見出し画像

rakugaki_57「美術館へ行こう!【京都編】京都市美術館(前編)」


京都市美術館(現:京都市京セラ美術館)

私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年~1987年。
第二次ブームが2009年~2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っています。

「京都市美術館」は京都市左京区岡崎にある岡崎公園内に1933年に開設されました。
公立美術館としては東京都美術館に次ぎ日本で二番目の開館となります。
2019年には翌年のリニューアルオープンに先駆けて「京都市京セラ美術館」と名称を変更しています。
私の現存する記録の中で、現在まで「京都市美術館」の企画展に出かけたのは14回です。
これは今まで鑑賞してきた「京都市美術館」の感想ブログ(前編)となります。


1)1986年3/4-4/13「シカゴ美術館 印象派展」

シカゴ美術館 印象派展

コロー、ミレー、マネ、モネ、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ他、印象派の巨匠たちが大集合です。
チラシも図録も表紙はルノワールの「テラスにて」で飾っています。
記憶には残っていないので、以下チラシから引用します。

光と色彩が満ちあふれる画面の背後に、絵画の革新という高い精神性をひそませる印象派の絵画は、今日世界中のひとびとから最も親しまれる美術として知られています。
それは印象派の美術が、情熱豊かな魅力的表現としてひとびとをとらえるだけでなく、つねに立ち返るべき近代美術の原点として、歴史的評価を得ているからでもあります。

本展は、この印象派の流れを体系的に紹介するように、先駆者ともいうべきバルビゾン派のコロー、ミレーから、印象派の頂点に位置するマネ、モネ、ドガ、ルノワールを経て後期印象派として独自の世界を築いたセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなど、印象派を代表する作家30名の作品65点によって構成されています。
本展の展示作品は、きわめて質の高い逸品ばかりを所蔵することで「印象派の宝庫」として知られているシカゴ美術館から出品されています。
膨大な作品を所蔵する同館にとっても、これほどの名作が一堂に海外に出品されるのはもちろん初めてのことです。
本展は、風景画、静物画、人物画など主題においても豊かなヴァリエーションを持つように構成されており、しかも、ほとんどが日本で初公開の作品ばかりで、今までにない画期的な「印象派展」であると言えます。

以上、東京展 西武美術館、福岡展 福岡市美術館と巡回してきた美術展ですが、チラシの文面を読んでいるとなかなか凄そうな美術展みたいで、久し振りに図録を見直しました。


2)1986年6/14-7/13「ひろしま美術館/愛とやすらぎのコレクション フランス近代絵画名作展 ミレー、ルノワール、ゴッホ、そして・・・ピカソ、マチス、シャガールなど近代美術の巨匠たち」

ひろしま美術館/愛とやすらぎのコレクション フランス近代絵画名作展 ミレー、ルノワール、ゴッホ、そして・・・ピカソ、マチス、シャガールなど近代美術の巨匠たち

ひろしま美術館の全面的協力を得て、それらフランス近代絵画の巨匠たちの珠玉の名品約100点を一堂に展観するものです。
以下、チラシに書かれている内容です。

ひろしま美術館は、昭和53年11月民間の手によってつくられた美術館です。
広島は世界で初めて原爆の惨禍にみまわれましたが、その地とその地に住む人々、そして訪れる人々に「愛とやすらぎ」のよりどころにでもなればという願いを込めて設立されたものです。
所蔵品の主流は印象派を中心としたフランス近代絵画にあり、その内容の豊かさと作品の質の高さは、戦後のコレクションとしてはわが国最大のもので、かつ最後のものであろうといわれています。
それらは周到な歴史的配慮と厳選された粒揃いの作品で構成され、海外からも高い評価を受けています。
近代絵画の先駆者であるドラクロワをはじめ、コロー、ミレー、クールベら自然派、マネ、モネ、ドガ、ピサロ、ルノワールなどの印象派、そしてゴッホ、ゴーギャン、セザンヌら後期印象派から、ローランサン、ユトリロ、フジタなどのエコール・ド・パリの画家たち、そしてピカソ、ブラック、マチス、ルオー、シャガールなど今世紀の巨匠たちが49名も網羅されています。
本展は、ひろしま美術館の全面協力を得て、それらフランス近代絵画の巨匠たちの珠玉の名品約100点を一堂に展観しようとするものです。
館外にまとまって出ることのない、「愛とやすらぎ」のコレクションを、この機会に是非ご高覧ください。

