サイズアウト事件

　息子が10歩以上歩き始めた。この瞬間をずっと楽しみにしていたから、そろそろ彼にファーストシューズを履かせてみることにした。僕たち夫婦が、ずいぶん前に選んでいたのは、私たちの好きなスニーカーブランド。生まれた時から足が大きかった息子のために、少し大きめのサイズを選んだつもりだった。

　しかし、実際に履かせてみると、あれれ？ どうやら入らない。いや、完全に入らない。息子の足が予想以上に大きくなっていたらしい。驚きの成長ぶりに、僕たちも目を丸くした。新品スニーカーが、もうサイズアウトしてしまっているなんて。

　「これはしまった」と思いながらも、どこかで息子の成長を嬉しく思う。今度はちゃんとした靴屋さんに行って、息子の足のサイズをきちんと測ってもらおう。そして、ぴったり合う靴を見つけよう。子どもの成長は本当に早いもので、予想外のことが次々に起こる。

　息子の一歩一歩を見守ることは、日々の驚きと発見の連続だ。今はまだつまずきながら歩く彼の姿が、いつの日かしっかりとした足取りに変わるのを楽しみにしている。そして、その成長の一部として、今回の「サイズアウト事件」も笑い話に変わる日が来るだろう。