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【免疫学者Cal】 免疫学的な視点から様々なトピックをご紹介

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  • 免疫学と新型コロナウイルスのまとめ

    免疫学の基礎知識から新型コロナウイルスの危険性、核酸ワクチンの危険性を科学的知見を基にして考える

記事一覧

固定された記事

トップ固定記事・2023年までのまとめ

ここでは2023年のアップデートを中心に今までの流れをまとめています。 2022年までのまとめや、免疫学の基礎知識については下記を先にご覧ください。 核酸ワクチンと自己…

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記事紹介:コロナ感染・ワクチン接種後に発症するアレルギー性接触皮膚炎

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しておこう。 このエキスパート記事の筆者は色んな論文を記事で紹介してくれているのでありがたい。今回の記事は「Patient-Report…

塩野義製薬の新型コロナワクチン 厚労省が国内での製造販売を承認

塩野義製薬の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省がようやく製造販売承認を決めた。塩野義製薬は2020年からずっと新型コロナウイルスに対する従来技術ベースの…

記事紹介:コロナ情報発信の国内専門家、半数が「攻撃受けた」

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しよう 一般人の中にはとにかく新型コロナウイルスを無かったことにしたい、過去のことにしたい集団が存在する。彼らは科学的な知…

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記事紹介:「がん超過死亡率は上昇している」京大名誉教授らが論文発表

今日は下記の様な記事を見掛けたので考察しておこう。 全世界から注目を集めているかどうかは知らないが、記事で言及されている論文はおそらく以下のものである。 「Incr…

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記事紹介:アレルギー体質の方への影響はどうだったのか?コロナワクチンによる副反応

今日は下記の記事と紹介されている論文を考えたい。 この記事では以下の論文を引き合いに出して、アレルギー体質の人の新型コロナウイルスワクチン副反応を論じている。 …

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記事・論文紹介:酒で赤くなる人はコロナにかかりにくい?

今日は下記の様な記事を見掛けたので元の論文と併せて考察したい。 元の論文は以下のものである 「Asian flush is a potential protective factor against COVID-19: a w…

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記事紹介:新型コロナウイルスの持続感染

今日は下記のような記事を見掛けたので紹介しておこう。 いつも言っている通り、新型コロナウイルス最大の危険性は神経系感染・神経系症状である。これらはワクチンでも防…

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記事紹介:【闘病】SLE

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しておこう。 全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的な全身性自己免疫疾患の1つであり、抗DNA抗体などの自己抗体産生を特徴とす…

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論文紹介:核酸ワクチンによる潰瘍性大腸炎に特徴的なサイトカインプロファイル

今日は下記の様な論文を見掛けたので紹介しておこう。核酸ワクチンの接種が自己免疫疾患を誘導するというのは証明されてきている事実だが、今回の文献ではその中でも潰瘍性…

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丁度良いワクチンアジュバントとは?

前回の記事ではワクチンに使うアジュバントの選択について、その重要性と難しさを伝えた。免疫活性化が強過ぎれば免疫疾患のリスクが上昇し、弱すぎれば感染防御効果が期待…

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総説紹介:ワクチンアジュバントと心疾患

最近はスパイクたんぱく質そのものの毒性について紹介してきたが、別の視点としてワクチン主成分以外のアジュバントや類似のアジュバント活性に起因する問題も起こり得る。…

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総説紹介:新型コロナワクチンによる脳炎のまとめ

前回のSタンパク質による病態形成と関連する部分もあると思われるので、今日は以下の総説を紹介しておこう。 「Immune-mediated encephalitis following SARS-CoV-2 vacci…

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総説紹介:スパイク蛋白質の病原性=ウイルスとワクチン両方のmRNAに由来

新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Sタンパク質)は特徴的な分子であり、ウイルスのみならず、そのタンパク質自体が持つ病原性についても研究が進んできている。Sタ…

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記事紹介:新型コロナワクチン、疾患との関連性を検証

今日は表題の記事を見掛けたので紹介しておこう。 記事で基にしているのは下記の論文と思われるが、データベースを基にした最大規模のコホート研究を実施し、新型コロナウ…

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記事コメ:画期的なガン研究でも”再現できない実験”がある?

