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【発見◇池上】アントニオ猪木氏モデルの金剛力士像

 池上本門寺本殿の中に一対の木彫の金剛力士像(仁王像)が置かれています。阿像は那羅延金剛、吽像は密迹金剛。文化勲章彫刻家・圓鍔勝三氏1978年の作で、筋骨隆々に加え躍動感に満ちています。圓鍔氏は今までにない新しい仁王像を作るために、筋肉の付き方やスタイルを参考にしようとプロレスラー・アントニオ猪木氏にモデルをお願いしたそうです。当時檀家総代に児玉誉士夫氏がいたご縁でしょうか。本門寺には力道山の墓があり、猪木氏は「師匠が眠るお寺の門番になれるなら本望」と快諾。この像は空襲で焼失した仁王門を再建した折に収められましたが、その後本殿に移されました。
 現在仁王門で睨みを利かせている朱塗りの仁王像は、仏師・原田佳美氏2001年の作です。なお、猪木氏のお墓は鶴見の総持寺と青森の蔦温泉にありますが、総持寺のお墓にはブロンズの半身像『燃える闘魂』が建てられています。お参りして本門寺の力道山像と比べてみるのも一興でしょう。

那羅延金剛
密迹金剛
総持寺(鶴見)のアントニオ猪木像『燃える闘魂』