カープダイアリー第8412話「新井さんとカープナイン2年目の挑戦、龍馬がゆく」(2023年10月21日)
午後2時前、マツダスタジアムに姿を見せた新井監督は少し眠そうだった?甲子園球場での今季ラストゲームから一夜明け。どこかでたらふく飲んでいたら朝になっていても、おかしくない。
オーナー報告はすぐにおわり、メディアの前に戻ってきた新井監督は言った。
「1年間、よくがんばってくれたという言葉をいただきました」
-オーナーとは来シーズンの話は?
「よろしく頼むな、というお言葉をいただきました」
もちろん“続投”は規程路線。この日の松田元オーナーとの話し合いは形式的なものに過ぎない。
1年前の10月2日、地元の中国新聞とスポニチが佐々岡前監督の辞任を報じた。この2紙は鈴木球団本部長と通じているから、他紙に先駆けてこういうことができる。
同日、ネットメディアのひろスポ!では関連記事3本を立て続けにアップした。そのヘッドラインは…
午前8時台…
佐々岡監督辞任で次期監督は誰か?間違いなくカープレジェンドの中のひとり…
午前9時台…
佐々岡監督の後任はカープレジェンド、トリプルスリーアニキの金本知憲氏がマツダスタジアムで指揮を執る日…
午前10時台…
佐々岡監督きょう10月2日のマツダスタジアムでカープファンにお別れ告げる、後任は誰?大本命は新井貴浩さんか…
すでに佐々岡前監督の退任が表に出る前から松田元オーナーは次期監督の人選に着手。そのリストにはリーグ3連覇の緒方孝市氏と野村謙二郎氏の監督経験者、東出コーチ、そしてサプライズで金本知憲氏の名も記されていた可能性が高い。
だが本命は新井監督だった。
この時期、新井監督は”金本さん、黒田さん”らと会食するなどして今後について語り合ったという。
けっきょく白羽の矢が立ったのは“背番号25”だった。10月6日には新井監督が評論家として契約していたスポニチがネットに第1報を打った。就任会見は6日後の12日、この日が帰宅記念日になった。
それからちょうど1年。
「本気で優勝して日本一になりたいと思ってましたので、すごく悔しいですし、来年は、何とかね、その目標を達成したいなと思います」とテレビカメラの前で語った新井監督は囲み取材の中でもその熱い思いを切々と語った。
不思議なもので、同じことが同じタイミングで繰り返される。
“監督指令”を受託した新井監督が最初に着手したのはFA権を取得した龍馬の説得工作だったが、この日も「家」の中で龍馬と話をする機会があった。
すぐに“また一緒にやろう”という熱いメッセージが送られたことは容易に想像がつく。だが、昨年オフ12月の契約更改で龍馬は単年契約を選択した。おそらく 誠也の穴を埋めるのはお前しかいない、1年だけでも一緒にやろう、などと「新井さん」から言われていたはずだ。
今季、FA権を取得した磯村と上本は前日、試合後に権利を行使しないことを明言した。中崎は「考えます」と話し、龍馬は「何もないです」だった。
この日も龍馬は多くを語ろうとはしなかった。
しかし熱いものを胸に秘めていることは誰の目にも明らかで、ひとり屋内練習場にこもりマシン打撃を行った。異例中の異例、の行動だ。
前夜、最終打者になった悔しさもあるだろう。「あと1球」コールが渦巻く中、ラストスイングはレフトフライ。岩崎からスタンドに叩き込んでいたら逆転3ランだった。
小園のメンバー入りがニュースになっているアジアプロ野球チャンピオンシップ(11月16日から、東京ドーム)に侍ジャパンの一員として呼ばれる可能性もある。
1年前の11月にも侍ジャパンが招集された。龍馬は11月9日のオーストラリア戦(札幌ドーム)にスタメン出場してヒットも放った。しかし年が明け、1月に発表されたWBC栗山ジャパンメンバーは選外となり2月の日南で代表合宿に向かう栗林を見送った。
新井カープの今シーズンは終わっても、まだプロ野球は熱い。午後6時開始の京セラドーム、パ・リーグクライマックス・シリーズ、ファイルステージ第5戦は3対2でオリックス勝利。中嶋監督と阪神岡田監督の関西対決が現実となった。
この試合、初回に先制2ランを放ったのは三番・ライト森だった。
これもまた1年前の話だが、龍馬は森とともに「オリックス移籍」濃厚、と報じられていた。
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