見出し画像

「強大な敵」スタートダッシュガイド

第3弾、始まる。

2/11(土)ブースターパック第3弾「強大な敵」がついに発売されます。
第2弾の発売が去年の11/4ですから、約3ヶ月ぶりとなりますが…体感もっと遊んだような。
この間に大阪・福岡・愛知・宮城・東京第二とチャンピオンシップ予選が5回もあったからでしょうかね。頂上決戦、めちゃくちゃ濃い環境でした。

そのチャンピオンシップ本選すら発売一週間後の2/19(日)とまもなく。
新弾発売から一週間で答え見つけて来いとは中々にハード。

同日に公式の3人チーム戦などもありますし、2月や3月のフラグシップバトルなど人によっても目標は様々。見聞色の精度と構築を掘るスピード、両方求められる激動の一か月となりそうです。

そんな新弾直後でみんなが気になるのは『で、新リーダーやれんの?』だと思います。
どうしても環境初期は『なんか新弾のカード微妙じゃない?』『結局〇〇が強くね?』となりがち。
前環境で強かったリーダーは構築の元があるので数枚の入れ替えで形になり、出力もプレイングも安定するのでバイアスかかるのは仕方ないのですが。

なので私は、やり込む前に全リーダーの「強さ・性質・可能性」にあたりを付けるようにしています。大なり小なり、特定のデッキを触り出すとそのデッキに対する「理解・練度・愛着」等で色眼鏡になり公平な判断が難しくなる。あたりをつけるなら思考がフラットな今がチャンスです。

そんな思想のもと構築した、第3弾の全リーダーサンプルデッキを紹介します。


デッキ構築とは彫刻である

具体的なデッキ紹介に入る前に、私が新カードを眺めるときの軸にしている考えがあります。『早くデッキみたいよ』って人は本項飛ばしてください。スマホなら2~3スクロールくらい。

まず、新弾が出る前にこう思っている人がいるかもしれません。
『新リーダーだからどれも強いはず』
『各色はどれもバランスよく作られているはず』

経験上ですがそうはならんです。
全色の強さが拮抗していることと、そのカードゲームが面白いかは全然別の話だから。

開発者からすれば『この弾はこのカードで盛り上がってほしいな』『今までと違うこの部分で新鮮な体験を提供したいな』など必ず意図があってつくっているはずです。『どういうゲーム体験にしたいか』が先にあり、強さを拮抗させることが目的ではないはず。

私は開発者ではないので本当の意図を知る由はありませんが、『第3弾「強大な敵」を追加することで「ワンピースカードゲーム」をどう遊ばせようとしているのか?』というスタート地点を、カードから逆に辿って仮定するようにしています。

どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。
それを発見するのが彫刻家の仕事だ。

ミケランジェロ

かの『ミケランジェロ』の言葉です。
私はこの考え方が本当に好きで、デッキ構築の信条にしています。

究極のデッキ構築とは自分の着想を実現する行為ではない。
「カードの効果」「環境の流行」「みんなの理解度」などの要素から彫られる形は既に決まっている。デッキ構築とは、ただその形を取り出すだけの行為でありたい。

・・・なんて、理想論ですけどね!残念ながら私は普通の人間なので、全カード公開から数日でその域には至れずです。


■ポートガス・D・エース

サンプルデッキの1人目は「火拳のエース」。
第3弾を語る上で、まずこのリーダーは外せません。

https://mokeymokey.com/

■強さ予想(A,B,Cの3段階です)
A

■考え方
・盤面形成は《マルコ》に任せる。イベントで徹底的に相手盤面を掃除し、リーダーと不死鳥マルコでテンポを取り続けて攻め切る。

・キャラは極限まで絞っています。《キングデュー》すら枠がなくて切りました。デッキの性質上、イベントとステージの枚数が非常に多くなるので、キャラを守ることができないからです。