以上、こちらも図録が残っていたので久し振りに見直すことが出来ました。


3)1986年10/14-11/16「ターナー展」

ターナー展

かなり分厚い図録が今も家にあります。
油彩画50点、水彩画約60点の質的にも量的にもかなり本格的なターナー展でした。
以下、チラシから抜粋したものです。

英国の風景画は、18世紀の末ごろに、地誌学的な実景描写から急速な発達を遂げました。
これは、国内や外国の魅力ある風景、珍しい風景をできるだけ正確に伝えようとするもので、自然と旅を愛する英国人の気質に合致したものでした。
このような風景描写の展開の上に数々の優れた画家が輩出し、肖像画家として有名なゲインズバラも、しばしば好んで風景画を、極めて格調の高い芸術として完成させたのが、ターナーとコンスタブルでした。
ターナーの芸術は、ヨーロッパの風景画の歴史の中でも独特の雰囲気と様式をもつものであり、特に雲、霧、雨などの自然現象の表現では、他の追随を許さないものがあります。
ドラクロワ、モネ、シニャックといった19世紀フランスの画家たちも、ターナーの作品に深い感銘を受けましたが、特にその水彩画における大胆でかつ効果的な色彩の用法は、近代絵画の成立に大きな影響を与えました。

今回のターナー展は、この画家の作品のコレクションでは最大の陣容を誇るロンドンのテート・ギャラリーを中心に、ワシントンのコーコラン美術館、イェール大学英国美術センター(メロン・コレクション)、ポルトガルのグルベンキアン美術館等、多くの美術館、個人コレクターの好意ある協力のもとに、油彩画約50点、水彩画約60点によって、ターナー芸術の全容を紹介するものです。
本展は、質的にも量的にも、世界で最も本格的なターナー展のひとつと言えましょう。

以上、国立西洋美術館から巡回してきたこちらの美術展も分厚い図録が残されているのでこちらも久し振りに目を通しました。


4)2009年6/30-9/27「ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 」

ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画

本物のルーヴルには行けないけど、京都市美術館のルーヴル展を見てきました。
開館20分前に着いたけど結構列んでいます。

目玉作品であるフェルメールのレースを編む女は、思ったよりちっちゃ!って感じ。
全体的には点数もかなり少なめだったけど、大工ヨセフなんかもあって、まあ、久しぶりに美術に触れることができました。

帰りは土砂降りの雨に降られて喫茶店で休憩、高島屋でランチして帰りました。


5)2011年6/25-10/16「フェルメールからのラブレター展」

フェルメールからのラブレター展

フェルメールからのラブレター展に行ってきました。
フェルメールです!
ラブレターです!

はい、どちらもドキドキものですね。

サブコピーは「コミュニケーション:17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ」です。
10月16日まで開催しているので焦る必要は全くないのですが、たまたま時間とチャンスが出来たので、行ってきました京都市美術館に。
今回は、事前にNHKの日曜美術館でやっていたのを視聴しておいたので、情報収集はバッチリです。

入ってみると、行列を予想した長いロープが、受付前にズラズラズラッと蛇のようにとぐろを巻いていました。
でも誰も並んでおらず、スイスイ中に入れましたよ。
フェルメールの作品は30数点ぐらいしか残されていないので、今回の美術展もほとんど違う方の作品だということは理解していました。
なので、その辺でがっくりくることはなかったです。
「フェルメールと同時代のオランダ室内画展」ですね。

観て廻ってハッとさせられたのはヤン・リーフェンスの「机に向かう簿記係」。
はじめレンブラントかと思ってしまいました。
この方、レンブラントとアトリエを一緒にしたことがあって、影響を受けたんですね。
エドワールト・コリエルの「レター・ラック」は17世紀オランダのレター事情が偲ばれる騙し絵です。
もう後はサクサクッと観て、いよいよ最後の部屋がフェルメールです。
2009年のルーブル美術館展の「レースを編む女」以来です!

今回来日したフェルメール作品は以下の3作品。
空いていたお陰で3作品とも、がぶりつきで観られました。

「手紙を書く女」
黄色い服を着た可愛らしい女性。
肩にピントがあっていて、顔は少しぼやけた感じです。
とっても美しい絵。
恋人に手紙を書き連ねているのでしょうか?

