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映像で読み解く(30)ゲーム『アウターワールド』(1991)

異世界からの脱出をはかる
アクションアドベンチャー

本作は'91年にフランスの
ゲームデザイナー、
エリック・シャイが開発した
アクションアドベンチャーゲームです。

Amiga500、Atari ST
といったパソコン向けの
ソフトとして発売されました。

その後、日本でも
スーパーファミコンや 3DO に
移植され、その独特な世界観が
一部のファンを虜にしています。

2011年には20周年を記念した
リメイク版が発表され、

プレイステーション4や
ニンテンドースイッチでも
再び注目を集めました。

実験中の落雷によって、
異世界に飛ばされてしまった
主人公がそこからの脱出をはかる
内容になっています。

基本的にはドットを使った
2D のグラフィックですが、
一部に 3D のポリゴンが使われており、
立体的なグラフィックも印象的です。

全編にわたって、
文字や言葉による表現はほぼなく、
映像のみによって
独特な世界観が描かれています。

画面の外にまで
広がりを感じさせる壮大な背景

オープニングはムービーからはじまります。

主人公が車で研究所にやってきて、
コンピューターを起動し、
異世界へと飛び立つシーンです。

音楽が流れるのは、オープニングと、
一部のシーンのみで、
多くの場面が効果音のみで
進んでいきます。

グラフィックは、今のものと比べると、
流石に見劣りする面は否めませんが、

抑えめのトーンで統一された
個性の強いグラフィックの魅力は
色褪せていません。

特に、冒頭に出てくる
異世界のシーンは、
背景の描き込みが細かく、

画面に見えている部分だけではなく、
この世界が遠くまで
広がっている印象を与えます。

時折、ダイナミックな
ムービーも挟まれる

基本的には横スクロールで進んでいく
2D の画面になっていますが、

時折、短いムービーが挟まれ、
それらのシーンでは
画面全体を使ったダイナミックな画が、
プレイヤーを惹きこむでしょう。

その視点は、主人公から見た
主観の視点だったり、
主人公を真正面から
捉えた映像だったりします。

特に、主人公が
高所から落ちそうになる場面の
遠近感は素晴らしく、
思わず息を飲んでしまうシーンです。

エンディングでは、
エレクトロポップ風の BGM が流れ、
スタッフロールも見られます。

そこに出てくるスタッフの数は、
わずかに二人です。

(グラフィックやゲームデザインを手掛けた
 エリック・シャイの他に、
 音楽を手掛けたスタッフが一人)

この壮大な世界が
たった二人のクリエイターによって、
描かれたのもすごいですよね。


【作品情報】
1991年発売
制作国:フランス
開発元・発売元:デルフィン・ソフトウェア

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