14業界の主要戦略パターンを解説する『業界別マーケティングの地図』を出版します!!(→「はじめに」と「おわりに」と主要フレームを全公開)
『売上の地図』(日経BP)の続編となる本が出ます。
テーマは前著に続き「売上」ですが、今回の本は14業界のマーケティング特性の違いと、それぞれの業界ごとの戦略チューニングのポイントを解説するものです。
ありがたいことに、『売上の地図』はたくさんの方に読んでいただけ、多くの企業で「導入」が進んでいます。一方で、「これはマズイな……」と感じることも増えてしまいました。それが、カスタマイズやチューニングなき当てはめです。
自社商品が持つマーケティング特性、つまりカテゴリー関与度を無視し、「そのまま」使ってしまうのです。
これはいけません。むしろマズイことになります。この流れを断ち切るためには、自らその流れを正す追加情報を出すほかない。これが本書を書こうと思った背景です。
思い返せば、25年間のマーケター人生の中で、社内でも(クライアントの案件相談の流れで)
この戦略は論理的におかしくない? 今回の商材は ”カテゴリー関与度の低い” 洗濯用洗剤であって、”カテゴリー関与度が高い” 家電や自動車じゃないんだよ?
この戦略は論理的におかしくない? 今回の商材は ”同じカテゴリー関与度が高い商材” の中でも ”情緒的な選好” が行われる(メンタルベネフィットが重視される)商材であって、こんなに ”理性的な選好”(フィジカルベネフィットだけでの選好)は行われないよね?
といったやり取りを数千回以上(やさしく)繰り返してきたように思います。
この世には理論や概念、戦略フレームや勝利の定石を解説する良質なマーケティング本がごまんとあります。一方で、それらのカテゴリー関与度ごとのカスタマイズ法(例:チョコレートと住宅におけるマーケティングの違い)を解説する本は意外と少なくありませんか?(自身の読書経験では発見したことがありません)。
『売上の地図』で(全商品カテゴリーに共通する)売上の因果構造を整理した後だからこそ、業界別のカスタマイズやチューニングについてもある程度詳細にわたって解説することが、各業界での戦略ミスを減らすことにつながると考え、筆を執った次第です(ちなみに、前著『売上の地図』とあわせて読むと理解が進みますが、単独でお読みいただいても十分お役に立てると思います)。
本書では、14業界を以下の同一フレームで相対比較します。
商品カテゴリーマトリクス
ヒューリスティック処理とシステマティック処理
ベネフィットの3分類
「いますぐ客」と「そのうち客」
「今日の売上」と「明日の売上」
メンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティ
ブランドカテゴライゼーション
PESO
商品カテゴリー別のPESO
真実の瞬間(Moment of Truth)※消費者は4回評価する
買回品・専門品における真実の瞬間
最寄品における真実の瞬間
クチコミの4分類
買回品・専門品におけるコミュニケーションファネルマップ
最寄品におけるコミュニケーションファネルマップ
これら共通のフレームワークで14業界を比較するからこそ、商品カテゴリーによってマーケティングのやり方が「いかに違うか」(どこがどう違うか)がよく理解してもらえるはずです。
ということで、「はじめに」と「おわりに」を全文公開します。少し長いですが、いましばらくお付き合いください m(_ _)m
『業界別マーケティングの地図』▶ はじめに
売上に影響を与える全20個の構成要素を地図に見立てた書籍『売上の地図』を2022年6月に発売してから間もなく2年。このたび、その "続編" に当たる書籍、題して『マーケティングの地図』を書こうと考えた理由、きっかけについてお話ししたい。
「バズったから売れた!」「プロモーションが失敗して売れなかった」など、売上の好調・不調の要因を言い当てる会話はマーケターに限らずそこらじゅうで繰り広げられている。しかし、売れた理由(または売れなかった理由)には、商品力、価格、配荷力、ブランド力、広告やプロモーション、PR 、販売促進、バズ、クチコミ、インフルエンサー、競合の存在や景気などさまざまな要因が絡み合っているはずだ。
