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中国の古典舞踊と民族民間舞踊


広大な領土、多数の人口、長い歴史のある中国大陸。この東洋の古国は広いし多いし長い分、踊りがたくさんあります。
「中国舞踊」この概念は少し複雑でして、「これが中国舞踊だ!」と言い切るのは
非常に難しいです。
とにかく種類が多すぎて似ても似つかない踊りが多いのなんの。
以前の記事にも小難しく書きましたが今回はスッキリさせていくために簡単に中国舞踊の2大類を説明します。

中国舞踊の2大類


現在は主に古典舞踊と民族民間舞踊の2大類に分かれています。
古典舞踊には過去の宮廷舞踊や貴族・士人の宴会での舞踊が含まれます。
厳密にいうとそれらのエッセンスを取り入れ創造された踊りを、古典舞踊と呼んでいます。よく中国ドラマに出てくる踊りのイメージで大体合ってます。

民族民間舞踊は二つの意味があります。
一つは民間の踊りで、民間信仰の中での祭祀舞踊、祭日舞踊、日常の娯楽舞踊などが含まれます。
もう一つ、民族の踊りのことを指します。56もの民族がいますのでそれぞれの文化から創られた踊りがあります。
「嘘?これも中国舞踊なの?」となるのは大体民族民間舞踊です。

古典舞踊

「古典舞踊」なのに新しい?!

実は古典舞踊というように舞踊形式として命名されたのは20世紀1950年代のことです。それまで古典舞踊という概念はなかったのです。
それもそのはず、中国大陸の歴史を見るとさまざまな王朝ができては失われ、また時代が変わり、新たな王朝が再生するという歴史を繰り返しています。
それぞれの時代に各特徴の踊りがありましたが、現代のように映像記録もなく、資料も残っているものしかわからない…
そこで1950年代に旧世代の舞踊家たちの指導のもと、古典舞踊の教育システムや概念が創られました。そこから古典舞踊は始まり現在も発展を続けています。
つまり古典舞踊≠古代舞踊なのです。


古典舞踊の流派


1950年代に古典舞踊ができた当初は1つでしたが、発展し分派しています。
なんと4大流派があるのです。
戯曲身韻、漢唐、敦煌、昆曲の4つです。
それぞれがどんな流派かについてはまた別の記事に書きたいと思います。

民族民間舞踊

「民族民間」でセットなんですが、若干の違いがあります。

民間舞踊

民間舞踊は別名『生きた化石』とも言われます。
生活や労働が起源になっているとどの教科書にも決まり文句のように書かれています。
砕いていうとその土地土地の習慣や、文化、どんな生産活動をしてきたかが反映されているということ。
民間舞踊はその民族や地域の文化や生活習慣、精神が表現されます。

民族舞踊

各民族の舞踊のことを指します。
現代の中国は漢民族を主体とし、55の少数民族が共同で構成する多元一体の国家。民族それぞれに風格の異なる特徴があります。
民族舞踊は一目瞭然にその民族を象徴する舞踊です。
モンゴル族にはモンゴル族の、ウイグル族にはウイグル族の風格があるよう踊りで表現します。

そしてまたこの2大類が分かれていく

古典舞踊には4大流派があり、民族民間舞踊に各地域、各民族の舞踊が数えきれないほどあります。
何を踊っても同じ舞踊にはならないよう其々の特徴を掴んでいく必要があります。

其々の舞踊についてはまた別の時に…
それではごきげんよう。




踊ってみたくなった方!ぜひこちらからご連絡ください。

©2024 Iku Matsuda


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