・また、エースミラーで除去の当て先を自分から用意するのも弱いと考えています。まじで場に出す生き物マルコだけでいい。

・勿論イベントを減らせば調整可能ですが、リーダーゾロやリーダー白ひげとの差別化がどんどん難しくなる。『《炎帝》が使えるだけの赤リーダー』になるのを嫌っています。それだと炎帝ケアするだけでおしまいですからね。まず、武器は突出させる。整えるのは後。

■キーカード
・《炎帝》 
このカードがワンピースカードゲームの新たなルールになるといっても過言ではない。パワー8000以下で登場時に何もしない大型キャラすべてを過去のものにしました。7キッドは炎帝に焼かれるから入らない新時代です。

・《マルコ》
『第3弾で一番強いカードは何か?』と聞かれて私が食い気味に即答するのがこのカード。強すぎる。
当初、私はリーダーエースの課題が、大きく2つあると感じていました。

その1つが「エースらしさを出すほどキャラが守れなくなる」問題。
『流石にリーダー単騎では勝てないからな…9コスト《エドワード・ニューゲート》を着地させてから2面で攻めるか。でもそれだとリーダーゾロやリーダー白ひげの下位互換では…?』みたいに思っていました。
当たり前ですが、開発が理解ワカってました。この課題を解決するのがマルコです。
4/5000のブロッカーマルコは、パワーが5000なのでアタック回数で虐めてリソースを枯らす選択肢がありましたが、このマルコは6000のためそのプランが通用せず。そもそもエースの目の黒いうちにマルコにアタックするための生き物が何体も残っている世界があり得ないです。
まじで「不死鳥マルコ」。まともに対処できるの、青くらいでは。

・《ストライカー》
リーダーエースの課題の2つ目は「リソース負けるのでは」問題でした。
除去される前提で【速攻】を投げ続けてくる赤は勿論ですし、そうでない相手でも只1:1交換を続けているだけでは優位に立てません。あとは、倒されて困る生き物を出さない様子見プレイをしてきたらドンが余りそうとか。
それらを解決するカード。2回以上起動してはじめてアドバンテージなので、積極的に使っていきましょう。

・《ポートガス・D・エース》
自分のマルコがアタックするターンに添えられる、素のパワーが高い【速攻】持ちが欲しかったことと、《火拳》で取りきれないパワー6000以上のキャラ複数体がまとめてアタックしてきたときの対策として採用。枚数増やすかも。

・《エドワード・ニューゲート》
強いのですが、このカードを最速で着地させるプレイ方針を取った時に他の赤リーダーとの差別化が難しくて、最速で置くかが怪しく2枚。特に後攻置かなそう。《イゾウ》でサーチできますし、1枚握っておけるなら十分。ミラーで炎帝の当て先つくるのも気に入ってないです。
7エースとの全体感で採用枚数調整したいのですが、環境定まってないので2-2で様子見しています。

■プレイ指針
・マリガンは《マルコ》全力です。
先後どちらも、まずは最速でマルコを立てることがスタートライン。
ジャンケン勝ったら先攻選択。

・イベントはどうせ狙ったものが道中で引けます。
《イゾウ》《バギー》《ストライカー》とあり得ないほどサーチが充実しているから。

・マルコが着地してからは、丁寧に盤面を焼き払いながらマルコとリーダーで相手リーダーを攻め続ける。マルコの2枚目以降を引いたら積極的に先出し。除去は場をつくってからが鉄則です。

・イゾウとバギーは主に小粒処理専門。小粒出てこない相手には基本10ドンまで立てたままで、バギーは2ドン付けて5000で殴る。《マキノ》があれば2ドン7000とか。

■弱点
①パワー6000でリーダーを殴り続けられると守りきれない
エースの効果でイベントが+1000になるため、5000同値より6000のほうが効きます。これを嫌って2000カウンターを8枚渋々入れています。

②《マルコ》を処理されると攻めあぐねる
具体的には《三・千・世・界》や9コスト《ジュラキュール・ミホーク》をしっかり積んだ先攻イワンコフが面倒かも。7イワンコフに《炎帝》しても1面取りこぼすし、9ミホークに炎帝しても1:2交換かつ【登場時】使われてるから全然得してない。この対面は7エースが鍵になりそう。


