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【SDGs全国フォーラム2022滋賀・びわ湖】学生実行委員会Vol.14 セッション2「発見!滋賀のSDGs」

こんにちは。
立命館大学の畠 麻理奈です。

この記事では、2022年11月12日(土)に開催されたSDGs全国フォーラム2022滋賀・びわ湖で行われたセッション2「発見!滋賀のSDGs」の様子をお伝えします。
私も一登壇者として出演させていただきました。

「SDGs全国フォーラム2022滋賀・びわ湖」とは

SDGs全国フォーラムとは、2018年6月に都道府県として唯一SDGs未来都市及び自治体SDGsモデルの両方に選定された神奈川県で、「神奈川県から『自治体の役割を明確にしたSDGsへの取組』を全国に発信すること」を目的に、2019年に横浜市で開催されました。コロナ禍でのオンライン開催となった長野県に次いで、3回目となる今回は、2022年11月12日(土)に滋賀県で開催します。琵琶湖をはじめとする豊かな自然と調和する暮らしの中で、SDGsに通じる思想・歴史・文化が息づく「滋賀」において、経済・社会・環境のバランスが取れた持続可能な地域づくりを進めるため、SDGs全国フォーラムを開催し、次世代を担う若者をはじめとする多様な主体がそれぞれの取組を広く発信するとともに、県内外のパートナーシップ拡大を促進することにより、SDGsの達成に向けた社会変革につながる取組を創出する機会を目指しています。

セッション2は「発見!滋賀のSDGs」をテーマに琵琶湖版SDGsのMLGs(Mother Lake Goals)をはじめとした SDGsの活動について焦点を当てた内容となりました。


<登壇者一覧>

坂 野   晶  氏 :一般社団法人ゼロ・ウェイストジャパン代表理事
三和 伸彦  氏:滋賀県理事 琵琶湖政策MLGs推進担当
畠  麻理奈 氏:立命館大学 国際関係学部2回生
YouTuber 葉一 氏:教育系YouTuber
   YouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」(オンライン参加)

他にも、2名の高校生も登壇し、さまざまなフィールドで活躍する方が集まったセッションとなりました。

パネルディスカッションの様子

こちらのセッションでは、事前に学生実行委員会がレポーターとなり、滋賀県でSDGsのユニークな取り組みを行っている場所へ出向いたクイズを中心に進んでいきました。会場の参加者の皆さんはもちろんのこと、オンラインで参加されている皆さんにもクイズに回答いただく時間を設けました。最初に出題されたのは、滋賀県北東部に位置する米原市にある山室木材工業株式会社からCO2ネットゼロ社会づくりや地域エネルギーに関する問題でした。山室木材工業株式会社総務部の梅田さんにご協力いただき、「木造製品の製造から廃棄まであらゆるライフサイクルに関わることで循環型社会の創造を目指している」とのお話を伺うことができました。第1問のクイズはこちら!

Q1. 山室木材工業さんでは、木質チップを利用したバイオマスボイラーを活用して、温室ハウスである農産物を持っています。それは何でしょう?
1.みかん 2.マンゴー 3.メロン

*答えは、記事の最後に!

参加者も一体となった会場の雰囲気

クイズを踏まえ、坂野さんからは
「産業廃棄物の分野で扱われている木くずは既にリサイクル率が非常に高く、滋賀県では98%くらい再利用されているという現状があります。ただし、産業廃棄物の中でも木くずが占める割合は非常に少なく、3%くらいです。最も多いのは建材の廃棄物です。産業廃棄物は比較的リサイクルしやすいものですので、山室木材工業さんをはじめとして、多くの企業が貢献されていると思います。皆さんの身近なリサイクルでいうと家庭のごみだと思いますが、生ごみや有機物が意外と可燃ごみの中にあるというのが課題だと思っています。自治体単位で取り組む他にも小さな規模でも大丈夫なので、家庭ごとに土に返すといったコンポストを取り入れられると入口として良いと思います。食品ロスも多くキーワードとして出てくるかなと思いますが冷蔵庫の中身を頻繁にチェックするなど個人にもできることがたくさんあることに気づいていただければ嬉しいです!」
と解説やコメントをいただきました。

コメンテーターの坂野さん

続いては、大津市から琵琶湖の伝統漁法の魞(えり)漁についてのクイズです!

<えり漁とは・・・?>
障害物にぶつかると障害物に沿って泳ぐ魚の習性を利用し、湖岸から沖に向かって矢印型に網を設置。「つぼ」と呼ばれる行き止まりに誘導して捕まえます。必要な量だけを捕獲できる持続可能な漁法で、琵琶湖では1000年以上前の伝来から今日まで続いており、大津市堅田のえり漁は平成18年に水産庁「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれています。

フィッシャーアーキテクト・志賀町漁業協同組合組合員の駒井さんにお話を伺いました。駒井さんからは「魚を取りすぎない、というのがえり漁の特徴です。魚を取り尽くすのではなく、資源が持続的に続くように収穫するのがこの漁のポイントだと思います。」とお話いただくことができました。

第2問のクイズはこちら!

Q2. えり漁で、現在はアユやフナなどが獲れている琵琶湖ですが、昭和40年ごろはある漁が盛んでした。一体それは何の漁でしょう?
1.イケチョウガイ 2.ウナギ 3.カニ

*答えは、記事の最後に!

