見出し画像

【う▷うれしいコト日記】47文字とヘンテコ凛な私

人生後半の日々を心地好く過ごすためのちょっとしたコツを『いろはにほへと」の中に拾ってみました。


【うれしいコト日記】

日記を始めて十年以上になる。

なぜ書き始めたか?というと、あまりに毎日が同じだから。

その当時、まだ自営業ではなく会社勤めの身だったから、毎朝、子供たちと自分の弁当を作り洗濯をすませ、出勤し毎日の仕事をこなし、帰りに買い物をすませ夕飯を作り片付けをし、眠る。

息子たちは。それぞれにいろいろと母に心配をかけつつ青春の日々を謳歌していたが、自分に関しては只ひたすら毎日をこなすのみ。

消耗のみで、私には何もない気がした。こんなんじゃ嫌だ!と、書いて見てもやはり同じだった。

会社の昼休みに前日のことを書くと決め、日記帳を引き出しの中にしまっておいた。

それでも、気がつけば何日も過ぎてしまい、となりの席の同僚に『今回は何日分書いてるんですか?」と度々言われた。

次の年から思いきって三年日記帳を買った。意外とこれは良かった。何故かというと、一年前の今日辺り、自分が何をしていたかと読むのが楽しかったからだ。

やってるコトはあまり変わらなくても、頑張ってたんだねぇとか、そうそう、そんなコトあったとか。

で、五年日記帳に昇格してはや2冊目。
還暦を過ぎた辺りから同級生が亡くなったり、大切な友人との別れがあったりすると自分の番を意識するようになった。
だから10年日記に手が出せなかった。
でも知り合いのお母さん(確かもうすぐ80才とか)が10年日記を買ったと聞き、次回は10年日記に挑戦すると決めた。

うれしいコト。
日記を始めてからの十数年の中で一番嬉しかったのは、やはり自費出版だけど本が一冊出せたコト。

2012年だから、ちょうど10年前になる。タイトルは「福々屋」
児童書で、同人誌に載せた招き猫つながりのものを集めた。
同人誌の会からも半分負担して頂いて叶った夢だ。

確か300冊くらい作ったので、友人や知人に片っ端から連絡して買って頂いた。中には10冊って言ってくれた方が四人いた。

一番たくさん買って頂いたのは、友人のさらに知り合いの社長さん。

その方は、地元の有志の方々と毎年夏休みに福島の子供たちを招待して、山手で合宿をされていた。
多分、過去形ではなく現在も続いているはずだ。

その子供たちの前で、「福々屋」を書いたいきさつなど話して欲しいと言われた。それも2時間枠。

もう、アタマ真っ白である。

ド素人以前に、授業中は絶対発言しない、出来ないで18才まで過ごしてきた私。

「原稿なんか書いても、面白くないって。箇条書きのメモくらいかなぁ」ナンテ。
夫の言葉にそそのかされ、原稿を作らず、毎日毎日、料理中も運転中もブツブツ、ブツブツ練習を繰り返した。

いよいよ、当日。
車で山の合宿所まで送ってくれた夫に見送られ会場に。
学校の教室サイズに小学生の子供たちと、お世話して頂いてる大人な方が後ろにちらほら。

心臓が爆発しそうだった。

友人に相談したら右の方の人、真ん中辺り、左と順々に視線を動かして話かければ大丈夫!と。

ちょうど真ん中辺りに真剣にこっちを見ている四年生くらいの女の子を発見。

同人誌に参加したきっかけや何故招き猫なのかとか、出来上がるまでの苦労など。

右を見ると眠そうにあくびしている女の子たち。左を見ると三人でふざけあってる男の子たち。

そうだよね~こんな話ちっとも面白くないもんね・・・

逃げ出したい気持ちを我慢しつつ、始めに見つけた真ん中の女の子だけに話かけていた。
私のつまんない話にウンウンとうなづき、エッと驚いてくれたり。
もう、私からみると天使のようにその子だけが光輝いてみえた。

2時間頼まれていたのに、あえなく一時間で終了。
何か質問ありませんかの声に静まりかえる会場。
係の方が、じゃあサイン会しましょうと。
こんな展開になるかもと同人誌のペンネームをもとに夫が考えてくれたサインをすることに。

でも、子供たちは並んでくれた。

並んでくれたのも嬉しかったけれど、何より嬉しかったのは、並んだ子供たちが、サインを待つ間に、いろいろと質問してくれたことだ。

さっきふざけていた三人組もアクビしていた女の子も。
涙が出るほど、嬉しかった!

講演のお話を頂いた時に、自分たちの故郷に住めなくなったり、外では危険で遊べない子供たちに夢が叶って一冊の本ができたお話をして下さいって言われた。
微力でも、ちょっとでも応援できるかなと思っていた。

でも、応援されたのは私の方だった。
今までの人生の中で、特に日記をつけだしてからのNO.1の嬉しかったことである。

長い文章になってしまったけれど、書いているとめちゃくちゃ楽しいnoteはちょっとお休みします。

応募したいものがあるので、締切目指して頑張ります。
夢あきらめないために。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?