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生理用品買ってきてって言えない

買わなくちゃと思いながら、ドラッグストアに行くことができず、きてしまった。月のモノが。
家にある生理用ナプキンを集めた。それでも二日ほどで足りなくなる。タンポンも使うしかない。何年も使ってないけど…。

息子が大学やらバイトやら遊びやらに出かけているから、食料と一緒に帰りに頼もうか…。いや、でも大の男が生理用品買うのなんてレジでギョッとされるだろう。
息子でなく娘だったら、こんなに悩まずお願いできるのになぁ。

でも自分で買いに出るのは今の体調だと厳しい。
私はおそるおそるLINEで「生理用品買ってきてほしいんだけどイヤだよね?」
と外出中の息子に聞いてみた。
少しして、

金なくて買えない

という返事。
金がないのは本当だろう。最近、最低限のお金しか渡してないから。
やっぱり無理か。え?じゃあ、金があったら買ってきてくれたのかな。
いや、やっぱり断る口実か。小銭くらいあるはずだが、そもそもナプキンがいくらか知らないだろう。

生理について、性について、子どもとちゃんと話したことがない。
気づいたら思春期になっていて、普通の会話さえほとんどしなくなったのに
改まって性教育といってもなんか気恥ずかしく、新聞で性に関する記事があれば、「これ読んで」と渡す程度だった。避妊とか、デートDVとかに関する記事。

いけないと思うのだけど、性教育は学校に任せてしまった。父親がいれば違ったのかもしれない。

私は身体と心が徐々に変容していく息子を前に、あわあわして、これといったことができなかった。


実家で親元にいるとき、兄が買い物に出て、頼んでみたら(自分から言ったのか母が伝えてくれたのか記憶が曖昧…)、食料なんかと一緒にナプキン買ってきてくれたことあったなぁ。文句も言わず。私が高校生のときだった。

やさしいなぁ、やさしかったなあ。

去年は甥っ子=うちの息子を藻岩山に連れて行ってくれたり、ギターの弦を一緒に買いに行ってプレゼントしたりしてくれた兄。


ナプキンはラスト一個になって、二日後、意を決して朝の早い時間に自分でコンビニまで買いに行った。
川がキラキラ光って、それはきれいだった。
帰り道で、うす緑色の変わった形の実が落ちているのを見つけた。
まだ小さい柿の実だった。


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