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コーヒー知識

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珈琲豆を挽く時に粉が飛び散るのをどうにかしたい!!

珈琲豆を挽く時に粉が飛び散るのをどうにかしたい!!

珈琲は僕の人生の井上です。

珈琲豆を挽く時に粉が飛び散るのをどうにかしたい!!

そんなお声をよく耳にします。
粉が飛び散らず、周りを汚さずスムーズに
珈琲豆を挽く方法をご紹介します。

粉が飛び散る原因は「静電気」です。
特に乾燥しやすい冬は静電気が強く、
かなり飛び散ります。

この静電気を抑えることが対策になります。

具体的には、

「挽く前に水で濡らした箸で豆をかき混ぜる」
「挽く前に

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珈琲の起源

珈琲の起源

カフワという飲み物

エチオピアやイエメンで、スーフィーというイスラム教の修行者たちの間で広まった「カフワ」という飲み物がありました。
スーフィーとは宗派や地域を越えて活動した神秘主義者たちで、修行中にトランス状態に入ることで神の精神に近づけると信じていたため、アヘンや大麻などドラッグも使用してました。

カフワはもともとエチオピアで活動するスーフィーたちが使用してたドラッグで「欲求を消す物」とい

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珈琲になるまでの珈琲

珈琲になるまでの珈琲

コーヒーノキを初めて利用したのはエチオピア西南部の人々だと考えられてます。エチオピアの西南部では「カリ」「ティコ」など部族ごとに珈琲を意味する言葉があります。
種子や葉をお茶にして飲んだり、果肉を炒めて食べたり、薬にしたりとさまざまです。
いつ頃からかは不明ですが、かなり昔から珈琲をいろんな方法で利用していたようです。
珈琲について書かれた最古の文献は925年の「医学集成」だと言われてます。この本

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珈琲の品種

珈琲の品種

珈琲の品種は大きくはアラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種に分けられます。
簡単にいうと、ほとんどがアラビカ種で、カネフォラ種はインスタント珈琲に使われ、リベリカ種はほとんど使われてません。
多くの珈琲に使われるアラビカ種の中でもさらに品種があります。今回はそれらの品種をまとめてみました。

○エチオピアグループ

・エチオピア野生種、半野生種
品種化されておらず、遺伝的に多様。

・ゲイシャ
めち

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いろんな珈琲豆の形

いろんな珈琲豆の形

珈琲の果実には通常2つ種子が入ってますが、例外もあります。

○ピーベリー
ピーベリーは果実の中に種子が1つだけ入っているものです。通常種子は平たいですが、丸いです。
これは種子が成長する過程で、片方の種子が死んでしまった時にできます。残った1つの種子が果実の形に沿って成長するので丸くなります。
この丸い豆をピーベリーと言います。ピーベリーは枝の先など栄養が不足している所で発生します。栄養不足の豆

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珈琲の果実ができるまで

珈琲の果実ができるまで

珈琲の花の寿命はアラビカ種は3日、カネフォラ種は6日程度です。その間に受粉に成功すると花筒やめしべが落ちて先端が少し膨らんだ花軸だけが残ります。

受粉後、最初の2ヶ月はこの状態のままですが、少しずつ先端の子房が膨らんで3ヶ月目には緑色の果実らしき形がでてきます。まだこの段階では中の生豆は未発達で、液状の周乳で満たされてます。周乳は将来シルバースキンになるものです。

3、4ヶ月目になると、それぞ

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珈琲の受粉

珈琲の受粉

雨で目覚めたつぼみの中ではおしべも成熟して開花と同時に花粉が放出されます。この花粉が風にのり、運ばれます。100m以上も飛びます。
めしべの先端に付着した花粉から花粉管が伸び、めしべの付け根に向かっていきます。この時アラビカ種以外では、花粉の遺伝子型とめしべの遺伝子型が一致すると花粉管が途中で停止します。つまり、自家受粉しないということです。
しかし、アラビカ種は自家受粉するため、同じ木の花同士や

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珈琲の花

珈琲の花

珈琲農園の多くは熱帯から亜熱帯の高地にあります。年間を通して気温が15℃〜25℃の暑くも寒くもない所が理想です。何となく珈琲栽培は赤道近くで行いますしすごく暑いところをイメージしますが、高地なので朝晩は寒かったりします。

また、雨季と乾季の2シーズンの所が多いです。
珈琲の花芽は季節を問わずに成長を始めますが、乾季にできた花芽は4〜6mmまで成長し一旦休眠します。そして雨季に入って雨を浴びると目

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珈琲は収穫量が多い年と少ない年を繰り返す??