にもかかわらず、マーケティングの現場では「この商品が売れた(売れなかった)のは、この施策が良かった(悪かった)からだ!」と極めて単純かつ直線的に原因を特定しようとする荒っぽい解釈が横行している。無理もない。そのほうが上司への説明と自己弁護が楽だからである。
業界にまん延するそんな「誤った認識や解釈」を問題視した筆者は、2022年6月に『売上の地図 』(日経BP)を出版し、その中で ”目的変数” としての売上には19の要因(説明変数)があり、それぞれがどのように構造的に結び付いているのかを整理、提示した。
前作で掲載した「売上の地図」(※初期バージョン)
売上は、お金を入れてボタンを押せば目当ての商品が出てくる自動販売機のような単純なものではない。複数の要因が構造的に影響し合い、上下動していることを示すことで、戦略策定や戦術設計の再現可能性を高めようと考えたのだ。
この ”地図” は、分かりやすさを重視してアップデートしており、現在はバージョン3となっている。
「売上の地図」v3
ありがたいことに、『売上の地図 』は多くの企業やマーケターに評価され、現在も様々な企業でフレームの導入が進められている。しかし、ここで新たな課題が浮かび上がってきた。一言で表すと「チューニングなき導入による不幸」だ。
「自社だったら?」という視点の欠如
筆者が提唱する『売上の地図』に限らず、世の中で一定の評価を獲得している考え方やフレームワークは、膨大かつさまざまな具体を高度に抽象化したモデルや構造図と言える。複数の情報に共通する要素を抜き出す抽象化を経て整理されたモデルや構造図だからこそ多様な業界で活用でき、かつ再現可能性の高いアウトプットを導出する手立てとなるのだ。
にもかかわらず、普遍かつ便利に見えるフレームワークは、「これさえ使えば一発で課題を解決できる!」という過剰な期待とともに、妄信的に現場導入されてしまう事例が後を絶たない。
当然のことながら、商品が持つカテゴリー特性によって、消費者の買い物の仕方は異なる。ある程度対象物に対する基礎知識があり、購入頻度が高く、価格が安く、購入による失敗リスクが低い食品・飲料・日用雑貨などの一般消費財と、その逆で、基礎知識があまりなく、購入頻度が低く、価格が高く、購入による失敗リスクが高い家電・自動車・住宅などの耐久消費財や専門財では、消費者の関与度も、購買プロセスも全く違う。
つまり、世にあふれる有益な考え方や便利なフレームワークは、導入をする際、必ず自社商材に照らし合わせ、チューニングをする必要があるのだ。ここがすっ飛ばされてしまうケースが後を絶たない。
『売上の地図』の続編としての『マーケティングの地図』
『売上の地図』は、今後のさらなるアップデートが必要という課題はありつつも、実務の現場で奮闘するマーケターの方々に、手前味噌ながら一定のヒントや解を提供できたのではないか、と自負している。
一方で、『売上の地図』の「チューニングなき導入による不幸」も散見されるようになってきた。週に何度も購入する一般消費財と、数年に一度しか購入しない家電などの耐久消費財や自動車、そして一生に一度か二度、あるかどうかの住宅購入や生命保険の契約とでは、明らかにマーケティングのやり方が異なる。全く違うといっていい。
しかし、『売上の地図』からは、どこがどう違うのかがよく分からない。だから、多くの現場でチューニングなき導入が進み、「 何だかいまいちフィットしない」という問題が発生してしまっている。これを解決するためには、業界別の『売上の地図』、すなわち続編的位置付けとなる『マーケティングの地図』を示さなければならない。これが本書を執筆しようと考えた背景である。
マーケティングの定番フレームが「現場で役に立たない」ワケ
なぜチューニングが必要なのか? 今もよく覚えているエピソードを紹介しよう。
