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4/30 岡村さんのANNを聴いて思ったこと

「わーわー言うております」「お時間です」「さようなら」

僕がラジオを好きになったのは高校時代。音楽系のFMラジオと並行して聴いていたのがオールナイトニッポン。様々なパーソナリティがいる中でも、めちゃイケやぐるナイなどのバラエティ番組を見て育ってきた自分にとって、ナインティナインのANNは楽しみの一つであった。最後に定番の挨拶で放送が終わる深夜3時には、今週の放送が終わってしまった寂しさを感じていたものだ。


あれから時間は過ぎ、2014年にコンビとしてのANNは終焉を迎えた。矢部さんが自ら卒業したいという旨を受け、岡村さん単独出演での形でリニューアルをする形となった。そんな中、先週4/23放送のANNでの岡村さんの発言が物議を醸した。


ネットニュースで取り上げられたり、識者が批判記事を展開したり炎上。岡村さんへの大バッシングが繰り広げられた。当初は寄ってかかって批判を展開する世の中の動きに悲しさを感じたし、後乗せでバッシングに拍車をかける風潮は不快感しか感じなかった。(もちろん、今回の発言に関しては配慮にかける発言だったと思う)


それを受けての昨晩のラジオ生放送。根が真面目で仕事に関しては妥協を許さないプロフェッショナル。そんな岡村さんがどのような言葉を残すのか、リスナーや今回の問題で傷ついた方へどういう姿勢を見せてくれるのは注目していた。


そんな岡村さんのもとに現れたのが、相方矢部さん。「公開説教」という名の下、これまで面と向かって伝えていなかったことを伝え、普段の行いから改めるように諭した。みんなに愛される「国民のおもちゃ・岡村隆史」を支えてきて見守ってきた彼から発せられるストレートな言葉から、矢部浩之という人間がこれまで視聴者には見せてこなかった覚悟や凄みを感じた。


「(岡村さんを)吉本に誘ったのは俺」という責任を感じていた矢部さん。2010年頃に岡村さんが体調を崩されたときも、一人でANNや他のレギュラーを守り続け、自分の個人的な感情をけしておおっぴらに出すことなく、「小さいおっさん」を待ち続けた。そんな姿を見てきたからこそ、昨夜の発言から感じさせられるものは大きかったのだ。


今回改めて感じたのは、岡村さんの面白さを最大限に引き出せるのは、高校時代からサッカー部の先輩・後輩として関係をともにし、芸人の時間を過ごしてきた相方だということ。昨夜の放送で見せた矢部さんの厳しい指摘も、「真面目で真摯」、「面白い芸人としてのリスペクトがある」という相方への根底にある想いから発せられた言葉だと思うのだ。


もちろん、コロナ禍という今の状況で誰もがそれぞれの環境で苦しみや不安、辛さを抱えながら時間を過ごしている。そんな中で今回の一件は許容できる範囲を超えた出来事で不謹慎なものであったのは確か。ただ、一方でこれからの岡村さんがどのように矢部さんの言葉を受け止め、これからに生かしていくのか。ナインティナインという芸人で育ったいちお笑いファンとして、アップデートされた「ニュー岡村隆史」の姿が見られることを楽しみにしていたい。

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