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復活の味噌汁と迎え酒

 二日酔いの朝は、まるで大海原に放り出された小舟のように、揺れる意識と戦いながら目覚めた。楽しい時間の裏返しとしてのこの苦しみ、まさに遊びの後の代償は大きい。しかし、実家という安全な港にいるおかげで、この小舟はなんとか浮かび続けることができている。

 朝食は普段は食べないのだが、実家での二日酔いの朝に限っては、まるで命の恩人のように感じられる。母の手作りの味噌汁が、この酷い二日酔いを少しでも和らげてくれる。その一杯で、僕は少しだけ人間らしさを取り戻した気がした。

 日中は、特に何もする気になれず、実家の柔らかい時間の中でダラダラと過ごした。夜になり、姉家族からの小さなサプライズ訪問が。甥っ子姪っ子たちの無邪気な笑顔と元気な声が、僕の心に少しだけ活力を注いでくれた。子どもたちとの短い時間だったが、その中で僕は少しだけ自分のエネルギーを取り戻すことができた。

 夜ご飯の時間、実家の食卓はいつも以上に魅力的に感じられる。自分の意志とは裏腹に、ついつい飲み過ぎてしまう。昨夜の余韻に浸りながら、迎え酒を重ねる。こんな夜もまた、地元で過ごす特別な時間の一部だ。

 同窓会での再会と楽しい時間、そしてその後の二日酔いとの格闘。これらすべてが、僕の実家での一日を形作っていく。懐かしい人たちとの再会、そして懐かしい場所でのゆったりとした時間。これらすべてが混ざり合って、僕の心に新たな思い出として刻まれていくのだ。

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