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首長鳥のオンと首長鳥のメンと息子

5年ほど前の夏のこと。
東京から来阪した先輩に「どっか連れていってくれ」と言われ、それなら寄席に行こう!と調べてみると、文華師匠出演の寄席があった。

「じーらぶ寄席」

笑福亭銀瓶師匠主宰の会に文華師匠がゲスト出演されることを知りました。

文華師匠に連絡すると、席は取れると返事をもらい、先輩とは最寄りの駅で待ち合わせをした。

当時、小学4年生の息子を連れ阪神甲子園駅で先輩と合流。会場であるスポーツバーへ向かいました。

店内に入ると満席状態も3名分空けてくださっており、席につきました。
息子の座った席は高座から見て一番目立つ席でした。

寄席が始まり、初めの出演は笑福亭銀瓶師匠。次が文華師匠でトリは銀瓶師匠という順番です。トップの銀瓶師匠のネタは「つる」でした。

「つる」の演目の最中、
息子に声をかけてくださる銀瓶師匠
はにかみながら、受けごたえする息子
その様子を見て微笑む来客のみなさま

いい空気に包まれた中で、銀瓶師匠の「つる」の噺が進みます。

「首長鳥のオン(雄)が一羽、”ツ~~”と・・・・”ポイ”と止まった」
「首長鳥のメン(雌)が”ル~~”と飛んで・・・・”ポイ”と止まった」

息子には、このリズムが頭に残ったようすでした。

銀瓶師匠の「つる」から文華師匠、銀瓶師匠と演目を終え、そのまま打ち上げに参加しました。

会場は「G LOVE」というスポーツバーでオーナーが元阪急ブレーブスの福本豊さんだそうです。打ち上げには福本豊さんが来られ、文華師匠、銀瓶師匠交えて写真を撮っていただきました。

世界の福本さんと写真が撮れて、先輩は大満足で東京へ帰っていきました。
初めて落語は相当おもしろかった様子で、今では暇をみては寄席に足を運んでいるそうです。

寄席から打ち上げと楽しかった時間も過ぎ、帰宅の路へ向かいました。
終着駅から家にむかう途中、

「首長鳥のオン(雄)が一羽、”ツ~~”と・・・・”ポイ”と止まった」
「首長鳥のメン(雌)が”ル~~”と飛んで・・・・”ポイ”と止まった」

と息子は云いながら、ぼくの手をつないできました。

もし刺さる根多でしたら、木戸銭歓迎です。寄席代にして、さらなる刺さる根多を仕入れてきます。