見出し画像

《ナレ後記》お母さん役を降板したら

今回はさいちゃんの作品
「お母さん役を降板したら」をオーディオブックにさせて貰いました!

ikka掲載の初めての作品になります。

こちらではさいちゃんとの出会い。
そして作品やナレーションをしてみての感想をご紹介したいと思います。

日常を慈しむ人、さいちゃん

さいちゃんの文章に初めて出会ったのは
さいちゃんが書いたエッセイ『わたしの宝箱』の読書会でした。

その日読んだ題材は「お母さん役降板したら」ではありませんでしたが
さいちゃんのお子さんへの愛情や子育ての柔軟さを感じられる文章でした。

この時の題材
「おさぼりデート」や「愛しのひらがな」は
定期的に開催されるさいちゃんの読書会で取り上げられたり
エッセイ集『わたしの宝箱』に掲載されていますので
ぜひ、お手に取って頂けたらと思います。

わたしの宝箱: 普通の主婦の楽しい生き方 (MyISBN - デザインエッグ社) | さいちゃん |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4815015120?psc=1&ref=ppx_pop_mob_b_asin_image

さいちゃんのエッセイの舞台は日常。
子育ての事やご自身の事。
派手さや物珍しさはない誰もが感じ過ごしている時間。

だけどさいちゃんはその日常を深く深く掘り下げていく。
自分の心が動く事、その動きはどんな響きを奏でるか
自分の内側へ丁寧に向き合っていく。

嬉しかったり後悔したり
新しい発見の喜びや弱音を吐く事。
美しい文章表現の中に繊細な心模様が見え隠れする。

誰の心にもある感情。
でも簡単には見る事の出来ないもの。

その大切な宝箱をさいちゃんは見せてくれる。
優しさの中に芯の強さがあるから。
私はそう思えるのです。

さいちゃんはnoteにも多数作品を執筆してらっしゃるので
そちらをご覧頂くとたくさんの作品の中から自分とリンクしている文章に出会えると思いますよ。

余白の美しさ

さいちゃんのエッセイで特徴的なのが「余白」。

日常を淡々と表現する文章は啓発本のような押し付けのようなものはありません。

あるのは事実だけ。

そして読み手の私達は事実を目にし自分と照らし合わせ考える。

その考える「余白」が、さいちゃんの文章には随所に現れます。
これは読書会での感想で私の他にも感じた方がいらしたので、皆さん感じられる事でしょう。

読んでいて小休止のように感じる余白。
音声化する時、これを違和感なくどう表現するかが今回の難題でした。

間にしてみたり無音にしたり
試行錯誤をして作成したので少しでもさいちゃんの文章に近づけたら嬉しいです。

勇気ある行動

「お母さん役降板したら」は12年頑張ってきたお母さん役を降りる所から始まります。

文字では淡々と語られていますが、
これを行動に移すには並々ならぬ勇気がいった事と思います。

私自身も「お母さん」。
今の所ユルユルと継続中です。

これを降りますとなった時
私自身はどう感じるか、子供達や夫はどんな反応をするか
はたまた、垣間見られるだろう変化した家族の光景に世間様、ご近所様からどんな風に見られるかしら。

色々な事が私なら頭を過るであろう事を
さいちゃんは手放した。そして手放す事で人生に彩りが生まれました。

そしてご自身の変化だけでなく、ご主人もお子さん達ものびのびと自由人になっている。

よく「自分に制限をかけると周りが気になる」という事がありますが
これは自分自身に向けている監視の目を周りにも向けてしまうから。
自分にも厳しいが他人にも厳しくなるという悪循環を生んでしまう。

「お母さん役降板したら」は自分の中にある不必要な制限を外すことで良い循環を産み出すことができる
素晴らしい体験だなと私は思います。

「お母さん」を全て辞めるのではなく上手に折り合いをつけて時に降板する。
人生は自分の舞台だから
好きな時に好きな役を役を演じていいのです。

それに「お母さん」は嫌だからもういらない、捨てると簡単に放り出せるものではなくて
目の前にいる子供が「お母さん」と呼び掛ければ自然と反応してしまう。

だから必死に模範を演じなくても
実は誰もが自分らしいお母さんになれているもの。

作られたお母さんではなく
オリジナルお母さんになれたらそれでいいと私は思います。

「お母さん役降板したら」は
自分らしさを見つける手助けをしてくれるエッセイです。

凛とした白梅

画像1

ikkaでは女性が花開く事を後押しする事を目的に発信しています。

私の独断ですが、ご協力頂いたエッセイストさんの文章を花に例えさせて頂いています。

さいちゃんは白梅。

可憐な花びらに清楚な印象。
でも冷たい初春の空気の中に春の香りの届けてくれる。
その香りも強すぎず弱すぎず自然な芳香。
見えない心の強さ、たおやかさをさいちゃんの文章から感じました。

ご協力ありがとうございました!