「手紙を読む青衣の女」
修復後、世界初公開です。
妊婦さんなのでしょうか?
遠く離れた夫からの手紙を読んでいるのか、想像力が働いちゃいます。

「手紙を書く女と召使い」
初めて観ます。
熱心に手紙を書いている女主人の側で、虚ろに窓の方を眺めている女召使い。
早く書き終わってくれないかしら・・・なんて考えているのかもです(笑)

ラブレター、何だが妬けちゃいました・・・羨ましい。
この美術展は10月16日まで京都市美術館で開催した後、10月27日~12月12日まで宮城県美術館、12月23日~翌年の3月14日までBunkamuraザ・ミュージアムで開催予定です。


6)2011年9/13-11/27「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション」

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」の京都展は11月21日まで。
あと、12日で終了。
このままでは観ずに終わってしまうに違いないと思い、閉館前に強行突破で行ってまいりました。
京都市美術館に、入場締切ぎりぎりで滑り込みです。

さて、この美術展。
すでに国立新美術館で観られた方も多いと思いますが、一応の説明を。
ワシントン・ナショナル・ギャラリーはアメリカの首都にあり、すべての所蔵品は一般市民の国への寄贈からなります。
開館70年を機に行われる大規模改修によって、同館が誇る印象派とポスト印象派の傑作が一堂に会する展覧会が実現しました。
クールベやコローを導入部とし、印象派の先駆者といわれるマネ、そしてモネ、ルノワール、ドガら印象派世代を経て、セザンヌやゴッホなどポスト印象派にいたる83点で構成されています。

そのうち、約50作品が待望の初来日だとか。
何だかワクワクしますね!

閉館前ですので人もまばら。
じっくり観ることが出来ました。
この美術展、美術欠乏症のせいかも知れませんが、とっても素敵でした!

エドゥアール・マネの「鉄道」は犬を抱っこした女性が読書中。
しかし、何故だかカメラ目線。
隣りの女の子は青いリボンが印象的な後ろ姿。
二人は家族で父親が帰って来るのを待っているのでしょうか?
映画の一コマを切り取ったみたい。
いろいろ想像出来る絵画です!
この「鉄道」も閉館前には独り占め!
むふふ。

クロード・モネの「日傘の女性、モネ婦人と息子」は素敵過ぎ!!
風が吹いているのを感じました。
憂いのある婦人と息子さんと情景が素敵です。
これも独り占め!
ぬはは。

クロード・モネの「ヴェトゥイユの画家の庭」はとっても素敵!!
中央の道に女の子が何名か立っていて、左右はひまわりが咲き誇っている。
とっても情緒的な絵。
これも独り占め!
うっひゃー。

メアリー・カサットは知りませんでしたが、「青い肘掛け椅子の少女」「浜辺で遊ぶ子どもたち」「麦わら帽子の子ども」と、いづれも可愛らしい子どもたちの絵でした。
これも独り占め!
やっほぅー。

ポール・セザンヌの「赤いチョッキの少年」は感動!
色合い、構成が革新的!
これも独り占め!
むぎゃぁぁぁ。

フィンセント・ファン・ゴッホの「自画像」。
これだけは最後まで独り占めという訳にはいきませんでしたが、じっくり近くで観られて、昨年末の国立新美術館のゴッホ展の敵討ちが出来た思いです。

美術欠乏症だった私は、久しぶりに息を吹き返すことが出来ました。
こんな素敵な時間が持てたことに感謝です。


7)2014年7/5-9/7「バルテュス展」

バルテュス展

待ちに待ったバルテュス!
もう本当にバルテュスの絵が好きで好きで、一度でもいいから本物を観てみたいとずっと思っていました。
もう随分昔、何かの雑誌に絵が紹介されていて、その絵に物凄く興味をそそられました。
「白い部屋着の少女」
とても綺麗な絵だなぁと。
何故かその時、バルテュスは日本人と結婚し、その実の子をモデルにした絵・・・と、微笑ましい親の目線が入っている素敵な絵と勘違いしていました。
実際のモデルは、兄の妻の連れ子である義理の姪フレデリック・ティゾンで、娘でも何でもなく、むしろ妻もいるのに30歳も年下の恋人だったのですが。。。

それ以来、読めない洋書の高い図録も買い込んでしまうぐらいの惚れ込みよう(笑)
ま、何はともあれその絵をきっかけに、バルテュスの他の絵にも惹かれることに。
ヘンテコな世界観にやられて、すっかりファンになってしまったのです。

「バルテュス展」、東京都美術館で先月末まで開催していたのが、遂に巡回してきました!
京都市美術館です。

いや~、思ったより混んでいなくて、ゆったり観ることが出来ました!
バルテュスを好きになるきっかけとなった「白い部屋着の少女」に出逢えて幸せだったのと、チラシや図録の表紙に選ばれている「美しい日々」が観られたのも嬉しかったです。
こちらの絵、「足の斜め」で不安感を煽り、手鏡や燃え盛る暖炉など、芝居がかった小道具、大道具が用意されていて、ちょっと舞台を鑑賞しているかのような気になってしまいます。

2回程ぐるりと観て回り、図録とクリアファイル、ポストカードを購入して帰路に着きました。


・・・後編に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?