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コミュニティの良さを営業が理解出来ない理由が分かった気がするので書いてみる

皆様の会社にはコミュニティを運営している組織はありますでしょうか。メーカーに勤めている方は割と古くからユーザー会という名前で存在していたりするので知っているかもしれませんが、実際に利用してもらっているユーザーさんとのコミュニケーションを行うことを主体として活動頂いている組織です。

厳密にはコミュニティとユーザー会は異なりますが、今回は広義の意味で、「自社サービスのユーザーさんとのコミュニケーションを行うことを主体として活動」という定義でコミュニティと呼ぶことにします。

私は営業という職種で現在働いていて、コミュニティという存在がとても好きですし、どの角度から捉えても幸せになれる活動な気がしているのですが、コミュニティを運営している人からは「営業から理解が得られない」と悩んでいると聞くことが多くあります。

またユーザーさんからはたまに「営業さんがコミュニティに入ってくると少し嫌だなと思うときがある」と言われることもあります。押し売りされるような気持ちになるんですかね・・笑

今日はコミュニティと営業の捉え方や考え方の何が違うのかということを少し書いていきたいと思います。

コミュニティナーシングって知ってますか?

この話を書こうと思った理由にコミュニティナースという人たちの存在を知ったことが非常に大きかったので、まずはその話からしていきたいと思います。

コミュニティナースとは何かというと少し文章で説明するのは難しいのですが、運営会社の紹介ページから抜粋するとこんな感じです。

わたしたちは、コミュニティナースという社会実験を通じて、地域の声・みんなのアイデアが形になり、健康で幸せな人があふれていくそんな未来を信じています。

・ヒトとコトをつなぎ、まちを元気にする

 暮らしの身近な存在として『毎日の嬉しいや楽しい』を地域の人とともにつくり、役割や立場を越えたつながりを育みます。

地域の人の力を引き出し、まちの可能性をひろげる
 自由で多様なケアを通じて地域の人の可能性や、やりたいことを引き出し、コミュニティナーシングの担い手として、まちの可能性をひろげます。

地域に必要な機能をつくる
 実践を進める中で多様な専門性を持つ仲間と、暮らしの身近なところで必要な機能をつくります。

コミュニティナースとは?

少しイメージしにくいですよね。一旦私の理解で一言で言うと「福祉や地域に必要なことをコミュニティの中で解決している人たち」ということです。

通常生きていて福祉のサービス、つまりは子育てに関することだったり介護だったりを困ったり、相談したりする先は公的機関であったり、病院だったりしますよね。あるいはベビーシッターさんや訪問介護などのサービスを提供している民間企業に頼るケースもあると思います。

これは既に私たちは慣れてしまっているので気が付かないですが、困りごと = 課題があった時の解決を委ねるのは「市場経済」であって、お金というツールを換えして、サービスを受けています。公的機関の場合は税金と再分配なので、こちらもお金というツールを換えしていると理解できます。

つまり私たちは今サービスを受けるのには全部お金で解決するっていう状態になってるのがだいぶ普通になっているんですね。

でもコミュニティナースの人たちは違うんです。福祉や地域の困りごとがあったらコミュニティの中で解決していく。つまりは課題に対して解決するのに発生しているのはお金では無いという世界なんです。

今回はこの点は詳しく話さないので、とても参考になった動画があったのでシェアしておきます。気になる方は見てみてください。

コミュニティの課題解決は相互扶助

さて、話を冒頭に戻しますと、コミュニティは色々な種類でやられていると思いますが、基本的に「課題解決は相互扶助」で成り立っていると思います。

誰かが困っていたら、自分が持っている知識や経験を持ち寄って、解決策を導いてあげる。すぐに手を差し伸べてあげることが出来る。

私もnestというコミュニティに少し関わらせて頂いて、それを浴びるくらい感じるんです。

皆さん自分の本業があるのにも関わらず、コミュニティの人たちのために時間を使い、また使ってもらい、自分の成長や課題解決につなげていく。

これはコミュニティナースの話と同じで、市場経済の外側で、サービスを受けるのにお金が必要ない世界で、動いている話だということなんです。

営業は市場経済を前提に考えている

営業はどう働いているかというと当然ですが、市場経済に向かって働いていますよね。

先ほど紹介した動画内で語られていた、NewsPicksパブリッシング編集長 井上さんの言葉を借りると「僕らは基本的にアウトソーシングとか等価交換みたいな市場原理のベースとなる考え方になりすぎてて、そこで誰かが願い、それを提供するっていう普通に言うとお金がかかること、あるいは何かしてあげた側がしてもらった側が申し訳なく思わなく思う負債感を得ること」と表現している通り、give and takeのtakeはお金またはそれに準ずる何かと考えると思います。

無償の愛は難しいってやつですね。まぁビジネス社会なのでそれが正義です。

そして市場経済が悪いわけでも無く、いい面もたくさんあると思いますし、経済成長することによって得られてきているものも大きいです。なので良し悪しというよりは、見ている方向性が違うということを正しく理解しておく必要があるんじゃないかなと思います。

コミュニティの人たちも市場経済と行き来する

コミュニティと営業では課題解決に対してのアプローチ方法が違うということが、営業側から見て、コミュニティをよく理解できない。または市場経済の外側にいて、なんの役に立つか分からないと思うのは当然かもしれません。

相互扶助して課題を解決出来たとしても、お金(営業成績)に繋がらなければ、少なくとも自分にとっては価値が無いと捉える人も多いのかもしれません。

でもコミュニティの中にいる人たちも基本的には市場経済側と行き来しています。メインのミッションになれば、ITツールを使って課題解決する際にはツールの利用料金がかかりますし、やれることが増えて課題解決の幅が広がればライセンスを追加しないといけないです。

ツールを使って、課題を解決するには

  • ツールの使い方

  • ツールの提供方法の理解

  • ツールの限界の理解

  • ツールの外側(カルチャー変革)へのチャレンジ

などなど幅広く行わないといけないです。自分がどこで困っているのか分からなかったり、箇所は特定できるけど、スキルが足りなかったりする際に、メーカーやコンサルタントにお願いをすると、市場経済に基づいて、お金が間に挟まります。

だからそこを救えるコミュニティがある。相互扶助で課題を解決する道を作っていきます。でもその先にはメーカーやコンサルタントの力が必要になる場面が必ずあります。

それはコミュニティナースと同じで、病院に全く頼らずに福祉が完結しないというのは想像に難しく無いでしょう。

なので、相互扶助で課題を解決する世界があって「病院にいくほどでもないんだけど・・」とか「元気だけど、楽しくないんだよね・・」みたいなことを解決して、社会的な健康やウェルビーイングに寄与しているのと同じく

企業が行っているコミュニティという活動は間を埋めてくれる素敵な活動だと理解出来ると嬉しいなと私は思います。

最後に

私自身もコミュニティが好きで、一緒に活動することも多かったんですが、なぜ他の営業さんはあんまり積極的にならないんだろうと思っていました。

コミュニティナースの話を目にしたことがキッカケですが、少し体系的に理解が出来たんじゃないかなと思っています。

市場経済の外側にある相互扶助で実現する課題解決方法。
その理解があれば、コミュニティに対する理解も深まるのではないでしょうか。

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