見出し画像

玉つなぎ(表題について)広瀬典丈

 いけばなスペース花展2023には「玉つなぎ表題の合作・個人作、「囃子表題作も出品されまました。「いけばなメッセージを伝える道具ではないそこに置かれたものが全て」それが私の持論です。(→片身替わり)
 「作者を離れたものは見る側に委ねられ、続きは見る側が作っていく」、それでも作者の意図を訊ねたい人話したい作者が居ます。「枝に藍染め布を吊るして青空・太鼓実演に感動して丸籠に撥見立ての枝・五線譜見立ての横枝に葱坊主の音符で音楽など、稚拙な説明でいけばなを語ろうとする人はともかく、つけた表題には説明が必要でしょう。

左上 広瀨さちよ「囃子」右下 広瀨典丈「玉つなぎ」

 言葉を持たないいけばな表題は、語るべき考えを補う道具ではありません。以前俳句いけばなを比較し、「切れ」で空間が分かれていると言いました(→複合的構成)。俳句短歌比喩物事の説明ではなく別々の事物をぶつけて新しい映像を結ぶ技法です。
 「玉つなぎ」は小紋の一つ・有松絞染の産地・有松に置いたいけばな三つの映像が重なれば、見る人文化の綾目が醸すエスプリを楽しんでもらえると考えました。こんな説明は邪魔かも知れませんが‥。

左上 太田佳代子  右下 山田ますみ「玉つなぎ」
小紋玉つなぎ 絞玉つなぎ 見本


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?