カープダイアリー第8510話「スポーツを通じて世界平和を訴える舞台装置ふたつ、広島にもうすぐ新たな春がやってくる」(2024年1月31日)

新井監督以下スタッフと選手たちが、バスで元気に日南宿舎へ到着した。ただし末包の姿なし。自主トレで左膝を痛めてキャンプ入りを見送られた。いきなり四番候補、脱落。だが、その結果は10か月先にしか分からない。


「毎年ここから1年が始まる、やってやるぞっていう気持ちになりました」(床田)


「この地に来て、引き締まる思いです。とにかく優勝、日本一に向けてみんなでやっていこうという言葉を(監督から)いただいたので、僕自身もしっかり貢献できるように戦っていきたいと思います」(堂林)


全体ミーティングでテレビは前撮りのみ許された。指揮官からは「1年は長く、いい時も悪い時もあると思うが、互いに助け合って刺激し合ってがんばろう」という言葉がナインにかけられた。


マツダスタジアムではテイラー・ハーン投手とトーマス・ハッチ投手の入団会見があった。ともに「エキサイトしている」と笑顔でメディアに応じ、グラウンドをバックにユニホーム姿でポーズを決めた。


マツダスタジアムから西に直線距離にして3キロちょっと。エディオンピースウイング広島では広島市主催の「広島サッカースタジアム竣工式」と、サンフレッチェ広島主催の報道関係者向け内覧会があった。


新スタジアム建設を!の声が上がってから30年以上の歳月を要して完成した新たな広島の財産はスタジアム本体の総事業費285億7000万円。90億円だったマツダスタジアムの3倍以上というスケールだ。

式には県や市、県サッカー協会、サンフレッチェ広島の関係者ら約240人が参加した。日本サッカー協会次期会長の宮本恒靖さんの姿もあった。

朝8時ごろから集まってきたメディアは午後6時前になってやっと解散した。サンフレッチェ広島の仙田信吾社長が「朝から胸がいっぱいの時間…」と早い時間にポロッとこぼしていたが、それだけボリュームがある施設空間だ、ということになる。


世界にその名はすでに響き渡っている。ピースウイング繋がりで「翼くん」がアシストしてくれているからだ。


「エディオンピースウイング広島はスポーツ、夢、平和を発信するという大きな役割を持っています。それは被爆の復興に際して多くの若者に生きる勇気を与えたのがサッカー、広島にしかない特別な歴史があるからです」(仙田信吾社長)



2階コンコース東側(広島城、JR広島駅、マツダスタジアム側)に設置されたPeace Wall「キャプテン翼」壁画の除幕式では、作者の高橋陽一郎先生が作品を通して広島を舞台に平和な世の中への実現をやさしい口調で訴えた。


またスタジアムを見学したあとには「お客さんが入ってなかったのでフラットというか、ありのままのスタジアムを見学できて、曲線がすごくいっぱいあって、しなやかな、かっこいいスタジアムだなと思いました!」とクリエーターとしての視点を披露した。


マツダスタジアムとエディオンピースウイング広島。スポーツを通じて世界平和を訴える舞台装置ふたつ。広島にもうすぐ新たな春がやってくる。

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