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広告クリエィティブ職は聖書もわかりやすく語れるのか?その64。

普段広告のクリエィティブ業をしつつ、プロテスタントの教会でお子様にお話をさせていただいています。その原稿を公開するシリーズ。今日はサムエルという有名な預言者のお母さん、ハンナさんがサムエルさんをみごもるまでのお話です。お祈りすること、安心すること、がテーマです。

サムエル記上1章9-20
9:さて、シロでのいけにえの食事が終わり、ハンナは立ち上がった。祭司エリは主の神殿の柱に近い席に着いていた。 10:ハンナは悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた。 11:そして、誓いを立てて言った。「万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」 12:ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、エリは彼女の口もとを注意して見た。 13:ハンナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声は聞こえなかった。エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、 14:彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」 15:ハンナは答えた。「いいえ、祭司様、違います。わたしは深い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。ただ、主の御前に心からの願いを注ぎ出しておりました。 16:はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」そこでエリは、 17:「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように」と答えた。 18:ハンナは、「はしためが御厚意を得ますように」と言ってそこを離れた。それから食事をしたが、彼女の表情はもはや前のようではなかった。 19:一家は朝早く起きて主の御前で礼拝し、ラマにある自分たちの家に帰って行った。エルカナは妻ハンナを知った。主は彼女を御心に留められ、 20:ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名をサムエル(その名は神)と名付けた。

Copyright: 日本聖書協会

 <何をすると元気になる?>
みなさんは何をすると元気になりますか?
ご飯を食べると元気になる。友達と家族とおしゃべりすると元気になる。それぞれいろんな元気になりかたがあると思います。
わたしの場合は水泳するとスッキリして元気になります。普段いろんなことを考えてしまうんですが、泳いでる間はスマホもないし、無になれるというか、なーんにも考えないというか、そうするとスッキリするんですよね。それで元気になる。
 
<食事も喉を通らない、ハンナの祈り>
今日のお話はハンナさんという人が元気になったお話です。
旧約聖書の時代、あるところにエルカナさんという人がいてその奥さんがふたりいました。一人がハンナさん、もうひとりがペニナさん。ペニナさんには子供がいたのですが、ハンナさんには子供ができませんでした。子供ができないことで本当にハンナさんは悩んでいて苦しんでいました。
そんなエルカナさんと、ハンナさんは、毎年シロという町の神殿におまいりにいっていました。そのある年のおまいりの時のお話です。おまいりにいくといけにえの食事というのをするそうで、その食事を前にしてもハンナさんは食べませんでした。とても悩んでいて、ご飯も食べられなかったそうです。そのいけにえの食事がおわったあと、ハンナさんはお祈りに行きました。そのお祈りの様子がかかれています。10節です。悩み嘆いて主に祈り激しく泣いた。とあります。そして言いました。11節「万軍の主よ、はしための苦しみをご覧ください。はしために御心をとめ、忘れることなく、男の子をお授けください。」と。はしためとは召使いという意味です。どうか男の子をください、とお祈りしました。そしてその後です。生まれたらその子の一生を主におささげし、とあります。生まれたら、神様のために使える子供にします!と誓いをたててるんですね。誓いというは約束ということです。そしてもうひとつの誓いは頭には決してかみそりを当てませんとあります。これも神様に一生をささげる人がする約束で当時よくあったそうで、サムソンのお話みなさん知ってますかね?ものすごい力持ちのサムソンが髪の毛を剃ったら力がなくなったという、あのお話を思い出します。
 
