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【詩】物語を聴かせて


『物語を聴かせて』

物語の始まりは 古い光のなかで秘密のページをめくる時
隠された小さな罪も
どこかに降る雨の音も
奥めいた庭に咲く名前の知らない花も
果てしない河へ静かに流されていくような
穏やかさを伴っていてほしい
誰かが置き忘れて行った重たげな荷物
深い傷跡
底の知れない暗い闇
そのすべてを密やかで優しい水が、音もなく覆っていくような
そんな物語を聴かせて

(2022.10)

先日公開した2022年まとめより、写真展に寄せた詩「物語を聴かせて」を写真展からの一枚と共に掲載します。

詩・詩集についても一度、単体の記事としてまとめておく予定。
現時点では下記の記事に過去の詩集をまとめてあります。

こちらも詩に関連しての、こないだのXへのポスト。


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