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どうして専業主婦になったのか〜ブライダルシンガーのお仕事って?

※ここで触れているお仕事の様子はコロナ前のことなので、今は働き方が変わっているはずです。悪しからず……

ブライダルシンガーとは、所属先の音楽事務所から県内の結婚式場に派遣され、挙式のリハーサルを進めたり、本番では讃美歌を歌ったりする仕事です。時には新郎新婦からリクエストされた歌も歌います。それはオペラや歌曲にとどまらず、ジャズやJ-POPまで(!)とにかく幅広いです。

讃美歌は手持ちの讃美歌集で対応できますが、リクエスト曲はそうはいきません。挙式日の1週間前あたりに、事務所から楽譜をもらって個人練習します。

音楽事務所にはシンガーだけでなく、ピアニストや牧師、弦楽器や管楽器の奏者も所属しています。その中からシンガー2人とピアニスト、そして牧師の計4人(挙式オプションの希望があった場合には、管弦楽器の奏者も加わります)が各自、県内の「チャペルのある場所」へ出向いていきます。そのため、職場はリゾートホテルだったり結婚式場だったり、日によって変わります。ともに挙式にあたるメンバーも、日によって変わります。

ところで結婚式が行われるのは基本、土日です。そして県内のリゾートウェディングの書き入れ時は春と秋。暦にすると3月4月と10月11月です。

とくに秋の繁忙期はハンパないです。毎週土日の1日の流れはこんな感じ。

朝7時前 出発→1時間ほどかけて、県内北部のホテルに車で移動
 8時頃 到着 ホテルスタッフを交えて挙式の打ち合わせ。空いた時間でシンガー&ピアニストは讃美歌やリクエスト曲の練習
 8時半 挙式リハーサル→ご参列のお客様をチャペルへご案内。
 9時  挙式開始
 9時半 挙式終了。お客様をチャペルの外へご案内→フラワーシャワーで撒かれた花びらの片づけ
  10時頃 次の挙式の打ち合わせ&歌の練習
  10時半 挙式リハーサル→ご参列のお客さまをお席へご案内
  11時  挙式開始
  11時半 挙式終了 お客様をチャペルの外へご案内→フラワーシャワーで撒かれた花びらの片づけ
以上の流れを18時頃まで繰り返して、渋滞の程度にもよりますが帰宅はだいたい20時頃。    お昼? スキマ時間で食べてたような…

小さなチャペル(派遣される場所によっては、チャペル横のそのまた小さなモニター室? みたいな、荷物置き場と化してるところ)に朝から晩までカンヅメ状態で、忙しすぎて子供の運動会すら見に行けないシンガーが、この時期は続出します。人手が足りず休みが取れないのです。

そんな姿を見て、私は心の中でそっとため息をついていました。

わが子の運動会すら見に行けないなんて気の毒すぎるでしょ……

この仕事をしていて、新郎新婦のハレの日に立ち会えるのが、とくに嬉しかったです。参列の方に「ステキな歌声ですね」と褒められたりしたら、よーし、また頑張ろう! と力が湧いてきました。

誰もができない特別な仕事をやらせてもらった。そんな気持ちは、今でもあります。

でも!

子供が産まれたら、時間の許す限りわが子をずっと見ていたい。一緒にいたい。まだ乳離れもしないうちから子供を保育園に預けて働きに出るなんて考えたくない。

今は念願かなって専業主婦になり、1歳になった娘との時間を好きなだけ楽しんでいます。家庭保育もまだまだ続きそうです。

結婚前のようなペースで働くのは、もうゴリゴリ。同時にいろんなことをこなせない私には、仕事と家庭を両立なんてムリムリ。ピアノ講師兼ブライダルシンガーに戻りたい気持ちは、子育て中である今のところ、ゼロです。

とはいえ、結婚するまで好きなことを仕事にして働けたのも、ありがたき幸せなことなのです。



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