<祭司エリの誤解>
そしてそのお祈りをじっとみていたのがエリさんという祭司の人。ここからがとっても面白いのですが、ハンナさんが口は動いているのですが声がでていなかったんですね。お祈りをしているときに。当時のお祈りはちゃんと声を出してお祈りするのが普通だったみたいですね。そこでハンナさんが口をごにょごにょ動かしているのをみてエリさんという祭司はお酒に酔っぱらっているんじゃないかと思ったそうです。この日の礼拝がちょうど今頃、秋の収穫感謝の礼拝だったのではないかと言われていて、いけにえの食事といっしょに葡萄酒を飲むのが習慣だったそうです。なので酔っぱらっていてもおかしくなかったんですね。なのでエリさんは酔っぱらってるんなら帰りなさいよー。って注意したんですね。そしたらハンナさんは、違います違います!酔っぱらっていたんじゃないんです、と、そしてハンナさんがどれだけ真剣にお祈りをしていたかを表す言葉があります。心からの願いを注ぎ出しておりました。と。願いを注ぎ出すという言葉はみたことがありません。それぐらい心のそこから湧き上がってくるというか、こぼれるというか、きもちが湧き上がってどぼどぼってあふれるというか、それぐらいもう止まらなかったんでしょうね。このハンナさんのお祈りというのは本当に真剣にお祈りをしていたということがよくわかります。

<安心して帰りなさい>
その様子をみてエリさんは言いました。安心して帰りなさい。このエリさんの言葉、安心して帰りなさいという言葉は一見普通の言葉に見えますが、これは神様の言葉を伝える役目としてのエリさんの言葉、神様の言葉でもあるんですね。この安心してという言葉、ヘブライ語でシャロームというそうです。わたくしのおばあちゃんがよく、元気がない僕をみたときは、笑顔でシャロームといってくれたのをこの箇所を読んで思い出しました。よくシャロームといって背中をさすってくれました。そういえばその時も元気になったような気がします。
この安心して帰りなさいという言葉、これは大人の礼拝でも最後に牧師先生がおっしゃってくださる言葉にもつながっています。そこではこう言っています。「主があなたを祝福し、あなたを守られるように。主が御顔を向けてあなたを照らし、あなたに愛を与えられるように。主が御顔をあなたに向けて、あなたに平安を賜るように。」と。エリさんの安心して帰りなさいという言葉のあとにつづけました。「イスラエルの神があなたの乞い願うことを叶えてくださるように」と。ハンナさんははしためがご厚意をえますようにと答えました。神様のめしつかいであるわたしが、ご厚意、神様のやさしさ、おもいやり、をもらえますようにと答えています。そしてハンナさんは神殿をはなれて、また食事の席にもどりました。

<元気になったハンナ>
いままで悩みすぎて食欲もなかったんですが、ちゃんと食事をすることができました。そしてそのあとにこう書いてあります。「彼女の表情はもはや前のようではなかった」と。元気になったんですねえ。よかったです。
さて、ハンナさんはなんで元気になったんでしょうか。ご飯もたべられず、別に薬を飲んだわけでもなく、なんで元気になったのか。
それはお祈りをして神様の言葉をいただいたから元気になったんですね。ここで神様の言葉で元気なったというのがポイントで、別に悩みが解消したわけではないんですね。子供がいない、子供がうまれますようにとお祈りして、子供ができた!だから元気になった!というわけではないんですよね。ただただ、エリさんが神様の言葉、安心して帰りなさいという言葉を伝えてくださったから、元気になったです。願いがかなったから元気になりました、というパターンがありそうですが、そうじゃないんですね。神様がいいようにしてくださる、という安心感、お祈りすることによってハンナさんはその安心感を手に入れて元気になりました。
そのあと、神殿のまちから帰って、ハンナさんは自分の家にもどりました。そのあと20節ハンナはみごもり、月が満ちて男の子を産んだ。主に願って得た子供なので、その名をサムエルと名づけたとあります。
よかったですねー。ハンナさん。その願いも叶いました。そしてその願いがつまった男の子がサムエルという人。この人がサウルという王様につかえて、そしてダビデ王にもつかえるとても大切な神様の言葉を伝える人になりました。ハンナさんの誓い通りの人生をあゆむことになるんですね。
 
<安心して帰れるようになる場所>
今日のお話は、安心して帰りなさい、という言葉が持つチカラについてお話をしました。悩みが解消されたから元気になったのではなく、神様から安心して帰りなさい、シャロームという言葉をもらったから元気になったということなんです。教会もそんな場所です。お祈りをして、最後に、安心して帰りなさいという言葉をもらって帰る場所なんですね。みなさんも大人になって元気がなくなったとき、教会という元気をくれる場所があったなあと思い出して教会に来てくれると、日曜学校の先生全員がとても嬉しいです。

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