する子になる/ゴミを拾う子になる」など10の選択肢があったのですがどれも別に望むことではなく。大人目線の理想を押し付けられた子ども像で全然魅力的じゃない。自由記入欄に下記のように書きました。
「基本的人権の大元を理解して、自分も他者も同じ権利を持って生きていくことを肌で感じてほしい。自分も他者も同じように大切な存在なんだということを日々の生活で体験してほしい」
学校側に望む小学生への対応ってこれがほとんど全てですよね。これを軸に6年間過ごせればあとは何とかなる。
そういえば、長男が高校入学時のPTAで各家庭の教育方針を個々に発表する場があって。あれは地獄だった…20年前に長女が生まれた時に妻と話し合って、親としての自分たちの方針は「18歳まで生き延びさせること」と決めてあるので、それだけ言ってダッシュで教室を抜け出して末っ子のバレーボールのお迎えに行きました。担任教師や他の親御さんにポカンとされたなあ…教育方針なんてあるもんか。同じ内容を以前noteに書いているのでよかったらご覧ください。
追記
「子どもの進路や将来について『お金の用意はしてやる。あとは自分で好きにしな』と割り切ることができてすごい。普通は口を出したくなりますよ」と知人から褒めてもらったのですが、自分としては順番が逆なんですよね。自分のことを全然信用していないからルールが必要になる。ここまでしかやらないと線を引くからこそ余計なことを言わなくて済む。相手に託せる。
進路とか将来とかそもそも正解なんて1ミリもない世界で口を出そうと思えばいくらでも出せちゃいますよね。人生経験もあるからそれっぽいことも言えてしまう。親だし。でも、そんな状況での自分をまったく信用できないから「お金は用意する。あとは知らん」というルールを設けた。そこで決断がなされたことには葛藤の余地がないわけです。だってルールなんだから。しかも自分で決めたルールなんだし。
と知人に説明したら、「ルールなんだから葛藤の余地がないって思えるのが特殊なんですよ。ふつうは葛藤するんです。しかも自分で決めたルールなんていくらでも破れるじゃないですか」と言われました。マジか。みんなルールに対してそんなにエモーショナルに付き合っているのか。ルールって自分の行動規範を預けられるから便利なツールなんですよね。そう思っていたのだけど皆はちがうのかしら…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?