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ベスパGTSで200kmソロツーリングした感想など


スクーターで初めての200kmツーリング

バイクでの200〜400kmツーリングはソロやグループで何度もしているけれど、それは10代〜30代だった昔の話。

スクーターで200kmを超えるツーリングは今までしたことがない。

ボクは現在神奈川県在住だけれど、生まれ育ちや勤務先も東京だから、勝手知ったる都内での行動が多いこともあって、バイクに乗るなら都内〜京浜エリア〜湘南・箱根という近距離中心かな、だとしたらギア付きバイクより気楽なスクーターが良いかな、でも国産ビッグスクーターはどうしてもデザインが好きになれないな、というのがベスパというスクーター購入動機のひとつである。

バイクに乗っていた昔は、スクーターで高速道路を走るなんて…ニーグリップも出来ないしタイヤも小さいからハンドルが暴れるとか、直立姿勢で風圧をまともに受けて怖そうだし、とても考えられないと思っていたのに。
恐る恐る、ベスパで初めて高速道路に乗ってみると…

あれ、全然怖くないや。

このベスパがラージボディであり(それでも国内メーカーの同クラスモデルに比べるとコンパクトだ)排気量が300ccクラスという余裕もあるかもしれないけれど、抱いていたイメージや予想とは違って安定している。
フロントスクリーンもついているから走行風による疲労も少ない。
12インチタイヤとベスパ伝統の片持ちフロントサスペンションは、一般道でも高速道路でも大きめのギャップを通過したときにそれなりの衝撃がハンドルに伝わってヒヤッとするものの、リヤサスペンションは2本サスだし、車体全体の剛性感と相まって安定していて、総じて乗り心地は悪くない。

あ、これなら高速乗ってツーリング行けるな。

と、感じたものである。

それから暫く経ち、ゴールデンウィーク真っ只中の晴れた日。
初夏の気温ということもあって、方角も距離もノープランで気ままに日帰りツーリングしてみようと思い立ち、まずは近所のガソリンスタンドでガス補給し満タンにしてから気分の赴くまま風まかせに走り出してみた。

穏やかな気候もあってツーリングが気持ちいい。
ああ、やっぱりバイク(スクーターだけど)っていいなぁ。

自動車専用道路に乗ったり下道を気ままに走ったり、行楽渋滞を避けるように東に向かってひた走っていたら、房総の九十九里まで来てしまった。
しかも片道で100kmを超えていたから、往復すると200kmを超えることが決定。

バイク(スクーターだけど)で200kmなんて何年ぶりかな。

昔に乗っていたバイクで200km超えのツーリングしたときは、若気の至りでエンジンも足回りもカスタムして強化クラッチまで組んでいたから、目的地に到着する頃にはクラッチレバーの重さで左腕がパンパンになった苦い思い出があるけれど、ベスパならそんなこともなく疲労もなく、200km超えでも余裕で帰ってこれた。

ただ、ベスパのシートが硬いのか、ボクのお尻とまだ馴染んでいないのか、家に帰った時にはお尻が痛くて、しばらくガニ股で歩いていた。

スマホアプリで走行データ分析

200kmソロツーリングを終えて、今日の走行ルートはどんな感じだったのだろうと思ってスマホのアプリを見てみる。

2024年現在で販売されているベスパのGTS300系(300ccクラスのみ)は、イマドキというか、逆にベスパらしくないというか、イッチョマエにコネクト通信機能を搭載している。
ベスパ車体側のコンピュータとスマートフォンにインストールしたベスパ専用アプリをBluetoothで通信し、スマホのGPS機能と連動した走行ルートの軌跡やコンピュータから得られる燃費などの情報を含めた走行データをアプリで確認することができるのだ。(走行中も見られるのかは不明、そもそも走行中のスマホ注視は違反だし)

左:速度履歴 / 右:RPM(エンジン回転数)履歴

スマートフォンにインストールしたベスパ専用アプリでは、上側のMAP(ボカしているけれど)に走行ルート軌跡とポイントが表示され、下側の各種グラフ(上図は速度と回転数)と連動して追跡することができる。
例えばMAP上の何処其処の地点では時速何km/hで走っていた、というような。

上図キャプチャ左側の103km/hという速度を示しているのは高速道路なのだが、速度が103km/hの時点でエンジン回転数は6,709rpm(キャプチャ右側)であることがわかる。
このベスパGTS Super Sport 300 は、最大出力発生回転数が8,250rpmだから、まだ余力はありそうだ。

タコメーターがないベスパに、アプリ内でこのような情報を取得できることは地味にありがたい。

ちなみに80km/h〜100km/hで走行したのちにガクンと速度が落ちている谷間があるのは、高速道路渋滞にハマってしまったところで、その渋滞が解消すると速度も上がっていく様子をグラフで見ることができるのは、ちょっと面白い。

左:瞬間燃費 / 右:スロットル開度

同じく速度が103km/h地点の瞬間燃費を見てみると、燃費が良くないことがわかる。
燃費グラフの振れ幅が大きいのは、開けていたスロットルをホンの一瞬だけパーシャル(開けも閉じもしない状態)にしただけでも燃料の噴射が抑えられて〝瞬間燃費〟としては大幅に向上するというロジックなのだろう。

ベスパ GTS Super Sport 300 メーターパネル

ベスパ GTS Super Sport 300 のメーターパネルは、アナログのスピードメーターと、燃料タンク残量や水温、走行距離などを表示するデジタルインフォメーションパネルがセットになっていて、デジタルインフォメーションでは瞬間燃費も表示される。
そのメーター目視でも40km/h〜60km/h付近の速度域が最も燃費が良く、走行フィーリング的にも40km/h〜80km/hまでが一番気持ち良く感じられる領域。

総評

スクーターだから当然といえば当然だけれど、一般道での使い道がこのベスパには合っているのだろう。

かといって、高速域の時速80km/h〜100km/hが不快なのかというと全然そうではなくて、振動もなくトルクの谷間もなくシルキーかつスムーズに回るから、気持ち良いフィーリングはそのままに、ついつい100km/hオーバーへ突入してしまいそうになる。

先にも述べたとおり、このベスパGTS300は時速100km/hの時点でまだ余力があり、性能的には120km/hも出せるのかもしれないけれど、たとえ高速道路の最高速度120km/h区間であっても個人的にはスクーターで頑張って100km/h以上とか出す意義も理由もないし出したいとも思わない。
むしろアラカンに足を突っ込みつつある今では、無理せず高速道路時速80km/h+アルファ付近でゆっくり(?)気持ちよく走っていられたら良いと思う派だから、今後もきっと120km/hとか出すことはないだろうなぁ。

バイク乗りは、スマイル&セーフティライドが一番カッコいいのだ。

レインボーブリッジ

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