今日は下記の様な記事を見掛けたのでコメントしていこう。 記事では主としてがん研究の前臨床研究(今では非臨床研究と言うのが正しいが)について以下の内容を紹介してい…

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トップ固定記事・2023年までのまとめ

トップ固定記事・2023年までのまとめ

ここでは2023年のアップデートを中心に今までの流れをまとめています。
2022年までのまとめや、免疫学の基礎知識については下記を先にご覧ください。

核酸ワクチンと自己免疫疾患について
核酸ワクチンの接種から、これまでずっと一貫して訴えている重要な問題は核酸ワクチンによる自己免疫疾患リスクの上昇である。核酸ワクチンはその特有の分子生物学的機序と免疫活性化機序によって明らかに他のワクチンモダリティ

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記事紹介:コロナ感染・ワクチン接種後に発症するアレルギー性接触皮膚炎

記事紹介:コロナ感染・ワクチン接種後に発症するアレルギー性接触皮膚炎

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しておこう。

このエキスパート記事の筆者は色んな論文を記事で紹介してくれているのでありがたい。今回の記事は「Patient-Reported Association Between COVID-19 Infection or Vaccination and Onset of Allergic Contact Dermatitis」という論文を引用してコロナ感

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塩野義製薬の新型コロナワクチン 厚労省が国内での製造販売を承認

塩野義製薬の新型コロナワクチン 厚労省が国内での製造販売を承認

塩野義製薬の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省がようやく製造販売承認を決めた。塩野義製薬は2020年からずっと新型コロナウイルスに対する従来技術ベースのワクチンを開発していたが、長い間承認がなされてこなかった。

塩野義製薬のワクチンはタンパク質ベースでアジュバントを改変した従来技術ベースのワクチンである。いつも言っている通りだが、核酸ワクチンはその異常な免疫活性化故に有効性が高かった

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記事紹介:コロナ情報発信の国内専門家、半数が「攻撃受けた」

記事紹介:コロナ情報発信の国内専門家、半数が「攻撃受けた」

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しよう

一般人の中にはとにかく新型コロナウイルスを無かったことにしたい、過去のことにしたい集団が存在する。彼らは科学的な知識や思考力は皆無であり、とにかく自分の欲望さえ満たせればそれで良いと考えているのだ。そういう人間たちは新型コロナウイルスの危険性を科学的に発信している人間に対して攻撃するということだろう。記事では実際に、新型コロナに関連し、科学的な情報を

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記事紹介:「がん超過死亡率は上昇している」京大名誉教授らが論文発表

記事紹介:「がん超過死亡率は上昇している」京大名誉教授らが論文発表

今日は下記の様な記事を見掛けたので考察しておこう。

全世界から注目を集めているかどうかは知らないが、記事で言及されている論文はおそらく以下のものである。

「Increased Age-Adjusted Cancer Mortality After the Third mRNA-Lipid Nanoparticle Vaccine Dose During the COVID-19 Pandemi

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記事紹介:アレルギー体質の方への影響はどうだったのか?コロナワクチンによる副反応

記事紹介:アレルギー体質の方への影響はどうだったのか?コロナワクチンによる副反応

今日は下記の記事と紹介されている論文を考えたい。

この記事では以下の論文を引き合いに出して、アレルギー体質の人の新型コロナウイルスワクチン副反応を論じている。

「Distinct Adverse Reactions to mRNA, Inactivated Virus, and Adenovirus Vector COVID-19 Vaccines: Insights from a Cohor

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記事・論文紹介:酒で赤くなる人はコロナにかかりにくい?

記事・論文紹介:酒で赤くなる人はコロナにかかりにくい?

今日は下記の様な記事を見掛けたので元の論文と併せて考察したい。

元の論文は以下のものである

「Asian flush is a potential protective factor against COVID-19: a web-based retrospective survey in Japan」
(Environ Health Prev Med . 2024:29:14.)

要約する

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記事紹介:新型コロナウイルスの持続感染

記事紹介:新型コロナウイルスの持続感染

今日は下記のような記事を見掛けたので紹介しておこう。

いつも言っている通り、新型コロナウイルス最大の危険性は神経系感染・神経系症状である。これらはワクチンでも防げないし、長期的に治療法もなく悪影響を及ぼし続けるからだ。今回の記事でも類する状況が紹介されている。

