ココとだれかのおとしもの
ある日、ココという子がいて女の子です。今日ココが散歩をしていると誰かの落とし物が落ちていました。結構多い量の落とし物でした。
一つ目は赤い靴下。二番目は青いジーパン。三番目は綺麗なお花。四つ目はくまのぬいぐるみでした。全部で四つです。
こんなにたくさん誰が落としたんだろうといってココはその四つを家からカートをもってきて、そしてその四つをカートによっこらしょと重たそうに頑張って載せました。そしてそれを押して落とし物を持ち主に返すことにしました。
歩いているだけではみんなわからないので、ココは『これだれのですかー、落とし物を受けとってくださーい。』とみんなは驚きましたが、受け取る人はだれ一人いませんでした。
ココはがっかりしました。この街にはいないのね。といって落とし物を捨てて帰ってしまいました。
ココはプンプン怒りながら泣きそうな声でふん、だーれもとってきてくれないなんてひどいわ。するとココははっとひらめきました。
そうだ。あの日、ひし形の光がきてこう言ったんだ。あなたはきっと優しい子になれる、失敗してもお客さんに優しくするのがいいわ。そう言って光は消えてしまったが、それをすることにしたんだ。と言ってさっきのところに引き返しながら走っていきました。
ココはあの光のことを思い出しながら前より、本気を出してものすごいスピードで走ったのでした。さっきのところに着くと落とし物がなくなっていました。なくしてしまったのでしょうか。たいへん。
どこにあるのかなぁ。まずは落とし物のお客さんがいなくなる前になんとか四つを探さなければなりません。
草をどんどんかき分けると、くまのぬいぐるみが落ちていました。ここはぬいぐるみを抱きかかえて走っていきました。
すると一軒の古い家があって、そこの屋根に青いジーパンが乗っかっていました。どうしよう。あんな高いところにあるのに。すると足元に長いロープがありました。ココは思いっきり、えいっ!となげたので、ジーパンがそれにひっかかりました。ココがロープをひっぱるとジーパンが落ちてきました。
あとはお花と赤い靴下です。よーく見てみるとハミア保育園のすべり台の階段にひっかかっているではありませんか。それは赤い靴下でした。すると仲良しのチュウチュウがやってきました。それは保育園の中の園庭にいます。保育園のペットにされたんですね。ココは指笛を吹きました。
それをとって、チュウチュウ。
ぴー。
ありがとう。
あとはお花だけです。見ると猫がお花で遊んでいます。どうしよう。せっかく見つかったのに―。ココがえいっとむりやり受けとってやっと全部の材料が揃いました。
ココは急いでさっきのところへ戻ると、さっきよりも大きい声で
『この落とし物の持ち主は誰ですかー。』
すると犬のおばあさんが、
あっ、それ私が編んだ靴下よ。
すると今度は犬の奥さんが
それ私が買ったお花よ。ありがとう。
するとお兄さんが
それ、僕の誕生日に買ったジーパンだ。
すると子どもの女の子がきて
あ、あれ私の人形。
こうして落とし物がみつかって本当によかった。それからもう落とし物が落ちることはなくなり、お客さんも落とさないように気を付けるようになり、ココが落とし物を拾ってくれたのをニュースにうつりました。
ココはとても嬉しくなりましたとさ。
おはなしおしまい。
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