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50歳になり、迷いも惑いもなくなりました

2023年1月16日。50歳になりました。もうちょっと感慨深いものがあるのかなーと思ってましたが、特に何も感じない良い意味で無風の50代突入となりました。

生物として50代になったので、白髪もシワも増えたし、疲れは取れにくくなったし、近くのものも遠くのものも見えないし、二日酔いの復活に時間がかかるようになったし、必要な睡眠時間も長くなった気がしますが、気力と活力は30代、40代の頃に劣らず、というより、いまが一番の最盛期なんじゃないかと思うほど力があふれています。

これはきっと、30代や40代の頃に少なからず持っていた「迷い」や「惑い」がほとんどなくなったことが大きいんじゃないかと思います。

34歳でトライバルメディアハウスを創業して以来、一日いちにち一生懸命頑張って生きてきましたが、常に「これでいいのか」「もっと他にやらなければならないことがあるんじゃないか」という焦りや不安を抱えていた気がします。

仕事だけじゃなく、プライベートでも、「スタッフ(社員)には『人の2倍働き、人の2倍遊べ。すべてが仕事で、すべてが遊びである。』なんて偉そうに言ってるくせに、俺は仕事しかできてないなー」とか、「若い頃に自分が描いたライフプランとは違ってきているなあ」と(フラストレーションほどのものではなかったものの)一定の問題意識は感じていました。

が、いまはそれがまったくない。残りの人生の終わりが見えてくる中で、55歳までにXX、60歳までにYY、65歳までにZZ、その後は…と、5年刻みで「どう人生の総決算を迎えるか」のプランが固まった気がするんです。

自分で言うのもなんですが、最高の状態で50代を迎えることができたんじゃないかなと。

思えば、20代の頃は仕事・勉強・遊び・恋愛に全力。30代はトライバルメディアハウスの創業もあり仕事・勉強・執筆に全力。いま振り返ってみても、30代の10年は本当に仕事しかしていなかった。よく頑張ったぞ俺。

変化が訪れたのは40代。仕事一色だった人生に、遊びや趣味が加わったことによって、人生が豊かで鮮やかに彩られたものになりました。

30代の頃は仕事が忙しく、「いつか」が口癖でした。「いつかサーフィンを始めたい」「いつかキャンプを始めたい」「いつか鎌倉に移住したい」「仕事が落ち着いたら、いつかあれも、いつかこれも…」

このままじゃ大量の「いつか」を抱えたまま寿命を迎えてしまう!と危機感を持った僕は、41歳のときに「いつか撲滅運動」を始めます。

41歳でサーフィンを始めてハワイや新島にサーフトリップに行き

サーフィンに行くための車が欲しくなり、夢だったワーゲンバスを購入し

念願のキャンプにハマり

テン泊登山がやりたくなって山にも登り始め

下手くそ(平均スコア100−110)なくせに人生2回目のホールインワンを果たし

船舶免許をとって加山雄三を気取り

44歳で鎌倉に移住し

ロードバイクにドハマリし

SUPを始め

川辺でキャンプをしながら4泊5日で四万十川をくだり


DIYが楽しくてしかたがなくなり

銀座の名店を超えるナポリタン作りを極めてレシピを公開したら超絶バズってヒカキンさんにも取り上げてもらえ

48歳で20年ぶりにウィンドサーフィンを復活して毎週末海に出るようになり

49歳でトレランを始めたら楽しくてしかたがなくなって週に2回は鎌倉の山を走るようになったり

とまあ我ながらいろんなことを始めて最高に楽しい40代だったなと。そして、体力がある限り死ぬまで続けるだろう生涯の趣味が固まった10年でもありました。

仕事面では、2021年4月に12年間お世話になったネットイヤーグループから独立し

素晴らしいメンバーとともに山あり谷ありながらも成長し

40代最後の年にいままでの集大成となる書籍『売上の地図』も出版でき

10年以上講師を務めさせていただいている宣伝会議では「マーケティング実践講座 池田紀行専門コース」という一人で10回の講義をぶち抜きで行う身に余る光栄な機会を頂戴し

素晴らしい創業15周年を迎えることができました。

この状態を、人は「30代のときの ”ワーク一色” が、40代の ”ライフの充実” を経て、ワークライフバランスが実現したんですね」と言うかもしれませんが、個人的にはそうは感じていません。

というのも(これまた自分で言うものなんですが)僕は20代のときからいまに至るまで、どんなときも「最高に幸せ」だと感じてきたからです。

仕事ばかりで、毎日のように午前様、週末はほぼ執筆、という過労死の危険水域的労働生活を数年にわたって送っていても不平や不満は一切なかったし、それどころか「仕事があるって幸せだ!」「本を書けるなんて幸せだ!」と思っていました(まあ経営者ですから当然ですかね)。

だから、ワークばかりだった30代は辛くて、ライフが充実した40代が楽しかったというわけではなく、1日24時間、365日の「過ごし方」が変わっただけなんです。どちらの10年も最高に幸せでした。

ご存知の方も多いと思いますが、我が家は2019年、僕が46歳のときに特別養子縁組で息子を迎えています。これも日々の時間の使い方や過ごし方が劇的に変わった大きな出来事でした。

息子は僕の誕生日(1/16)の翌日(1/17)に生まれた子で、2023年1月17日で4歳になります。

生後5日で我が家にやってきてからの4年間は、それはもう幸せな毎日で、よく「子どもは3歳までに一生分の親孝行をする」と言われますが、本当にその通りで、人生には「こういう幸せ」があったのかと縁のありがたみを感じながら毎日過ごしています。

人生って本当におもしろい。

50歳を迎えてみて、特に感傷に浸ることもなく、歩んできた道を冷静に振り返ってみると、10代、20代、30代、40代と、過ごし方はそれぞれ特徴があったし、人一倍失敗をしてきた自負もあるけれど、いつだってとにかく全力で生きてきたなと胸を張って思えます。

そしてこれから人生の総決算の序章となる50代が始まる。

やりたいことと、なすべきこと(使命)は明確になりました(長いのでそれはまた別途)。そして確かなことは、僕はいまとてもワクワクしているということです。人生の中でいまが一番楽しい。そしてこれからの50代が楽しみでしかたがない。

とまあ、自画自賛で不束者の私ですが、今後ともご贔屓によろしくお願い致します。誕生日パーティーしてください!

(ちなみに)

焼き鳥を食べながら、株式会社キュービックの世一(@41hide)社長に教えてもらった『DIE WITH ZERO』(ゼロで死ね)が凄まじく良かったです。人生100年時代における40-50代の過ごし方を考える上で必読の書かと(僕はこの本を読んでこれからの人生設計が変わりました)。興味がある人は手にとってみてください!

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