■クロ

2人目は「百計のクロ」。まさかコイツがリーダーとして出るとは。

https://mokeymokey.com/

■強さ予想
C

■考え方
・《炎帝》が支配する世界に適応しようとした緑です。

・これまでの緑は、盤面に大型のキャラを着地させ、そのキャラを軸に攻めるのが基本でした。しかし、それでは足が遅くエースに対抗できません。

・そこで新基軸の《クロ》です。今までの緑は、盤面が空っぽになるとリーダーの1回攻撃しかできず鈍重だったのですが、クロは違います。

・例えば10ドンで、リーダークロ7000⇒《ジャンゴ》でクロアクティブ7000⇒ジャンゴを対象に《杓子》でクロアクティブ7000、これで7000×3回攻撃。この足の速さはこれまでの緑になかったアイデンティティです。

■キーカード
・《ジャンゴ》
東の海、期待の星。実質5/6000【速攻】。
リーダーにドンをつけてアタックし、それをアクティブにするのが主な運用で、下の効果はたまにしか使わないと考えてよさそう。
最速プレイでもリーダーが5000で1回追撃、本体も5/6000と十分なスタッツで次のターンから自身も攻撃に参加。ゲーム後半はリーダーを7000以上にして起こすと常に役割があり優秀です。

・《ドン・クリーク》
前述のジャンゴでアクティブにすると、ダブルアタックの2回攻撃。
あっという間に相手のライフを0まで持っていきかねないコンボです。
生き残ったら大変なことになる東の海のフィニッシャー。

・《杓子》
条件をゆるくしたクロのリーダー効果。
リーダー効果はキャラを2枚レストする必要がありますがこちらは1枚でOK。
2枚がめておけば、リーダー9000×3回の突然のリーサルもあるかもしれません。ちなみに今はいませんが、キャラのクロも対象で今後にも期待。

・《アルビダ》
東の海で1コスト。クロのリーダー効果や杓子のコストとしての採用です。
ついでに除去されると泣くので、ドンが余っても場に出さないように注意。

■プレイ指針
・アグロ寄りのミッドレンジデッキです。ガンガン相手のライフを攻めましょう。ジャンケン勝ったら先攻選択。

・コスト5以上のキャラにバトル以外で触れないのに、パワーの最高値は《ドン・クリーク》の7000。普通に考えて後半は盤面勝負で負けます。

・いつかは盤面がキレイに掃除されるであろうことは目に見えている。だからこそ、それまでに相手リーダーのライフを削り、後半は盤面無視でリーダーに連続攻撃をしかけて切り刻みましょう。「百計のクロ」なんて異名はありますが、最後は本人の力でゴリ押しです。

■弱点
①5コスト以上のキャラを効果で倒す手段がなく、単純にパワーで負ける相手が厳しい。最たるもので「8キッドどうするんだ問題」があるのですが心配ありません。全員《炎帝》で焼き払えばいいだけですね。
そう、環境にエースがいるから実質弱点に目をつむれます。
裏を返せば、自身のデッキパワーだけでは足りていない感は否めません。

デッキパワーが《ジャンゴ》《ドン・クリーク》《杓子》に集中しすぎており、単純に動きの再現性が低いです。《ナミ》以外のサーチ手段がないので、どうにもならない偏りがまぁまぁ発生しそう。

■余談
リーダー効果の「自分のキャラ2枚と相手のキャラをレストにして、アクティブになる」は、敵味方関係なく巻き込み無差別に連続攻撃を仕掛ける原作「杓子」の再現だと思います。
しかもそのコストが東の海限定。つまり「強い奴らは杓子ごときに巻き込まれることがない」って感じにも読み取れて、原作再現度高すぎな。


■ナミ

3人目は「泥棒猫」ナミさん。まさかの特殊勝利デッキで参戦。

https://mokeymokey.com

■強さ予想
C

■考え方
・ゲームスタート時点でデッキは40枚。
第二弾までのワンピカードの速度感を考えると、大体6〜7ターンで決着します。とすると、ターン開始時にドローできるのは先攻で5〜6枚といったところか。

