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【散策】秩父札所34観音霊場巡り(埼玉県/秩父)

他の人たちは、芝桜を見に来たのかもしれないが、私の今日の目的は「秩父札所34観音霊場巡り」だ。

秩父にはよく来る。都心からのアクセスが良く、散歩にはちょうどいいスポットだ。目的もなく歩くのはさすがにしんどいので、秩父札所巡りという目的を持って、その日の気分で歩く。1箇所だけ周ることもあれば、5、6箇所とたくさん周ることもある。時間があれば、駅前の温泉に浸かってその日かいた汗を流す。これが最高に気持ちがいい。秩父札所巡りはこれで3周目になる。

駅前は桜が咲いており、清々しい風がそよいでいた。秩父市内は古民家が立ち並んでおり、良い町並みだ。秩父のシンボル的な大橋を渡っていき、23番目の札所である音楽堂を目指した。

駅前の桜並木
外壁が傷んでいる古民家
秩父の大橋

音楽堂は丘の上にあり、登り坂を上がっていく。途中、旧道を通ろうとしたが橋が崩れていて通れなかった。仕方ないので車が通る道を登っていった。季節が季節だからか、熊ん蜂がブンブンと大きな音を鳴らして飛び回っている。こちらから危害を加えることがなければ、刺されることはまずないとわかっていても蜂は怖いものだ。

頑張って向こう側へ渡れないかと思ったが無理そう
音楽堂

次に、24番札所の法泉寺へ。道中、どさん子ラーメン、蕎麦屋、ピザレストランが並んでいたが、まだ昼には早いのでグッとこらえて、諦めて法泉寺を目指した。法泉寺へは石段を登る必要がある。春だが、石段を登り切ると汗ばむくらいの気温だ。お参りを済ませてから、休憩所でお寺からの町並みを眺めながら、水分補給をした。

長い石段
道中で見つけたお蕎麦屋さん

このままの勢いで、25番札所の久昌寺を目指す。一本道なので迷うことはない。所々で桜が咲いており歩いていて気持ちがいい。久昌寺は池の先にあるお寺で、とても良い眺めの良い場所でもある。また、池から流れる小川のコポコポという音がたまらない。小川のせせらぎはずっと聞いていられる。

25番札所の久昌寺までの道すがら
25番札所の久昌寺の池

ここまでで今日は帰ることにし、最寄りの駅まで歩くことにした。せっかく秩父まで来たのでお昼を食べて帰ることにした。「太鼓亭」という趣のある店構えの蕎麦屋に最初行こうと思ったが、近くの「手打ち蕎麦 百花」に行くことにした。

橋の前に桜並木があり、桜の花びらがヒラヒラと風に乗って舞っていた。橋の下には大きな川が流れており、水はとても澄んでいる。気温が25℃近くあったので、下まで降りることができたら、手で水をすくってジャブジャブしたい気持ちだった。

橋の前の桜並木
澄んだ水が流れている川
16km先にコンビニって、めちゃ遠いな

途中、29番札所の長泉寺が近くにあることに気づき、立ち寄ることにした。いつもならまず人はいないのだが、やたら観光客らしき人たちがたくさんいた。どうやら、境内にあるしだれ桜を見に来たようだ。私はお参りを済ませて、納経帳に御朱印をいただきそそくさと足早に立ち去った。

29番札所の長泉寺のしだれ桜

納経所では、各札所の絵が各ページに描かれた納経帳が売られている。前々からほしかったのだが買わずじまいでいたため、合わせて購入した。新しく買った納経帳にも御朱印を書こうとしてくれたのだが「あっ、そちらは書かなくて大丈夫ですよ」と声をかけた。また次来たとき、4周目の納経帳として使う予定だからだ。いっぺんに2回いただくのはチートになってしまう。

その後少し歩き、目当てのお店に着くと、ソースカツ丼と蕎麦のセットを注文した。ちなみに、秩父はソースカツ丼(わらじかつ)で有名だ。蕎麦は少し硬めでコシがある感じだが、さすがそば処の秩父、とても美味しい。ソースカツ丼もカツはそれなりの厚みがあり、揚げたてで衣はサクッと音を立てる。小鉢がついて来るのだが、しいたけを中華風のピリ辛なソースと和えた感じだった。これも悪くない。

手打ち蕎麦 百花

帰り、脚立を持った謎の集団が一斉に電車から降りてきた。普段、乗り降りする人がほぼいないこの駅でめずらしい。清雲寺のしだれ桜を見に来たわけでもなさそうだ。しばらくすると、カンカンカンと踏切の音が鳴り出した。

SL機関車が入線してきた。駅前に機関車を写真に収めようと躍起になっている人たちが、黒山の人だかり状態になっていた。その光景を眺めながら、「意地でも写真を撮るものか」とよくわからない感情が湧いて出た(結果的に、頑として写真は撮らなかった)

帰りの電車を待っている最中の出来事だったので、帰りの電車がめちゃくちゃ混み合うんじゃないかと心配した。正直、静かな休日を楽しんでいる中での喧騒はいい迷惑でもあった。予感した通り、いつもならガラガラの電車は混んでおり、座れなかった。

普段なら特急ラビューに乗って帰るところだが、乗り合わせが悪く、飯能までは普通電車に乗ることにした。いつも乗らない電車で車内はボックス席になっているスタイルだ。これがまた、旅感を増す。

春中旬の秩父はまだ花粉が飛んでおり、口の中が少しイガイガした。15kmの散歩だった。

散策#2(2024/04/13)

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