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ジャニーズの叔父?ゲイ?噂が飛び交う被告人 老婆暴行殺人事件

罪名 殺人
被告 菊池隆

特別養護老人ホームに勤める男(50)が利用者の女性(92)に暴行を加え殺害した事件


・菊池隆被告について
菊池被告には腹違いで7つ上の兄がいてアーティスト活動をしていた
その兄の息子はジャニーズ所属のアイドルだと言う噂がある
被告も年齢の割にスタイルがよく長身で手足が長く学生時代はイケメンで人気者だった
同級生曰く被告は面白くてお洒落だった、と
被告の実母は被告が幼い頃に蒸発し被告と姉は父親に引き取られる
父親は再婚し父、養母、姉、被告の四人家族だったが幼い頃から父親に虐待されており家族とはソリが合わなかった
父親は反社会勢力の準構成員だった
被告は犯行後、逮捕されるまで逃走している
その逃走中、上野のハッテン場(ゲイが集まるサウナ)に寄っていることも噂になっていた


・被告と被害者の関係について

証人:介護施設の同僚職員

被告の勤める特養は要介護度の重い利用者が集まる施設だった
被害者はろうあ者でメモやジェスチャーでコミュニケーションを取っていた
被害者は5~10分おきにトイレに行きたがり「トイレ!トイレ!」と職員をよく呼び付けていた
被告は夜間中心に勤務していた
勤務態度は真面目で他の利用者とは上手くいっておりよく話しかけるなどしていた
被告は普段から被害者の暴力や暴言に悩んでいて勤務仲間に話したり上司に相談していた
被告が暴力を受けていた事は職員の3分の2程の人間が知っていた
それについて上司から提案や配置換えなど対策されることは無かった
夜間の方が利用者の不穏が多い
夜間は利用者が感情的になったりする
夜間帯、被告は10人の利用者を1人でみていた
証人は被害者の第1発見者だった
被害者は布団に入っていて顔が真っ黒だった


・被告人質問
被告は日頃から被害者の暴言や暴力に悩んでいた
事件の日、被告は被害者に呼び出され部屋に行くと下半身が燃えるように熱いと被害者が訴えるので確認し何も異常がないことを伝えた
すると被害者から
「馬鹿だからわからないんだ」
「馬鹿は帰ってくだしゃい」
と言われこのようなやり取りを2回繰り返す
被告はその間も被害者を落ち着かせようと他の話題を執筆やジェスチャーで試みた
しかし被害者の態度は変わらない
被告は怒りが抑えきれず被害者の頭を叩く
被害者は
「叩いたな、覚えてるからな」と言った
その後さらに怒りが湧き頭が真っ白になる
被害者の顔を殴り腕をへし折った
1度被害者の部屋から出ると熱湯の入ったポットを持ってきてベッドの上で横になる被害者へかけた
この時とにかく頭が真っ白だった、と
被害者の様子も覚えていない
被告はその後、死に場所を求め幼い頃を過ごした北海道に向かう
母と暮らした幸せな思い出が詰まった場所だ
自首は考えなかった
人を殺したのだから死ぬしかないと思った
自分の首をナイフで刺すが死にきれず公衆トイレで首吊りを試みるが二度失敗し飛び降りなら上手くいくと考えとあるマンションの非常階段に辿りついて途方に暮れていたところをマンション住人に通報され逮捕された

被告は「公訴事実は争わない」と言っていたが…
弁護人→未必の故意は認めるが確定的殺意ではないと主張
検察→確定的殺意有り
この辺りで少し揉めていた

被告は逮捕された後、事件当時のことを言語化しなければいけないと思い適当な言葉を当てはめたが犯行当時は頭に血が上り、頭が真っ白でカーッとなって怒りに支配されていたと語った

被害者からの暴力は体より心が辛かった
本当は仲良くしたかった
被害者は施設に入れられ不満があったように見えた


・実母との再会

裁判中、終始柔らかい口調で淡々と話す被告人だったが一度だけ感情を取り乱す場面があった

弁護人が被告の実母を面会に連れてきた時の話である
実母との再会は40年以上ぶりだった
被告は実母のことをどう思っていたのか
「なんで捨てたんだよって思って恨んで恨んで…そんな存在だった」
いざ会うとそんな感情は湧いてこなかった
母は小さくなっていて、しかし当時の面影も残していた
「父や養母、姉と反りが合わなかった話をすると「分かるよ」て…母はすぐ分かってくれた。すぐ理解してくれた。」
と泣き崩れた

被害者遺族の処罰感情は強く自分の親が同じ目にあったらどう思うかと言われその時は気持ちが分からなかったが実母と再会し自分の犯した罪の重さを改めて感じたようだ

弁護人
「母について、親孝行したいと思うか?」

被告
「自分は誰かのお母さんを殺しちゃったんだって思って……」
「親孝行したいけどこんなことになって…そんなこと…言えないけど………長生きしてほしいです」

涙ながらに語る様子は母に甘える子供のようだった


・鑑定人
被告人は自己不全感を抱え続けてきた
高校時代のエピソードに及ぶと
「自分としては人気者でもないのに人気者と思ってる勘違い野郎」だと自己評価していた
しかし逮捕後同級生達から手紙が届く
その内容は肯定的なものばかりだった


判決
懲役17年

本来安全な場所である特養で無抵抗の高齢者に対する被告の残忍な暴行に強い殺意が認められた。一方、被告にだけ向けられた被害者からの罵倒などについて施設側で措置が講じられなかったことは同情の余地があるとした。


被告の実母は80歳になる
「誰かのお母さん」の命を奪った被告に親孝行は無理なのかもしれない

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