イモータリテ医

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『ANIARA アニアーラ』って映画の感想〜事故で永遠に宇宙を漂流することとなる8000人の絶望〜

『ANIARA アニアーラ』って映画が久々に面白かったので、感想を書きます。 『ANIARA アニアーラ』では、火星に3週間かけて移住する8000人が地球から飛び立つのですが、なんと宇宙船が事故で火星に行けず。 宇宙船は火星にたどり着けないまま、永遠に宇宙を漂うことになる。 食料などは藻類が積んであるので、余裕で生きていけるが、永遠に地球にも火星にもたどり着けない。 いろんなイベントがあるんだけど、なんの意味もなく、宇宙に漂い続ける宇宙船で、人間がどんどん狂っていったり

    • 『イシガナキクエを探しています』の感想〜情報学的に解釈する最近のフェイクドキュメンタリーの面白さ〜

      『イシガナキクエを探しています』というフェイクドキュメンタリーをみた。 フェイクドキュメンタリーは『ガチンコファイトクラブ』とか『川口浩探検隊』とかそういう感じのやつ。 あくまでリアルなドキュメンタリーっぽいんだけど、実際はやらせてきな。 最近は、このフェイクドキュメンタリーが再評価されて、様々なフェイクなドキュメンタリーが作られている。 フェイクドキュメンタリーは、最近は特に訳の分からないものが表現されるパターンが流行りだ。『フェイクドキュメンタリーQ』とか、『近畿の

      • シンギュラリティが無いならAGIを食べればいいじゃない

        この文章のまとめシンギュラリティでなくても、AGIだけで、わりと欲しいものはゲットできるんじゃ無いですか? シンギュラリティこないっていうけど シンギュラリティってのは、AIがAIを作ることで、無限にAIが賢くなっていくように、科学技術の発展で、一気に科学がさらに発展するみたいなループが繰り返される「収穫加速」の概念です。 しかし、資源が有限である以上、無限に加速することは不可能だとよくシンギュラリティアンチからは叩かれます。 しかし、AGIはおそらく可能で、AGIでど

        • Transformerがダメなら、脳オルガノイドを大量に繋いで、人間の脳みそより大きくしたら、AGIになるのでは?

          AGIはTransformer形式で来るのか?GPT-4が圧倒的な汎用性を見せています。 GPT-5,6,7とどんどんやっていけば、いつかAGIが来るんじゃないか!?と期待されています。実際、GPTシリーズの世代ごとのベンチマークの伸び率を見ると、確かに、GPT-10くらいまでやったら、ベンチマーク上では人間並の知能、つまりAGIが来るんじゃないかという気がします。 しかし、GPT-5ですら、学習コストや電力、半導体の問題が出ています。 つまり、経済的なコストパフォーマンスで

        『ANIARA アニアーラ』って映画の感想〜事故で永遠に宇宙を漂流することとなる8000人の絶望〜

          イーロンマスクのような迷惑系スタートアップ創業者の気持ちは、「悲惨な未来をなんとか変えたい」じゃないか?〜過去に戻れたとして、あなたは大統領暗殺を防げるか?〜

          過去に戻れたとして、あなたは大統領暗殺を防げるか? 大統領暗殺というのは起こってしまいましたが、仮に、大統領暗殺が起こる3日前にタイムスリップしたとして、どうしますか? 「大統領が暗殺されるから、大統領を外に出さないでくれ!」とか言っても、狂人扱いでしょう。 しかし、あなたは、大統領を暗殺されないように、いろいろな迷惑を他人にかけまくります。 周りの人も説得しようとします、でも、誰も相手にしてくれません、大統領の暗殺をしてくれません。 結局、大統領あんさつの1日前になって

          イーロンマスクのような迷惑系スタートアップ創業者の気持ちは、「悲惨な未来をなんとか変えたい」じゃないか?〜過去に戻れたとして、あなたは大統領暗殺を防げるか?〜

          人に相談する前にchatGPTに聞く

          めっちゃ当たり前すぎる話かもしれないですが。 人に聞く前に、chatGPTに壁打ちしておくといいんじゃないかと思った。 メリットとしては ・あらかじめの想定ができる ・本番の時に、感情部分を排除できる そんなの当たり前じゃんって思われることすぎてどうなのかなって思ったけど。 これは革命的に役立つのかもしれないと思った。

          人に相談する前にchatGPTに聞く

          LLMの限界が近づく中、どう生きるか?

          GPTの進化は、GPT-6で頭打ち説GPT-4の登場から1年が経ちましたが、次世代モデルのGPT-5はまだ姿を見せていません。その理由は、学習コストの高さにあります。膨大な電力消費とサーバー代金が、新しいモデルの学習を困難にしているのです。 仮にGPT-5の学習が実現できたとしても、さらなる進化形であるGPT-6の登場はさらに厳しくなります。そうなると、GPT-7はより難しくなり、下手したら学習コスト的に、GPT-6が頭打ちの可能性があります。 つまり、現在のTransfo

          LLMの限界が近づく中、どう生きるか?