ネットとSNSの普及が進み始めた2007年。電通関西支社(当時)の秋山隆平氏は、著書『情報大爆発 コミュニケーション・デザインはどう変わるか』(宣伝会議)の中で、1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱して以来、80年以上にわたってマーケティングの現場で使われてきた消費者購買プロセス「AIDMA(アイドマ)」が「AISAS(アイサス)」に変わりつつあると論じた。
※ AIDMA:Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲望)→ Memory(記憶)→ Action(購入)
※ AISAS:Attention(注意)→ Interest(興味)→ Search(検索)→ Action(購入)→ Share(共有)
くしくも、テレビ視聴者層の変化(高齢化と低所得化)、ハードディスクプレーヤーの普及によるテレビCMのスキップ問題、SEO(検索エンジン最適化)やSEM(検索エンジンマーケティング)に代表される検索エンジン対策による顧客獲得(いわゆる刈り取り)効率の良さ、「@cosme」や「kakaku.com」「食べログ」、「Amazon.co.jp」のレビューなどにおける口コミの売上への影響力拡大、スマートフォンの普及開始、 mixi やブログの普及による情報生成および情報流通の変化などが同時多発的に発生した時代だ。
「AIDMAからAISASへ」という掛け声は、消費者の購買プロセスが根本から変わってしまう時代の転換点を示す業界の合言葉になった。そして、「以前と同じ予算で同じ施策を打っているのに、徐々に効果が弱くなってきている」という肌感覚を持っていた多くのマーケターは、「古い購買プロセスモデルで戦略を設計していたからうまくいかなくなってき ていたのか!」「AIDMAはもう古い。これからは AISASだ!」と飛び 付いた。
そんな折、筆者はある食品メーカーのクライアントから「新商品のプロモーション戦略を考えたので、意見が欲しい」と相談を受けた。そこで担当者から手渡された数十ページにおよぶパワーポイントの戦略設計書は、AISASをベースに組み立てられていた。消費者ニーズの高度化・多様化、メディア環境(接触メディア、接触頻度、接触態度など)の変化、 情報流通の変化と購買プロセスの変化(AIDMAからAISASへ)、商品コンセプトとターゲット戦略、AISAS モデルをベースとした新商品のプロモーション設計、具体的施策、という具合だ。
私は彼に尋ねてみた。
「スーパーやコンビニエンスストアで購入する、関与度の低い食品を、 事前に検索する人ってどれくらいいますかね?」
「月に何度も買う日常的な食品を食べた後、それをレビューサイトやブログで発信する人ってどのくらいいますかね?」
「他の飲料や日用雑貨について書かれたレビューやブログを見たことがありますか?」
「顧客が御社の商品を食べた後にブログを書く動機って何ですかね?」
※文字にすると何だか詰問しているかのようだが、極めて優しく丁重に意見を述べさせていただいた。
その打ち合わせの結果、新商品プロモーション案は設計段階から見直しとなった。AISASモデルが悪いのではない。これは、書籍やセミナー、専門メディアで話題の新しい手法や考え方、フレームを、そのまま自社商材に当てはめてもうまくいかないことを示唆している。あれから15年ほどたつが、有用なフレームのチューニングなき導入による失敗は、令和も6年目(2024年)を迎えた今なお、そこかしこで起こっているのである。
世にあふれる有益な考え方や便利なフレームワークは、導入をする際、必ず自社商材に照らし合わせ、チューニングする必要がある。だがチューニングと言われても、どのようにすれば良いのか分かりづらいことも多いのだろう。そこで本書では、下記14業界(カテゴリー)のチューニング例を具体的に解説していく。
01. 菓子・アイスクリーム
02. 家電
03. 化粧品
04. 食品・清涼飲料
05. 自動車
06. 保険
07. アパレル
08. 外食サービス
09. 日用品・日用雑貨
10. シャンプー
11. スポーツブランド
