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やりたいことを追いかける事が私の1つのセラピーだった -『映画大好きポンポさん』が私に刺さって抜けない話-

おはようございます、こんにちは、こんばんは。
斉藤です。

本来であればIN HEAD立ち上げEPISODE 3 でコンセプトの話や、私が求めている”実店舗感”という事について深堀していく記事公開予定だったのですが、まだ実践出来ていない事もありますし、実践出来ていないコンセプトのネタをネットの海に流して万が一パクられたものが当たってしまったら悔しい思いで一杯になると思ったので辞めました。

なのでEPISODE 3以降はもうちょっと先に。
でも、自分の気持ちの整理として最近思った事を書いておきたかったので少々。

【前置き】ある日ひょんなことから映画館に行きました

この前HUNSY(ハンシー)という古着オンラインショップを持っている友人の粕谷君とひょんな事から映画館に行くことになりました。

私は元々は結構映画が好きな方で最高記録だと年間で旧作を300本ほど見ていました。(このたくさん見ていれば良いのか問題はいずれ”消費されるコンテンツ”を題材に文章としてまとめておきたいと思っています。)

ですが、映画から離れつつある今。
とても久々に行く映画館でした。

ひょんなことから行ったので、見る映画は粕谷君が見たがっていた作品。
私もよく目にする配給会社の作品だったのである程度は面白いだろうと思っていましたが、これが当たり作品で。
帰り道2人してあれやこれや話ながら映画の話をしていて、なんだか昔はこんなことばっかりしていたなと懐かしさと再度自身の中に”映画”というコンテンツの置き場が増えた事を実感し、とても良い帰り道でした。

話の流れで【今までに見た好きな作品】の話になったのですが、ここ2-3年私がこの話になった時に必ず名前を挙げる作品があります。

それが『映画大好きポンポさん』というアニメーション映画です。

一応漫画原作が存在する映画で私は鑑賞時原作の知識は全くなかったのにも関わらず(初回鑑賞時感極まりすぎてエンドロールが終わった後その場でアマゾンで原作を全巻ポチりましたが3巻目くらいで挫折しました、面白くなかった)、号泣に次ぐ号泣。

「これはおれの為の映画だった、、、」って思う作品にたまに出会いますが、まさしくそれであり、刺さった物は今もまだ抜けきれず私のどこかにあります。
見て欲しい作品です、是非にお願いします。
作画の感じで舐めてかかったら痛い目見ますよ。

そんなポンポさんを例に漏れず粕谷君にもお勧めし、彼はすぐ見てくれました。
感想も送ってくれて気に入ってくれたようなのですがその際に「自分自身の為の映画だって言ってましたけど、もう映画制作側着いちゃったらどうですか?」という粕谷君からの何気ない一言。
今回のnoteの核はこれと”自分自身の為”というところです。
今までの長い前置きにお付き合い頂きありがとうございました。
前置きがダラダラと長引くのはいつものことです、ご理解下さい。

何かを作ることに憧れる自分

前置きで書いた友人からの言葉。
好きな映画を「いや、これおれの為の映画なんだよね」と楽しそうに語る自分への一言。
「自分自身の為の映画だって言ってましたけど、もう映画制作側着いちゃったらどうですか?」

結論から言いますと、そう思っていた時期が実際に私にはあります。

フリーランスとしての業務で動画編集を選んだのは映画が好きだったからです。
上京してからすぐは知人のツテで映像作品の照明部隊で荷物持ちをやってました。
照明のことなんて何も知らない私でしたが、少しずつ勉強して映画学校にも通おうと思っていました。
好きな映画/映像を自分たちで作りあげることに参加したかった。

ですが、前にも書いた通りスーツケース1つで上京してきた私。

お金もなく、生活を安定させることが第一だったこともあり時間をお金に換える誰でも出来る楽な仕事に逃げてしまいました。

実は何かを作りたいという思いは昔からあって。
学生時代から続く飲食店や古着屋を経営したいという思い。
新卒時に選んだ会社(住宅メーカー)での家族が住む空間をデザインしたいという思い。

私はずっと前から取り憑かれたように”何かを作ること”をやりたいと思っていました。

そして今まだ何も作る事が出来ていないのです。

ずっと何かを理由に作る事を諦めてきたのです。

『映画大好きポンポさん』が自分に何かを”刺した”映画だった理由

さて、話を戻しまして『ポンポさん』の話題に戻ります。

是非見て欲しいので内容にはあまり触れたくないのですが、『ポンポさん』の主人公はジーンという冴えない青年です。

引用元:映画大好きポンポさん公式サイト https://pompo-the-cinephile.com/#character

この青年、映画が好きな事以外誇れる事が何もないようなオタク気質の根暗なキャラクターです。
好きな映画に挙げている『ファイトクラブ』、『タクシードライバー』なんて根暗映画好きの典型とも言うべきような作品ですよね、漏れ無く私も大好きな作品です。

