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自信を取り戻すまで、その前の挫折

昨日の記事でどのように自信を取り戻したかを書くと言ったが、その前に一つ挫折した出来事があった。今となっては笑い話だが、当時かなり精神的に参ったことを書こうと思う。

完全に自信喪失し狂った自分は半分リストラのように退職した後、とにかく誰とも会いたくなかった。それでも仕事をしなければ、生活出来ない。そこで、ポスティングのアルバイトを始めることにした。1枚2〜4円。それを3〜5000枚配って回る。
ただそれは、チラシを入れられた住民からは迷惑がられる誰にも感謝されない仕事。ただ、勤務時間の自由が効き、誰ともコミニュケーションを取る必要の無い仕事は自信喪失した当時の自分にはありがたいものだった。しかし、ある日のこと。とある区の区報を配る為、少し古めの2階建アパートに着いた。配ろうと階段を登ったそのとき「ミシミシミシ」と音がしたと同時に地面に叩きつけられた。そう、アパートの2階通路が崩壊したのだ。自分は頭と腰を強打し、あまりの痛さにうずくまるしか無かった。目の前には2階にあったはずのエアコンの室外機。あり得ない光景だ。
その後、救急搬送されCTを取ったが異状はなく、打撲のみで薬をもらってそのまま帰った。確か、そこの病院に警察とアパートの大家が来て事情聴取されたっけ。もうあまりよく覚えていない。ただ、大家から「悪いね」と治療費代とは別に5万円貰った。オレの命はたった5万円なのかと思ったね。あと、TBSのニュースでこの件が流されたらしい。どうやら重傷と報じられたみたいだが、実際は軽傷。適当だね、マスコミって。

でも何より一番辛かったのは、帰りの電車。座席の向こうのガラスに映った顔のみすぼらしさはおそらく一生忘れない。落ちるところまで落ちた人間の顔がそこに映っていた。その顔の人間の価値は紛れもなく5万円だった。


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