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【本の紹介】『たすけ鍼』

鍼灸や漢方薬は私の好物です。
私はこれまで何度となく、それらにたすけられました。

頭痛、首肩痛、腰痛
腹痛も不眠も
仕事したくない病(?)も
「鍼がある!」と思えば何とか乗り切ることができたのでした。
そして実際、良くなるのです。

私の病はほとんど気から。鍼灸師さんは私の人生になくてはならない存在なのです。

それなのに…
鍼灸師や漢方医が主人公の小説がとても少ないのはなぜ?
西洋医学の医者が主人公の小説は山ほどあるのに。

自分で書こうかと思っていたところ(笑)、図書館でたまたま見つけたのがこの本。

Amazon.co.jp: たすけ鍼 (朝日文庫) : 山本一力: 本

3巻のシリーズものです。

作者の山本一力さんは、『あかね空』で直木賞を受賞した方です。

『たすけ鍼』は、江戸時代を舞台とする時代小説。
腕の確かさで「ツボ師」として名を馳せる鍼灸師、染谷(せんこく)を中心に展開します。
染谷は、市井の人々の心と身体を癒すとともに、人助けや世直しに奔走します。
染谷に癒された人たちが、どんどん染谷の生き方に染まっていって、人助けや世直しの空気が拡がっていくのも何とも気持ちがいい。

こういう人が町にひとりいたら…
職場にひとりいたら…
家族にひとりいたら…
政治の世界にひとりいたら…

自民党にひとりいたら…?
いやいや自民党さんには大きな熱ーいお灸をすえてもらいましょかね

令和の時代も染谷のような腕の良い鍼灸師さんがいらっしゃると思うのですが、なんせ保険が効かないことが多いので、市井人には辛いところ。

治らないことがわかっていながら、断薬が許されずに何年も飲み続けている精神科の薬には保険が効いているというのになぁ😢

『たすけ鍼』にこんな文章がありました。(「昭年」は隣に住む医者)

(昭年は)問診し、触診して薬よりも鍼灸のほうが効果ありと判じたときは、隣の染谷に患者を回した。
 染谷も同様である。
「あんたは胃の腑にただれがある。隣の昭年先生に詳しく診てもらって、適した薬剤を調合してもらいなさい」
 染谷と昭年は、ふたりともおのれの面子(メンツ)にはこだわらない。患者に一番効果ありと思われる手立てを的確に判ずるのだ。

『たすけ鍼』より

近年、漢方医学も含めた「総合診療科」のある病院もできつつあるとか。
患者からすれば理想的ですが、過酷な労働環境にあるお医者さまに、「是非ともよろしく」とは言いにくいですね😢








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