珈琲は収穫量が多い年と少ない年を繰り返す??

珈琲の木の葉は2枚1組で枝につきます。この葉がついている部分を節と呼びます。
2枚の葉のそれぞれの付け根を葉腋(ようえき)と呼び、ここに腋芽(えきが)と呼ばれる枝や花の元になる芽がつきます。
珈琲の木の腋芽は1つの葉腋の先に5〜7個ずつ並んでつきます。その中で1番枝先に近い先頭のひとつだけはもとの枝と直交して伸びる枝(側枝)の元になります。先頭以外の腋芽は花芽、もしくは直立枝という上に向かって伸び

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珈琲の木とカフェイン

珈琲の木とカフェイン

珈琲の木の新芽にはカフェインが高濃度で含まれており、葉が成長するにつれて減ってきます。
珈琲の木の葉から作ったお茶は珈琲よりカフェインが少ないです。
珈琲の木で最もカフェインが多いのは種子、つまりコーヒー豆の部分です。
カフェインには他の植物の生育を阻害する作用があり、地面に落ちた種子から溶け出して周りに広がることで近くの植物を抑えて自分だけが上手く成長できるようにしてます。

また、新芽にカフェ

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珈琲の木の葉っぱ

珈琲の木の葉っぱ

珈琲の木の葉は先端が少し尖った楕円形です。表側は濃い緑でクチクラ層が発達しており、丈夫で光沢があります。クチクラ層とは葉の表面を覆う層です。水の蒸発を防いだり、葉を保護する役割があります。
クチクラ層の発達は照葉樹の特徴で、強すぎる日差しを反射して遮る役割を持ちます。
葉の裏側には隆起した葉脈があります。葉脈の枝分かれする部分は少し膨らんでおり、ダニ室と呼ばれるダニや微生物がすむ空間があります。無

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コーヒー豆は豆じゃない

コーヒー豆は豆じゃない

コーヒー豆と呼ばれますがコーヒー豆は豆ではありません。
大豆やあずきなどのマメ科植物の種子は、胚乳が消失している無胚乳種子です。
一方でコーヒー豆は、種子の大部分が胚乳で構成されている有胚乳種子です。有胚乳種子を食用に利用する例は、米、小麦、とうもろこしなどです。
コーヒー豆はいわゆる豆と呼ばれるものの仲間ではありません。

原生林で育つ珈琲

原生林で育つ珈琲

野生のアラビカ種はエチオピアの原生林にいます。
果実を採取する時に周りの草木を刈るなどの人の手が完全に加わっていない完全なる野生をフォレストコーヒーと呼び、少し加わってるものをセミフォレストコーヒーと呼びます。なのでエチオピアの珈琲の品種はよく「エチオピア野生種」「エチオピア半野生種」と記述されます。
また、エチオピアのハラー地方のジェルジェルツー村には高さ8mの樹齢100年以上の古木があります。

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アラビカ種の起源

アラビカ種の起源

アラビカ種が持つ44本の染色体のうち、22本がカネフォラ種、残りの22本がユーゲニオイデス種のものに近いことが分かってます。ユーゲニオイデス種はタンザニアに自生する種で、自家受粉は不能です。現地では珈琲として飲むこともあるそうです。また、カフェインが少ないことから低カフェイン品種の開発のために注目されてます。

また、母親のみから受け継がれる葉緑体とミトコンドリアのDNAを遺伝子解析すると、アラビ

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