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はじめての3Dプリンター。クッキー型でファンアートクッキーをもっと楽しく!

最近は、3Dプリンターも小型化・安価化が進んで、趣味で使うために家に置く人も増えてきました。

とはいえ、3Dプリンターを使いこなすには、CADソフトでのモデリングを習得する必要があり、わたし自身、そのハードルの高さに重い腰をあげることができていませんでした。

でも、3Dプリンターを使いこなしている友人たちを見ていると、DIYに必要な特殊な部品や壊れた水道の部品などを気軽に3Dプリンターで出力していて、傍から見ていると間違いなく楽しそうで羨ましかったんですよね。

3Dプリンターで小物を出力するだけでも3Dモデリングを覚える動機としては充分なのですが、最近は、家具を3Dデータでデザインして木工パーツとして出力することができる「EMARF」というサービスも登場し(わたしもちょっと関わっています)、面白そうという気持ちが閾値を超え、一念発起して入門してみることにしました。

モデリング

初めて自力で行う3Dモデリングの題材は、クッキー型です。

最近ハマっているゲーム「Among Us」のファンアートクッキーを作りたいと考えています。クッキー型なら形状も簡単そう。

3Dモデリングに使うソフトは、Autodeskの「Fusion 360」。

あまり使ったことがないソフトだったので、公式YouTubeチャンネルにあがっているYouTubeを見ながら基礎を学びました。

最近は参考書を買わずとも、分かりやすい動画チュートリアルが沢山あり、初学者にはありがたいですね!

ビギナー向けレッスンをひと通り視聴したところ、クッキー型くらいの単純なモデリングであれば、調べながらできるくらいにはなりました。

具体的な手順としては、イラレでデータを作って、それを一度SVG出力し、Fusion 360で読み込み、3Dデータ化しました。

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クッキー型出力

作ったクッキー型の3Dデータを3Dプリンターで出力します。

3Dプリンターでよく使われるフィラメントはPLAとABSの2種類。

PLAは、融解温度が180度〜230度程度で溶けやすく、硬く・反りにくいため、プロトタイピングでは扱いやすい樹脂です。

ABSは、融解温度は210度〜240度程度で、PLAと比較すると柔らかく、弾性があります。そのため、圧力や衝撃に強いです。

今回はクッキー型ということで、食洗機なんかに入れていきたいし、多少の衝撃にも耐えてほしいため、ABSで出力します。

使ったのは、DMM.make AKIBAに置いてあるとても良い3Dプリンター「Adventurer3」。(自宅の3Dプリンターよりも断然扱いやすくて感動。)

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溶けたフィラメントがノズルから出力され、自分がデザインした形に積層されていきます。PCの中で作っていたデータが現実世界に現れる様子は、独特の感慨深さがありますね。

クッキー作り

ここからは、通常のクッキー作りと変わらないですね。レシピは適当に調べて上の方に出てきたレシピで作ってます。

何も考えず、普通に焼いたら表面がかなり膨らんでしまいました。

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膨らませないためには、空気を含ませないようにサックリ混ぜ、厚さを均一にするクッキールーラーというものを使うと良いそうです。

クッキールーラーなんてものはなかったので、代わりにそこらへんに落ちていたアクリル板を使用しました。綿棒もなかったので、オリーブオイルの瓶で代用。これで均一な5mm厚にしていきます。

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焼きました。この状態でもなかなかかわいいですね。

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続いて、アイシングをしていきます。

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最近は水に混ぜるだけでアイシングができる粉が売っていてたいへん便利です。アイシングに色をつけるためのカラーキットも買いました。

ただ、アイシングの手動オペレーションがかなり難しく、修行もしくは自動化の必要をかなり感じました。

3Dプリンター楽しい

3Dモデリングと3Dプリンター楽しいです!!!

大学時代(もう10年くらい前)、デジタルファブリケーションの巨匠・田中浩也先生が、「物流はリアルからデータに移っていくのではないか」的なことをおっしゃっていた記憶がありますが、確かにこんなに気軽にデータを物理に落とし込めると、自分の購買行動が変わってきそうな予感があり、ワクワクします。

これからしばらくは生活にちょっと足りないようなパーツなんかをモデリングしては出力する生活を送りたいです。

また、今回、私は自分で3Dモデリングを行い、普通の3Dプリンターで出力しましたが、オリジナルクッキー型を作ることに特化した3Dプリンターも発売されています。

「ニンジャボットクッキー」は手書きのイラストから3Dモデルを生成するソフトがついており、3Dモデリングを行わなくても、簡単にオリジナルクッキー型が作れるそう。いいな!

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本記事は、日経MJでの連載『デジもじゃ通信』と連動した記事になります。

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