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Superilles(スーパーブロック):バルセロナのスマートシティ政策。持続的かつ快適に人々が暮らすことを目的とする官民連携の街づくり。(CASE: 54/100)

▲「Superilles(スーパーブロック)」とサステナビリティ

スペインのバルセロナは、街路が碁盤の目のように横と縦に直行するようデザインされています。1850年の産業革命の際、遠くまで見渡せること、風通しの良いことをコンセプトにデザインされました。170年以上前にスマートシティの計画があったことには驚きです。

しかし、2014年、交通量の増加から空気汚染問題が発生。それに対し、バルセロナは、Superilles(スーパーブロック)と呼ばれる施策を取りました。これは、市の中心地の交通量を減らすことを目的とし、9つの碁盤の目を1つのスーパーブロックと設定、その中では車両が10km/h以下でしか走れないように法整備しました。その結果、歩行者のスペースが74%増え、騒音レベルが5.5dBA、窒素酸化物(NOx)が42%、粒子状物質汚染が38%下がりました。それだけでなく、人々はゆっくり買い物ができるようになり、歩行者や観光客が増え、通りのマーケットのビジネスを活性化させました。

最近では、IoTテクノロジーを活用し、車両用道路に車両のスピードを検知するセンサーを設置しています。このセンサーは、時速30キロ以上の車がいると信号を赤にし、歩行者優先および、空気汚染の解決、歩行者との事故削減に貢献しています。さらに交通情報は、市に送られ、さらなるまちづくりに活かされています。

人類が長期的に快適に暮らすことを目的とするための街づくり、および法整備のデザインを官民連携で行っている姿はサステナブルそのものであり、日本の都市も参考にできるのではないでしょうか。

日本政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」を掲げていますが、観光都市のスマートシティ化は、外国人観光客を呼び込むためにも有効な一手であるように思います。また、超高齢社会を迎えるにあたって、より人間中心のまちづくりが必要になってくるのではないでしょうか。

さて、バルセロナでは、44,000人を超える出席者を迎える大規模なスマートシティのイベントSmart City Expo World Congressが今年も11/15(火)から11/17(木)に行われます。この記事の執筆者である私は、現在バルセロナの大学院に留学中で、最新の動向をチェックするため、現地で参加したいと思っています。オンラインでも参加できるので、みなさんも参加してみてはいかがでしょうか。

▲参照資料

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.labインターン 大塚 将真

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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