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「ワクワクよりゾクゾクを。」


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人間の傾向を知るには、二つの承認欲求が本能的に備わっていると理解すること。


二つの承認欲求とは何かを知りたかったら読んでみて!




では、本題。


坂口安吾著・「続堕落論」を読んだ。

戦争に負け変わり果てた日本社会を考察し、日本人の美徳とされる耐乏や忍苦の精神について厳しい批判を行いつつも、敗戦直後の人々に生きる勇気を与えた一冊。


「堕落論」と同じくわずか15分くらいで読めるものなのに、この本の言葉のパワーが凄すぎる。


それに敗戦直後に書かれたものだけど、著者の想いはかなり現代的だと感じるんだよね。


まじで「堕落論」と「続堕落論」は読むべき。

一年前に「堕落論」の感想をアウトプットしたときもそうなんだけど、この本を読むと堕ちることに恐れなくなるんだよね。


というか、いっそもっと堕ちてやろうと思えるんだ。



人間の正しい姿とは、欲しいものは素直に欲し、好きなものは好き、嫌なものは嫌だという、ただそれだけのこと。

それなのに多くの人は、耐乏や忍苦の精神、大義名分や義理人情といったものに縛られている。


その結果、本来の正しい姿ではなくなっている。


著者はそういったくだらない美徳を、ニセの着物だと言う。


そしてそのニセの着物を脱ぐには、堕落して赤裸々になることだと続ける。


赤裸々になって全部脱ぎ捨てた状態こそ、真実の人間なんだ。

堕落自体は悪いことにきまっているが、モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。


と書いてあったように、真実も本物も堕落から始まるんだ。


じゃあ堕落とはどんな状態か?


それは、

表面の綺麗ごとで真実の代償を求めることは無理であり、血を賭け、肉を賭け、真実の悲鳴を賭けねばならぬ。
堕落すべき時には、まっとうに、まっさかさまに堕ちねばならぬ。
道義頽廃、混乱せよ。血を流し、毒にまみれよ。
先ず地獄の門をくぐって天国へよじ登らねばならない。
手と足の二十本の爪を血ににじませ、はぎ落して、じりじりと天国へ近づく以外に道があろうか。


こんな状態だ。


さらに、

堕落自体は常につまらぬものであり、悪であるにすぎないけれども、堕落のもつ性格の一つには孤独という偉大なる人間の実相が厳として存している。
即ち堕落は常に孤独なものであり、他の人々に見すてられ、父母にまで見すてられ、ただ自らに頼る以外に術のない宿命を帯びている。


と書いてあったように、堕落とは孤独なものなんだ。

堕落者は常識に囚われず常にハミ出し、一人荒野を歩かないといけない。


厳しく辛い道のりだけど、そこに偉大な人間の”本性”があり、当然たどり着けるのは孤独な堕落者だけなんだ。



そしてこれはたしか「堕落論」にも書いてあったことだけど、


いくら堕落が必要とは言え、人間は無限に堕ちきれるほどの精神は持っていないんだ。


絶対にどこかで落下を食い止める。(もしくは誰かに食い止められる。)


だからこそだ。


だからこそ、孤独になって堕ちてハミ出すことを目指すべきなんだ。



俺は何事もワクワクよりゾクゾクする方を選んでいるんだけど、まさに孤独になって堕ちてハミ出すってゾクゾクだ。


そこに”本性”や”真実”があるかはわからない。


ホンモノをつかみだせるかもわからない。


でもどうせ無限に堕ちきれないなら、堕落っていうゾクゾクするモトデに賭け続けたいよね。


モトデをかけずにホンモノをつかみだすことはできない。

ワクワクよりゾクゾクを。


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