まず記事の前半では長期的な持続感染に関する知見が紹介されている。

新型コロナ感染発症から約200日後に嗅覚消失を訴える患者で鼻腔上皮

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記事紹介:【闘病】SLE

記事紹介:【闘病】SLE

今日は下記の様な記事を見掛けたので紹介しておこう。

全身性エリテマトーデス(SLE)は代表的な全身性自己免疫疾患の1つであり、抗DNA抗体などの自己抗体産生を特徴とする炎症性の免疫疾患である。自己抗体が自身の核などを標的とする為、延々と免疫反応が起こり続け、全身性にあらゆる症状を呈する。代表的な症状は皮膚や腎臓の炎症であるが、神経や肺、心臓など多様な臓器に障害を生じる。また、自己免疫反応であり、

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論文紹介:核酸ワクチンによる潰瘍性大腸炎に特徴的なサイトカインプロファイル

論文紹介:核酸ワクチンによる潰瘍性大腸炎に特徴的なサイトカインプロファイル

今日は下記の様な論文を見掛けたので紹介しておこう。核酸ワクチンの接種が自己免疫疾患を誘導するというのは証明されてきている事実だが、今回の文献ではその中でも潰瘍性大腸炎に着目し、核酸ワクチンによる自己免疫疾患誘導機序の一端を明らかにしている。論文は以下のものである。

「Cytokine and chemokine profiles in ulcerative colitis relapse aft

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丁度良いワクチンアジュバントとは?

丁度良いワクチンアジュバントとは?

前回の記事ではワクチンに使うアジュバントの選択について、その重要性と難しさを伝えた。免疫活性化が強過ぎれば免疫疾患のリスクが上昇し、弱すぎれば感染防御効果が期待出来ない。特に、感染防御についてはIgGではなく粘膜IgAの上昇が大事だということも過去に説明した通りだ。その点については、粘膜ワクチンの研究などが進んでいるが、効率良くIgAを誘導するのは難しく、粘膜ワクチンに使えるアジュバントもやはり課

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総説紹介:ワクチンアジュバントと心疾患

総説紹介:ワクチンアジュバントと心疾患

最近はスパイクたんぱく質そのものの毒性について紹介してきたが、別の視点としてワクチン主成分以外のアジュバントや類似のアジュバント活性に起因する問題も起こり得る。今日は下記の様なレビュー論文を見掛けたので紹介しておこう。

「Adjuvants in COVID-19 vaccines: innocent bystanders or culpable abettors for stirring up

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総説紹介:新型コロナワクチンによる脳炎のまとめ

総説紹介:新型コロナワクチンによる脳炎のまとめ

前回のSタンパク質による病態形成と関連する部分もあると思われるので、今日は以下の総説を紹介しておこう。

「Immune-mediated encephalitis following SARS-CoV-2 vaccinations」
(Clin Neurol Neurosurg. 2024 Mar:238:108188.)

Sタンパク質はACE2や神経系に発現するNRP1を標的とするなど、それ

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総説紹介:スパイク蛋白質の病原性=ウイルスとワクチン両方のmRNAに由来

総説紹介:スパイク蛋白質の病原性=ウイルスとワクチン両方のmRNAに由来

新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(Sタンパク質)は特徴的な分子であり、ウイルスのみならず、そのタンパク質自体が持つ病原性についても研究が進んできている。Sタンパク質の持つ毒性は新型コロナウイルス感染時のリスクとなるだけでなく、これを利用したワクチン全般において生じ得る問題となる。一方で、このブログでは核酸ワクチンについてその特有のリスクを説明してきたため、主題としては扱ってこなかったが、関連

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記事紹介:新型コロナワクチン、疾患との関連性を検証

記事紹介:新型コロナワクチン、疾患との関連性を検証

今日は表題の記事を見掛けたので紹介しておこう。

記事で基にしているのは下記の論文と思われるが、データベースを基にした最大規模のコホート研究を実施し、新型コロナウイルスワクチンが神経や血液、心臓に関連する疾患のわずかな増加と関連付けられたことを紹介している。

「COVID-19 vaccines and adverse events of special interest: A multinat

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記事コメ:画期的なガン研究でも”再現できない実験”がある?

記事コメ:画期的なガン研究でも”再現できない実験”がある?

今日は下記の様な記事を見掛けたのでコメントしていこう。

記事では主としてがん研究の前臨床研究(今では非臨床研究と言うのが正しいが)について以下の内容を紹介している。

アムジェンというバイオテクノロジー企業の科学者たちが、ガンの研究について一流の学術誌に掲載された53件の画期的な「前臨床」研究の再現を試みた。 ※「前臨床研究」:医薬品開発の初期段階で、多くは試験管内でマウスやヒトの細胞を使ってお

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