12. 注文住宅
13. 観光地
14. アルコール飲料
担当商品の特性は、相対的な比較で理解する
チューニングのコツを理解するには、いきなり対象カテゴリーの話から始めず、前段でワンステップを踏んだほうがいい。遠回りに思えて、そのほうが圧倒的に理解が早くなるからだ。それが相対化である。
自身が担当する商品・サービスが持つマーケティングの特性(他商品との違い)は、相対的アプローチでしか浮き彫りにならない。例えば、ここに新商品のペットボトル入り飲料がある。プロモーションプランを考える際、下記のようなカテゴリー特性が前提として存在する。
競合を含め、新商品点数が多い
高頻度で購入する
消費者の興味関心が薄い低関与商材である
低価格
購入の失敗リスクが低い
購入場所はコンビニ、自動販売機、スーパーやドラッグストアなど
購入前にほとんど検索(検討)されない
既存購入の大半は習慣購買である
ただし、消費者が特定ブランドにこだわらず、さまざまなブランドを購入するバラエティーシーキング型商材のため、ブランドスイッチは頻繁に起こる
価格弾力性が大きいため、価格訴求型インストアプロモーションの効果が大きい
際立った新規性や独自性がない限り、購入後のレビューやSNS投稿は行われない
そのためトライアル顧客がリピート顧客のレビューを事前に見る可能性は低い
上記のカテゴリー特性を理解・納得できている人は、ペットボトル入り飲料の特性を、アイスやお菓子、ビールやチューハイ、家電や自動車や住宅などといった他の商品カテゴリーと相対的に比較することで、自身が担当する商品の ”位置” を俯瞰(ふかん)できているのだ。
そして、その相対化は、同じフレームで比較すると格段に理解しやすくなる。同じフレームで主要な商品カテゴリーのすべてがマッピングされるからこそ、自身が担当する商品が持つ特性(位置関係)が高い解像度で見えてくる。
『売上の地図』と『マーケティングの地図』の違い
『売上の地図』の目的は、売上に影響を与える主要な変数(例:売り場や想起)を構造化することで、売上をつくるビジネスの全体理解を促し、 再現可能性の高い戦略策定や戦術設計を助け、資源(予算)配分の精度を高める、文字通り「地図」を提供することだった。
一方、本書『マーケティングの地図』の目的は、業界それぞれの特徴を共通のフレームで比較することで、業界ごとのマーケティングのやり方の違いを示し、その上で「やるべきこと」と「やらなくてもよいこと」 の判断基準を提供することである。
その意味で、『売上の地図』は売上がもたらされるビジネス全体の構造理解を助ける普遍的視点を、一方の『マーケティングの地図』は、業界別のマーケティングのやり方の違いと、所属業界において重視すべきこと&さほど重視しなくてもよいことを理解する、業界特有の視点を提供できると考えている。
この 2 つは相互に行き来しながら使い分けると効果が増す。本書をお読みいただく方は、ぜひ『売上の地図』も一読いただけたらと思う。
『業界別マーケティングの地図』▶ おわりに
世間で話題の新しいマーケティングコンセプトも、有名な戦略フレー ムの使い方も、すべては商品やサービスが持つ「カテゴリー関与度」によって異なる。これが本書で伝えたかったことの結論である。
本書では、業界別のマーケティング戦略を策定するための共通フレー ムとして、商品カテゴリーマトリクス、「いますぐ客」と「そのうち客」、「想起されやすさ」と「買い求めやすさ」、ブランドカテゴライゼーション、「PESO」で考えるメディア戦略、買い物の「真実の瞬間」、前半と後半のZMOT、マーケティングコミュニケーションのファネルマップを示し、それら「共通のフレームワーク」から出力される示唆が、商品カテゴリーごとに「いかに違うか」を確認してもらった。
紙幅の都合上、業界別の地図で整理した情報は「およその方向はこっちですよ」「そっちではありませんよ」という「ざっくりした方向性」を示すものだが、この「およその方向」をつかむことこそが何より重要なのだ。