・ライフからのドローと、手札込みで合計16枚の手札があるとして、うち6枚くらいは普通にカウンターとして切りそうなので、大体10枚のカード効果で35枚削れば勝てるはず。平均3.5枚…ちょっと無謀ですね。

・勝つためには「7枚山札を削る効果持ちのアタック」を通す必要があります。2回通れば14枚減って残り21。これでも残ったカードで掘り切れるかどうか。3回通れば残り14。3回通せば流石に勝ちなので、理想はここを目指すデッキになりそうです。

■キーカード
・《ゼフ》/《ベルメール》/《ウソップ》
このカードたちの共通効果「アタックが通ると、デッキの上から7枚をトラッシュに置いてもよい」を何回通せるかがこのデッキの鍵です。
基本的に相手視点では「通してなるものか」なアタックなので、しっかり7000にして手札を削っていきたい。そうすればいつか後続が通ります。

・《そげキング》
時間稼ぎの王。デッキを2枚減らすだけでなく、嵩張ったイベントカードを捨てて手札を整える役割もあります。

・《カヤ》
《ゼフ》や《超過鞭糸オーバーヒート》で何度も使い回すことで効率的にデッキが掘れる。また、大量に投入されているイベントカードを適宜捨てることで手札のバランスを整える役割も大きく、そげキングとカヤのリフレッシュ込みのデッキ構築です。
いかにカヤに働いてもらうかが重要なデッキですね。ウソップがブチ切れてカチコミ案件。

・《ノジコ》
時間稼ぎに意味があるデッキなので当然強力。これもカヤ同様に使い回したいカード筆頭です。

・《サンジのピラフ》
無条件2ドローは手札が増えるだけでなくこのデッキにとって勝利に近づく行為。とはいえ3ドンを使っている余裕があるかは微妙で、トリガーに無限に埋まっていて欲しいカードです。

・《ウソ――ップ輪ごーむっ!!!》
普通に使うと「2000カウンターに1ドン多めに払うとデッキが1枚減る」とかなりしょっぱい。これもトリガーに無限に埋まっていて欲しいカードです。トリガー効果はデッキが2枚減るのでガンガン使っていきたい。
『ウソ――ップ輪ごーむっ!!!』と宣言してゲームに勝つと芸術点が1億点貰えます。

■プレイ指針
ジャンケン勝ったら先攻選択。《ゼフ》と《そげキング》でしっかり面を強くするためです。

絶対にリーダー5000で相手リーダーをアタックしないでください。やっていいのは通ったら勝つほど山減ってるときだけ。約束です。

・アタックをリーダーに向けていいのは《ウソップ》、《ベルメール》さん、オーナー《ゼフ》だけ。つまり7枚山札を削る効果を持ったカード以外でリーダーをアタックしないでください。

・3回アタックが通れば21枚落としで大体勝てるので、残ったライフ2点は放置したままで良い。それ以上は相手に手札を与えたりトリガーを踏むリスクが増えるだけ。意味ないどころかやらない方がいいです。

■弱点
①相手の盤面に対処しようとすると、リーダーに7枚落としアタックを仕掛ける余裕がなくなる。そうこうしているうちに自分のライフも減ってくる。「自分のデッキも削る」「相手の攻めを捌く」両方やらなくっちゃあならないってのが…無理なんだわ。

リーダー白ひげ。勝手にライフを0にされるので、アタックを通してデッキの枚数を減らすことができません。こればかりは普通にリーダーを殴っていくしかないのですが、それだとナミの長所は何も残りません。流石に長所が潰れたデッキに負ける白ひげなわけもなく…無理なんだわ。


■アイスバーグ

4人目はこの方。「アタックができない」という強い制約と誓約を持つアイスバーグさんです。平和主義の彼に手を出そうものなら、屈強な男たちが(コストを踏み倒し)大挙して押し寄せてきます。

ここから先は

6,787字 / 5画像

¥ 380

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?