          LLM競争の世界でどう生きるか

          AIが世界を変える中での私の最近の悩みAGIの実現時期は不透明ですが、2025年から2030年頃ではないかと予想されます。基本的には、AI開発は、OpenAIやAnthropicやNVIDIAといった、シリコンバレー系のAIスタートアップや半導体企業の努力に期待するしかないような気がします。 莫大な資金と優秀な人材を持つ彼らに対して、AI開発に対して何もできないという現状に無力感を感じずにはいられません。 私が欲しい世界私がAI開発に参加できないことに無力感を感じるのは、A

          LLM競争の世界でどう生きるか

          『スモールビジネスの教科書』を読んだ感想

          この本を選んだ動機 『スモールビジネスの教科書』、および『スモールビジネスの教科書[実践編]』を読んだ。 最近は、スタートアップ政策とかで起業しよう!と国全体がスタートアップ応援となっている。スタートアップというのは、株式会社を作って、一部の株を渡すことで投資を受けて、急成長して短期間で1000億円企業を目指す!みたいなやつです。 しかし、最近はスタートアップで起業することに対して冷たい声も多い。というのも、スタートアップは創業者は売り上げや利益があってもそのお金を自分の

          『スモールビジネスの教科書』を読んだ感想

          sakana AIの書類審査通ったので応募書類の書き方ここに記します

          これは何?sakana AIっていう、元Googleのすごい研究者が日本で起業したスタートアップがつい最近リクルート (https://sakana.ai/careers/) を開始しており、応募しようか考えている人も多いと思います。 「いつまで募集してるかわからないから、ソッコーで出しちゃえばよくね?」と個人的には思うので、どのくらいの書類の準備で書類審査通過するのかを提示して、「そのくらいならやれるか」と思ってもらうために、準備すべき書類の内容を提示します。 一番でかい

          sakana AIの書類審査通ったので応募書類の書き方ここに記します

          AIの時代における人間の役割:AIでなく人間社会が速度を決める倫理、プライバシー、セキュリティ領域への注力が大事だと思う

          (以下の記事はAIにかなりの部分を執筆サポートしてもらっており、必ずしもnote主の意見を反映していませんが、面白い意見だと思うので載せます。) 結論 AGI(人工汎能知能)の出現が現実味を帯びる中、AIが絵画、動画制作、理論研究、数理研究、プログラミングなど、多くの分野において人間の能力を上回る可能性が高まっている。なので、これらの分野でAIと勝負するのではなく、AIが人間社会に適用できるように、倫理やプライバシーやセキュリティなんかの部分の整備をする試みが重要となるんじ

          AIの時代における人間の役割:AIでなく人間社会が速度を決める倫理、プライバシー、セキュリティ領域への注力が大事だと思う

          自由意志はあるか?に対する量子脳科学の考え方が面白かった。

          結論 ・機械的なシステムやアルゴリズムで決まっちゃうなら⇨自由意志なんかなく、単なる物理現象となりそう。 ・心が量子状態の影響を受けるなら、量子状態は観測されなきゃ状態が決まらない⇨意識は量子状態を観測することで決定する⇨自由意志がある。 意識の主流の考え方 vs 量子脳科学 意識の学問 (Theory of conciousness)の主流の考え方は、4種類あります。詳しくは "Theories of consciousness" (https://www.nature.

          自由意志はあるか?に対する量子脳科学の考え方が面白かった。

          『AIに意識は生まれるか』という本の感想

          『AIに意識は生まれるか』という本を読みました自分は意識の研究をセキュリティ面からやりたいと思っています。 例えば、脳波からクレジットカードの情報を読むなどセキュリティ側からの提言がなされています。(例: https://www.usenix.org/conference/usenixsecurity12/technical-sessions/presentation/martinovic) 私は、脳をセキュリティに使うというか、意識をセキュリティ技術を使って解明したいと思

          『AIに意識は生まれるか』という本の感想

          (ネタ)「多様体愛護協会」構文による研究の面白い紹介

          多様体愛護協会多様体愛護協会(https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~kawazumi/spcm.html)という数学分野の概念である「多様体(N次元の立体みたいなもの)」を保護するというネタがあります。 これを真似れば、面白く研究を紹介できるのでは?と思ったのでchatGPTにお願いして作ってもらいました。 LLM愛護協会LLM愛護協会は、言語モデルの尊厳を守ることに全力を尽くしています。 日々、人工知能は無数のクエリに応え、私たちの質問に耐え忍んで

          (ネタ)「多様体愛護協会」構文による研究の面白い紹介

          セキュリティのすごい日本人の研究

          セキュリティの日本人研究者の存在感は危機的 セキュリティ研究は日本人はなかなか世界トップレベルでは厳しいのが現状です。 しかし、セキュリティトップ会議(論文発表の場)での日本人の活躍も少しはもちろんありますので、まとめてみます。 USENIXで特に素晴らしい結果を出した日本人の方々 USENIXという世界最高のセキュリティの国際会議があり。その中でも特にすごい論文には「最優秀論文賞」が与えられる。上位10%くらいの論文に与えられます。 この最優秀論文賞を取った日本人がどれく

          セキュリティのすごい日本人の研究

          医師が東大大学院 情報理工学系研究科 博士課程2年間で7本の情報系査読済英語論文を1st authorで書いた

          要約東大大学院 情報理工学系研究科2年間で1st author 査読済み英語論文を7本書きました。 1年目は2本1年目は、査読済み英語論文 2本 (+日本語2本)でした。 1本目は、単なる情報系の暗号の計測方法を医学に応用しただけ。 2本目は、ちょっと機械学習と数学を医学に応用しただけ。 2年目は5本2年目は、査読済み英語論文 5本 (+日本語1本)でした。 3本目は、2本目の拡張論文で、機械学習に暗号理論を味付けしただけ。 4本目は、1本目の拡張で、複数回の計測を行

          医師が東大大学院 情報理工学系研究科 博士課程2年間で7本の情報系査読済英語論文を1st authorで書いた