本書の目的は、マーケティング活動における「大外し」をなくすことである。どんなに優秀なマーケターでも、すべての施策を成功させることは不可能に近く、良くて打率3割がいいところだろう。しかし、これは逆に言えば3割は打つことができるということでもある。ただしこの打率は「戦略が合っている場合」という大前提に立脚するものだ。戦略が間違っていれば、どんなに優秀な選手を多数取りそろえ た「最強打線」を保有していたとしても、決して常勝集団になることはできない。
一方、たとえ対戦相手と比較して弱い打線しか保有できていないとしても、戦略さえ合っていればコツコツ勝ちを重ねる可能性は高まる。マーケティングにおいても同様に、一つひとつの施策の成否は戦略で取り返すことができるが、戦略の失敗は個別施策で取り戻すことはできない。だからこそ、戦略における「大外し」だけはなんとしてでも避けなければ ならないのだ。
そして、その戦略の大外しの大半は、商品カテゴリーマトリクスで示される消費者の「カテゴリー関与度」を無視した、無理のある(カスタマイズやチューニングなき)「当てはめ」に端を発して起こっているのである。
1カ月に複数回購入する商品、1年に数回購入する商品、数年に1回購入する商品、一生に1~2回しか購入しない商品ごとに、消費者のカテゴ リー関与度は大きく異なる。そして、忙しい消費者の情報処理意欲や能力にも限界がある。
「自社商品に対する興味関心」以前に、自社商品が属するカテゴリーは、 忙しい消費者の日常において、どのくらい興味や関心を持ってもらえるものなのか。その上で、現代の超高度に成熟した情報社会における認知限界の中で自社商品に一定の関心を持ってもらうことは「どのくらいまでのレベル」が期待値として妥当なのか、冷静に見極める必要がある。
戦略ミスを引き起こすもう1つの罠は、あなた自身の中にある。仕事熱心なあなたは、自身が担当する商品のことを四六時中考えているだろ う。あなたは、1日7時間×244日(一般的なビジネスパーソンの年間労働日数)、年におよそ1700時間も担当商品のことを考えている、この世で最も担当商品に対して関与度の高い人間である。
一方、あなたの担当商品を買ってもらいたいターゲット顧客は、1年であなたの商品のことをどのくらい考えているだろうか。属する商品カテゴリーにもよるが、数秒から数分がいいところだろう。
当該商品のことを1年間で1700時間も考えているこの世で最も高関与なあなたが、「数秒から数分しか考えていない低関与なターゲット顧客」 に向けたマーケティング戦略を考える。よっぽど自身の脳内が ”いかに異常な状態か” をメタ認知できていない限り、戦略ミスは起こるべくして起こっているのである。
自社商品が顧客に持ってもらえる関与度はカテゴリー関与度に依存する。これは自社の努力でどうしようもできない決して抗えない大前提である。
そして、その大前提の上で策定する戦略は、相当な注意を払わないと、「顧客は自身と同じくらい担当商品に興味関心を持っている(くれる)はずだ」という大いなる誤解の上で描かれてしまう。
本書をお読みくださった読者の皆さまには、まずその「戦略ミスの発生源」から脱出していただきたい。それだけで、予想を超える無駄な時間、費用、労力を削減できるはずだ。 マーケティングは幅が広く、ひとつひとつの奥が深い。先人の教えを学びながら、とてもではないが私ひとりの人生や当社一社の努力で完璧 な理論をつくれるものではない。本書をきっかけに、さまざまな知識やノウハウが再編さんされ、さらに精度の高い「業界別マーケティングの地図」が更新されていくことを期待して筆を置きたい。
(以下、謝辞省略)
『業界別マーケティングの地図』▶ 目次
第1部 マーケティングの地図を読み解くための8つのフレーム
第1のツール 商品カテゴリーマトリクス
購入前に検討する? しない? 商品カテゴリーで異なる「買い方」
第2のツール 「今すぐ客」と「そのうち客」
ニーズ顕在化の時期は商品によって違う 近視眼的なマーケティングに陥るなかれ
第3のツール 「想起されやすさ」と「買い求めやすさ」
ニーズ発生時、想起するブランドは? それはすぐに入手しやすいか?
