【退職後の日常】年齢とともに体型は変わる。生活も変わる。食べものも変わる。
朝、自分の顔を鏡で見てびっくりした。
「ほっぺたが…ぶら下がってるやんか!!」
ほうれいせんと、シミ、シワ、まぶたのたるみ、くすみにはだいぶん前から気づいていたが、
「ほっぺたのぶら下がり」に気が付いたのは今朝が初めてだ。
いや、徐々に来ていたのだろう。
しかし、見るからにぶら下がっていると確認したのは今朝。
あ~あ~
ほっぺたを人差し指と中指で挟んで、あごから耳に向かって引きあげてみたら、一瞬若かりし日の顔型に戻るが…指をはなしたらまたダラ~ン
かつてアーチェリーで鍛えたはずの二の腕は、ふわふわ揺れる振袖になり、
かつて「長くて美しい」と言われた首は、断層のようにくっきりとした横じわとチリメンじわ
かつて硬さと多さに悩んだ髪は、細さと抜け毛に悩むことになり、
身体のお肉は重力に負け、バストなんてシワシワのペラペラ
乳首とおへそが並んでいる(これはウソ)
吉本ばななさんの『人生の旅をゆく』というエッセイ集の中に、こんな言葉があった。
そういえば食べものの好みもすっかり変わった。
私が食べ盛りの中学生の頃に、「マクド」や「ミスド」や「ケンタッキー」が開店。
「世の中にこんなに美味しいものがあったのか」と感動し、「必ずやお金持ちになってマクドとミスドとケンタッキーを食べまくるぞ」と誓ったものだった。
今なら爆買いできるのに、ひとつ食べたら胃がもたれ、太田胃散を飲む有様。
あんなに憧れた分厚いステーキも、いつからか牛肉を食べるとお腹を壊すようになってしまった。
牛の脂が消化できなくなったらしい。
しかし私の両親は、「食べることが唯一の楽しみ」と、20代の孫たち以上になんでもよく食べる猛者だ。
なんでも食べられるのが普通だと思っているに違いない母は、牛肉が食べられなくなった還暦の娘を大変心配してくれる。
心配されると「わたし、どこか悪いんやろか」と自分でも心配になってくる。
ある日病院に行ってドクターに訴えた。
「牛肉を食べるとお腹の調子が悪くなるんです。私、どこか悪いんちゃいますかねぇ?」
するとドクターは笑って言った。
「牛肉食べんかったらエエねん。年取ったらそういうこともあるわな。」
1分で診察が終わった。
そうか。
「牛肉食べへんかったらええ」だけか。
着るものも、食べるものも、暮らし方も、今の自分がいちばん気持ちの良いように選んでいけばよいのだ。
若い頃に食べたかったものは、今食べたいものではなく
若い頃に来たかった服は、今着たい服ではなく
若い頃にしたかったことは、今したいことではない。
私は今、
身体に優しいものを食べたい。
美味しいお酒とそれに合うつまみがあると嬉しい。
木綿や麻の、身体を締め付けない服が着たい。
でも、ジーンズに白Tシャツもいい。
好きな本を読んだり、
書き物をしたり、
旬の食材を料理したり、
自然を愛でたりしていたい。
編み物もしたいが肘を傷めたからしばらく我慢しよう。
できるだけ長く自分で動き続けられるように、
もし親の介護や孫の世話をすることになっても大丈夫なように、
身体だけは鍛えておきたい。
はい、本当に大切だと思います。
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