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『ボードゲームよもやま話』リプレイ派とノンリプレイ派の思考


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■ノンリプレイとは何か?

ボードゲームプレイヤーの間では「リプレイ派とノンリプレイ派」という括りで対話する事が時々ありましす。リプレイ派というのは、その字の通りで同じボードゲームをリプレイすることを好む人のことです。
その対比で考えると「ノンリプレイ派ってどういうこと?」と疑問に思われるかもしれません。「二度と同じゲームをプレイしないことを誓うのかな?」と。
このノンリプレイ派とは単純なごっこ遊びとして「私はノンリプレイ派だぜ!」と党派意識でうそぶいているわけではありません。

ノンリプレイ派とは自分にとって未知で新たなゲームをプレイしたい場合、一度プレイしたゲームを繰り返し遊んでいると時間的リソースなどがなくなるためリプレイを避ける志向のことかと捉えています。単純に、未プレイのゲームとプレイ済みのゲームが目の前にあった場合、どちらを選びがちかで自身の性向がわかるかなと思います。
つまりは、ノンリプレイ派は未知のゲームを遊びたい人ということですね。

■経験をコレクションしたい欲求

自分は個人的に思っているのが、現代のオタクの傾向として経験をコレクションしたい性向が前景化しているのだと思っています。
経験をコレクションというと言葉として変に思えますが、実体のあるモノをコレクションするよりも消費の体験のコレクションの積み重ねを重要視するような考え方という感じです。
そこにはそもそも実体としてのモノを所有するにしてもそれ自体にお金がかかるし、それを保管しておく場所の維持のためのお金もかかるため、モノを集めることよりもソレを消費することに重点を置くように移行したような印象です。順序が逆で単純に実体を持つにはお金が足りないだけかもという話ですね。
一時期に流行ったファスト映画や動画の倍速視聴という行為はそこからさらに意味が進み、消費者の生活の中での可処分時間も有限であり、それを効率化してコンテンツの消費をコレクションするための手法のように思えます。

オタキングと称していた岡田斗司夫さんは著書の中でオタクの世代分類について書いていたように記憶しています。
オタク第一世代はそもそもコンテンツにの情報を集めることが出来て、さらにそれを集めることの出来るような財力を持っている人たちだった。そして、その後のオタク世代ではビデオデッキや出版文化そのものの発展によって、集めやすいような状況が整ってきたと。
端的にオタク文化の中で「何かを集めたい」という欲求がずっとあり、それが現在では実物のあるものよりも「経験」の方へ移行しているように自分は思います。

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