第4のツール ブランドカテゴライゼーション
認知しているブランドの勝ち残り戦 「第1想起」が最もよく購入される
第5のツール 「PESO」で考えるメディア戦略
Paid、Earned、Shared、Owned 商品カテゴリーで異なる注力点
第6のツール 買い物の「真実の瞬間」
来店前に8割決定 顧客は4回評価する
第7のツール 「ZMOT」には前半と後半がある
思い出してもらうまでのZMOT 思い出してもらってからのZMOT
第8のツール マーケティングファネルの誤解
効く施策は商品カテゴリーで異なる ダブルファネルに該当施策をマッピング
第2部 14業界別マーケティングの地図
第1の地図 菓子・アイスクリームのマーケティング
最寄り品だが関与度高い嗜好品 チョコレートの第1想起は明治
第2の地図 家電(白物家電、黒物家電)のマーケティング
「掃除機」の第1想起はダイソン EC化率40%超で想起がより重要に
第3の地図 化粧品、コスメのマーケティング
「デパコス」と「プチプラ」 対極のコスメをどう訴求する?
第4の地図 食品・清涼飲料のマーケティング
店頭で想起される存在×確実な配荷が鍵 パッケージ変更や刷新が訴求タイミング
第5の地図 自動車のマーケティング
オンラインで車種を絞り込む時代 ディーラー来訪回数は減少傾向
第6の地図 保険(生命保険、損害保険)のマーケティング
自動車保険で圧倒的な第1想起を 獲得するソニー損保が強いわけ
第7の地図 アパレルのマーケティング
普段着、よそ行き服、ブランド服 タイプ別に考える販売戦略
第8の地図 外食サービスのマーケティング
外食のリピート率は77.3% 「再来店される店」になる7つの作戦
第9の地図 日用品、日用雑貨のマーケティング
洗剤、消臭芳香・防虫剤、衛生用品…… パーセプションを変えて広告・PR
第10の地図 シャンプー、ヘアケア用品のマーケティング
日用品と一味違うシャンプーのマーケ 「YOLU」の躍進に成功のヒントあり
第11の地図 スポーツブランド・用品のマーケティング
ニューバランスの大谷翔平効果は? 1位想起から直営店に来店の流れを作る
【コラム】「ナイキ走者」が3年で96%から43%に激減
正月の風物詩「箱根駅伝」はシューズブランドの戦いの場
第12の地図 注文住宅、ハウスメーカーのマーケティング
"一生に一度"の買い物をどこに託す? オーナーを味方につけて魅力をアピール
第13の地図 観光地、行楽地のマーケティング
グルメよし、街並みよし、デートによし… 複数カテゴリーで想起される観光地が優位
第14の地図 アルコール飲料のマーケティング
ビール類は期待・報告型投稿を促進 プレミアム酒はうんちく発信を強化
『業界別マーケティングの地図』▶ 共著者
本書は、株式会社トライバルメディアハウス マーケティングデザイン事業本部に所属する3名のコンサルタントとの共著です。優秀すぎて泣けました。改めて謝辞を。
3/15(金)出版です。ご予約はこちらから! お役に立てますように!!
池田紀行+株式会社トライバルメディアハウス(樋口宗一郎 / 小島駿 / 勝水治樹)著『業界別マーケティングの地図』(日経BP)2024/3/15出版
同時に読むと理解が深まりますです!
池田紀行著『売上の地図』(日経BP)2022/6/17出版
自社が「やるべき施策」と「やるべきではない施策(やらない方がいい / やっても意味がない施策)」を理解したい方は、こちらもご一読いただくと解像度が爆上がりするはずです!あわせてぜひm(_ _)m
池田紀行著『マーケティング「つながる」思考術』(翔泳社)2024/1/17出版
長文お読みいただき、ありがとうございました!m(_ _)m
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