簡単に言うと『ポンポさん』はこのオタクが作品を作ろうとする物語です。

これ私なんですよ。

私も何かを作りたいと思っている人間ですが、覚悟が足りずに行動に起こす事が出来なかった。

ジーンが作品を作る為に奮闘する姿が眩しくて仕方ないんです。
「こんな風に何かを1つ作り上げることに没頭してみたい」と。
私のやりたい事を狂気の沙汰とも形容出来るような姿でやり遂げようとするジーンへの憧れが止まらないんです。

『ポンポさん』を見てから「これになりたい」と言う感情と反対に「自分にこんな風に出来る時が来るんだろうか」と言う感情が刺さったまま抜けないんです。

セラピーとしての作品作り

ジーンが映画しか取り柄のない人間である事、自分の存在意義を照明する為に作品を作ったというのは少し語弊があるかもしれませんが、ジーンの作品作りは自分自身においてセラピー(心理療法)としての側面があるのは間違いないと思って私は『ポンポさん』を解釈しています。

実際に作品に自身を投影したり、自身の境遇や環境・間違った選択などを作品のストーリーに盛り込む監督はたくさんいます。
それらの自身の思いや実際の出来事などを作品にオマージュし、それを昇華させるという事、ある種セラピーとしての作品作りをしている方がいらっしゃいます。
映画内では事実とは違う良い方向に向かわせたり、解決しないにせよキャラクターを奮闘させるというストーリーで監督の気持ちを昇華していくというような感じに。

すぐ思いついた監督の名前と作品とを列挙してみます。
と思い書き始めたら記事1つ出来そうだったので下書きにしてまた今度に致します、何かとこれについて話すタイミングもありそうなので。

それではそこそこに。
まずすぐ思い付くのはラース・フォン・トリアー監督。

公言しているようにちゃんと何種もの精神疾患を抱えている監督であり、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はかなり有名な作品なのではないでしょうか。(察しがついた方もいらっしゃるのでは)
『アンチクライスト』や『ニンフォマニアック』も見た事ある人からすればまともな人間が作る作品ではないと思うはず。

勘違いして欲しくないのが私はラース・フォン・トリアー作品が大好きです。
私のお勧めは『ドッグヴィル』という作品。
配信されている作品ではないのでなかなか鑑賞ハードルは高いかもしれませんが、是非見てほしいですね、主演ニコール・キッドマンです。
見たい方はDVD貸しますよ、最近手に入れたので。

ラース・フォン・トリアーの場合は自身の体験を昇華させるというのとは違うと思いますが、”自身の思いを作品という形にする以外にどう表現したら良いかわからない”という形で製作をしているように感じます。
作品を作っていなかったらラース・フォン・トリアーの精神疾患の数々はおそらくもっと酷かったはず。
これも一種のセラピーですよね。

私がマーベル作品群の中で一番好きなシリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督ジェームズ・ガン監督も自身と父親の関係や自分自身の境遇などを作品に落とし込んでいます。

『ヘレディタリー』や、”あの”『ミッド・サマー』を監督したアリ・アスターも作品に自身と関係のある人物との”別れ”を題材にしたりしています。
ネタバレになりそうなのでこれ以上は語れません。


IN HEADが今の私のとってのセラピー?

ようやく何か1つ踏み出して始めようと思い、続けているIN HEADへの”変な思いの強さ”は前述の『ポンポさん』から来ているんではないでしょうか。

そして挙げてきた監督たちと同じように(おこがましい)、IN HEADを動かすことが私にとってセラピーとして機能しているんじゃないかなと。

何の知名度もない自分が実際に売れるかわからない商品を買い付け、それに自分で作成した商品紹介文やルック・提案を”付加価値”として乗っけて売る。
時間もお金も使う事ですが、まだIN HEADは動き続けています、今までの何か理由を付けて諦めてきた事とは異なって。
「何でそんな事やってんの?黙って働きなよ」と思われながらも。
IN HEADを動かして考えていること自体が私にとって今の自分を肯定するセラピーなのではないでしょうか。

久々にまたジーンを見てみたくなりました。
狂ったように成し遂げようとしている自分を重ねて今は”憧れ”だけではない何か違った感情が生まれるのではないかと期待している自分がいます。

こんな気持ちをまた思い起こさせてくれてありがとう、というそんな気持ちを吐いておきたくなりました。


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