クイズを踏まえ、三和さんからは
「昭和40年代に一番養殖が盛んに行われていました。水質が悪化した時代で、収穫量が多くなるにつれ生育が悪くなるなど大きく変わっていったんですね。昭和50年代中盤をピークになかなか滋賀県でイケチョウガイがみられなくなりました。環境や社会が大きく漁業に変化をもたらしていると感じました。琵琶湖を守る取り組みとしては、水質自体はよくなっているのですが、生態系に異変を感じる研究者の方も多く、水草や外来のものを何とかしよう、という取り組みを中心に行っていて、琵琶湖版SDGsであるMLGs:マザーレイクゴールズが全体の取り組みの大きな指標となっています。MLGsをもとにして、琵琶湖を楽しむことや琵琶湖へもっと訪れるなど、地域資源をもっと利用していくことが大切だと思います。MLGs体操というものがありますので、ぜひ検索してご覧ください!」
とコメントをいただきました。

琵琶湖について熱く語る三和さん

畠からは、
「滋賀県民の皆さんのあたたかさはピカイチだということを伝えたいと思います。琵琶湖の清掃活動に参加した時にも、学生、家族、行政や研究者の方などを含めた本当に多くの年代の方々が参加されていたことに驚きました。私が国際学会でMLGsについてアジア、北欧やアメリカ周辺、ヨーロッパなどの方々に発表した際にも、どうやってこのような大きな規模で共通目標を設定することができたの?と驚きの声がありました。セッション1でもお話されていたたねやさんや滋賀レイクスさんの話題にもありましたが、滋賀県は観光できる場所も本当にたくさんあります。私は、特に自然と人の繋がりを深く感じられる場が多いことが滋賀県の魅力だと感じていて、琵琶湖周辺でのスポーツも盛んなのもすごく良い部分だと思います。たくさんのバックグラウンドを持つ人が異なった価値観を共有できるコンテンツが詰まった場所です。高校生の時からお世話になっている方々も多いので、そうした方々に少しでも恩返しできればという思いで活動しています!」
とお話しました。

若い世代を中心とした実行委員会代表として語る
パネルディスカッションは、終始賑やかに行われました

その後は葉一さんを交えたオンライン座談会が行われました。
学生登壇者として、立命館守山高校から東さん(3年)、虎姫高校から今中さん(2年)にご参加いただきました。
葉一さんからは、
"琵琶湖に優しい"というキーワードがありましたが、えり漁の魚の方法など、もっともっと皆さんに知っていただける滋賀の良いところはたくさんあるなと思いながらクイズに参加させていただきました」
と冒頭にコメントをいただき、高校生からの質問をもとに話を進めました。

東さん「SDGsのなかでもっとも解決したいゴールはありますか?」
葉一さん「無料で学べる機会をYouTubeを通して提供しているので、4番の”質の高い教育をみんなに”ですかね。欲張ると、日本ではあまり聞く機会の少ない2番の”飢餓をゼロに”、5番の”ジェンダー平等”です。ジェンダーが僕の中でホットなキーワードになっています。」
今中さん「滋賀県の最大の魅力は琵琶湖だと思っています。琵琶湖の抱える課題はご存知ですか?」
葉一さん「滋賀県出身の友人も多くいますが、みんな琵琶湖が大好きなんだなと思うことが多いです。先ほどの三和さんのお話で出たMLGs体操をこっそり見させていただいたのですが、そうしたものが作られているということは三和さんをはじめとする皆さんが琵琶湖を愛しているからだと思います。外来種問題はニュースなどを拝見して知っている部分はありますね。温暖化の問題も含まれていると思うのでそれも一つの課題ですね。」

人気Youtuber葉一さんとオンライン対談


東「葉一さんは、社会課題を解決する上で、何が重要だと思われますか?」
葉一氏「大きな問題を解決する時って個人で同じような意志を持って活動している人がいたりします。個人を、”点”と考えるとそれが繋がれば”線”になり、”面”になります。坂野さんのお話には”地域”という言葉が多く出てきたと思うのですが、地域でみんなでアクションするとインパクトが大きくなり、派生していくことが大切だなと思いました。もっというと、それが線になり面になって広がるための先頭に立つ人はもちろん大切ですが、個人の情報発信もやはり重要だと思います。」

今中「葉一さんの教育コンテンツにおいて、大切にしたいことや願いはありますか?」
葉一氏「選択肢が増えていくといいなと思います。選択肢、というと新しいものが増えるという意味になりますが、新しいものってキラキラしてよく見えますよね。でも、既存の学校教育、それぞれの科目を学ぶ意味や、”なんで?”も大切にしてほしいです。なくしてはいけないものだと思います。既存にある価値と意味を踏まえつつ、新しいものも取り入れて選択肢を増やしていくことが大切なのだろうと思いながら活動しています。」
と最後にコメントをいただきました。

当日の様子はこちらからご覧ください。


コメンテーター、参加者の皆様を含めたくさんの学びや発見の溢れたセッションとなっていれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
学生実行委員会の記事もたくさん発行されていますのでぜひご覧ください。

<クイズの答えはこちら!>
第一問:②マンゴー
第二問:①イケチョウガイ


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