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ゲームレビュー『ピクミン』(2001)ピクミンの命はあなたの腕に


CMソングもヒットした初代『ピクミン』

『ピクミン』を遊んだことがない方でも、
この CM を覚えている方は
多いのではないでしょうか。

'01年にゲームキューブで発売された
初代『ピクミン』の CM です。

この CM で使われた『愛のうた』は、
ソフト以上に売れ、
90万枚のヒットを記録しました。

(初代『ピクミン』の
 国内売上本数は56万本程度)

引っこ抜かれて、
あなただけについて行く、
今日も運ぶ、戦う、増える、
そして食べられる

『愛のうた』

このかわいらしくも、
「食べられる」という衝撃的な歌詞が
なんとも印象的で、
私もずっと覚えていました。

しかし、ゲームキューブは
持っていなかったので、
遊ぶことができずにいたんですね。

昨年、ニンテンドースイッチで
4作目である『ピクミン4』が発売され、
うちの妻が先にハマっていました。

驚くべきことに、最後までしっかり遊んで、
それでも遊び足りなかった妻は、

スイッチで過去作のリマスター版が
発売されたのを知り、
それらも買い集めてくれたのです。

そんなわけで、私は1作目から
遊んでみることにしました。

30日以内に機体のパーツを集める

『ピクミン』は『愛のうた』の
歌詞のとおりの
内容のゲームになっています。

主人公のオリマーは、
宇宙船のパイロットです。

彼が操縦していた宇宙船が
隕石と衝突し、
謎の惑星に不時着しました。

宇宙船は衝突の衝撃で、
バラバラになってしまい、
このパーツを集めるのが、
ゲームの目的です。

彼は酸素に触れると、
呼吸ができなくなってしまうので、
宇宙服で身を守っています。

この宇宙服の生命維持装置の期限は
30日間となっており、
これがゲームのタイムリミットです。

つまり、オリマーの目的は、
「30日以内に宇宙船のパーツを
集めること」なのです。

オリマーは不時着した惑星で、
見知らぬ生物を発見します。

その生物がゲームの
タイトルにもなっている
「ピクミン」です。

ピクミンは地面に埋まっている
植物のような生物で、

頭の部分にある葉っぱの部分を
掴んで引っこ抜くと、
全身が出てきて、
動き回ることができます。

声は発しますが、
言語はなく、
鳴き声のような感じです。

ピクミンはオリマーが
ホイッスルを吹くと、
着いてきます。

このピクミンを使って、
オリマーは惑星に散らばった
パーツを集めるのです。

ピクミンには
三つの色の種類があり、

赤ピクミンは火に強く、
青ピクミンは水に強く、
黄ピクミンは爆弾が持てます。

それぞれの特徴を活かして、
惑星にある
さまざまな難所を
突破していくのです。

ピクミンの命はあなたの腕に

非常に中毒性の高いゲームでした。

まず、ピクミンが
かわいいんですよね。

見ているだけで
飽きない魅力があります。

ピクミンは、
「ペレット」といわれる
アイテムを集めることによって、
増やすことができ、

最大で100匹のピクミンを
引き連れて歩くことができます。

今から見れば、
なんてことはない風景ですが、

ゲームキューブの時代は、
100体ものキャラクターを動かす
ゲームはなく、

当時としては、
新しい技術がもたらした
画期的なゲームでした。

ペレットや倒した敵を
ピクミンに運ばせることが
できるのですが、

それぞれの大きさによって、
必要な数のピクミンが異なるので、
どのような配分でピクミンを
配置するか戦略を練る必要があります。

また、初代は「30日」という、
制約があるのも、
おもしろいところです。

この制限があるので、
なかなか難易度も高い方で、
当時はクリアーできなかった人も
多いらしいですね。

そして、愛くるしいピクミンたちは、
プレイヤーが失敗すると、

敵に食べられたり、
水に落ちてしまったり、
いたるところで命の危険に
さらされているのです。

失敗してしまうために、
思わず「あぁ、ピクミン、ごめん!」
と言ってしまう自分がいます。

そう感じられるのも、
ピクミンの愛らしさが
あってこそのことでしょう。

言ってみれば、
ピクミン1匹の命の重さは、
他のゲームに例えるなら、

マリオ1機分、
リンクのハート1個分、
くらいなものかもしれません。

しかし、このゲームを
プレイしていると、
とてもそんな風には
捉えられないのです。

なるべくピクミンが
死ななくて済む方法を考えますし、

失敗した時には、
目も当てられない惨状が
起こってしまいます。

(よくやってしまうのは、
 溺れたピクミンを助けに行って、
 後ろから付いてきたピクミンも
 次々に溺れてしまう惨劇)

昔のゲームのように
1回でもミスをしたら、
即ゲームオーバーみたいな
ゲームだと

自然とプレイヤーは
緊張感を持って
プレイするのですが、

最近のゲームは、
大体のものがライフ制で、
1回ミスったくらいでは
ゲームオーバーにはなりません。

そこへ来て、この『ピクミン』は、
1回のミスがピクミンの命に
直結してしまうので、

自然とプレイヤーは、
極力ミスのないように、
という緊張感を持って、
プレイするように誘導されるのです。

こういったゲームデザインが
このゲームはよくできている
と思うんですよね。

ピクミンたちの動きも
よくできており、

小さなピクミンたちが
大きなものを一生懸命運ぶ姿は
私の脳裏に焼き付いています。

そういう場面のモーションが
とてもリアルで、
よくできているんですよね。


【作品情報】
2001年発売
Wii版:2008年
ニンテンドースイッチ版:2023年
ジャンル:アクション
機種:ニンテンドーゲームキューブ
発売元:任天堂
ディレクター:日野重文
       阿部将道

【シリーズ作品】

『ピクミン2』
(2004)
『ピクミン3』
(2013)
『ピクミン4』
(2023)

※タイトル画像は
 公式サイトからお借りしました。

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