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彼女たちの背中

22歳で化粧品会社に入社した時、
周りは一回り以上年の離れた
お姉様方ばかりだった。


シックなブランド物のスーツに身を包み、
お手入れの行き届いたお肌と
洗練されたメイク。

コツコツとピンヒールを鳴らしながら
1日中サクサクと仕事をこなし、
気難しい取引先の前でも堂々と振る舞う。

あの頃そんな姿は
自分とはまるでかけ離れたもののように
感じていた。


彼女達が食事の席で口にする
「ブランドで
船上パーティーをしていた頃の話」や
「デートでレストランを
貸切にしてもらった話」は

バブルを知らない私にとっては
「昔々あるところに...」と同じ位、
遠い世界の事の様に聞こえた。

先輩というよりももっと上の
存在のように感じて、
毎日がずっと、緊張の連続だった。




気づけば、あっという間にあれから
20年近くが経っていて、
わたしはあの頃のお姉様達の歳に
近づきつつある。

残念ながら今のわたしは
ブランド物のスーツは持っていないし
(それどころかスニーカーで出社している)
20年で時代は大きく変わったから
働き方も随分と変わった。


でも、ふとこう思う。


わたしが今、年齢を重ねる事を
そこまで恐れずにいられるのは、
20代のあの頃、
年齢を重ねても美しくパワフルに生きる
彼女達の背中を見ていたからだ、と。


そして、こうも思う。


これから大人の女性として
ますます磨かれていく
私よりも年下の人たちに

私自身がそうしてもらった様に
『年齢を重ねるのが楽しみになるような姿』を見せていきたい。


その為にはまず、
私がもっともっと
人生を楽しまなければ。

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