【3.2】 考えやメッセージをテストする(Test your perspective and message)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。(サイトにある日本語対訳に句読点等をつけ、読みやすいように、一部、接尾語や接続語などを足し、加工したものです)
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/32.html

■翻訳メモ
前回の動画で重要だと語ったのはリーダーと目標に対する信頼を獲得することです。信頼を築いてから組織の経営体制を大きく変えていくのです。つまり実際に取りかかる前の段階があるわけです。それは信頼を築いていく期間です。リーダー自身にも同じ作業が必要です。どれくらい自分のことを信頼しているかという変革のリーダーになる自分への信頼です。この変革に関してどれほど自分を信頼している?というのは、いい問いかけです。どれくらい自分は完璧な確信を持って準備ができた状態でメンバーを新しい世界に誘っている?どれくらい確信が足りていない?それらは心から正直に考えることが大切です。もしかしたら変革の動機は単にカッコいいとか新しいとか認められたいだけだったりなど、動機が強くないのかもしれないからです。初回の動画で語ったようにそれは動機として不十分で、動機は深く根ざす必要があります。深く根ざす動機があったとしても状況が厳しくなると昔のやり方に戻りそうなら確信が足りないのかもしれません。それは構いませんが自分の心は把握しましょう。

以前の動画でも言及したトスカーナという企業はフランスでコーチやファシリテーターとして変革に向かう組織の“同行者”を務めています。リーダーから変革の準備ができたと言われてもトスカーナはCEOにこう返すことが多いそうです。“もう少し話しましょう”、“まだ準備が足りていないようです”。それから深い対話を続けることで彼らが言う“トグルスイッチ”のようにリーダーの中の何かが切り替わって確信ある態度に変わります。そうなると変革の呼びかけも力強くなる。だからリーダーにも熟成期間が必要です。信頼してもらうだけでなく自分を信頼するための期間です。

その方法とは?もちろん方法のひとつは深い会話の場を作ってくれるコーチと取り組むことです。

もうひとつの方法としてはシンプルに新しい組織の考え方を伝えてみることです。メッセージをテストするのです。たとえば組織の上層にいる年長者が下の人を見下していたらそういう態度は許容できないと声を上げて伝えるのです。あるいはメンバーが助言をもらわずに意思決定を下していたら介入します。それは助言プロセスの導入前であってもです。リーダーに頼らず自主的な決断を促したりおかしいと感じることを伝えてもいいでしょう。“98パーセントの人は信頼できるのに”、“2パーセントのために規則を作るのはおかしい”。このように伝えてテストすることでメンバーたちの抵抗や考え方を肌で感じることができます。変革の難易度が分かるうえ、語ることで動機も深まります。動機がもっと深まっていく、なのでシンプルかつ効果的な助言だと思います。

考えやメッセージを共有し反応をテストしてみます。ある段階になると自信を持って大々的に呼びかけられるでしょう。そして変革を始めるのです。

3つ目のアドバイスとしては他の組織の経験をたくさん読むことです。見学もいいですが読むことも役に立ちます。良い本はたくさんあります。変革を経験した組織に関する本は『ティール組織』の参考文献で紹介しています。他の組織やリーダーの物語を数多く読むことによって、これからの体験を先取りし、素晴らしい成果を知れるので、自分にも自信が生まれてきます。ぜひ自分で点検してみましょう。自分を信頼している?準備はできている?100パーセントでなくてもそれに近い準備はできている?できてなければコーチと共に取り組んだり、考えやメッセージをテストして読書に励みましょう。ご覧の通りこの動画シリーズは課金制ではありません。ギフトエコノミーの活動でつくられているからです。仕組みはこうです。私は時間やエネルギーやアイデアを注いで動画を贈る。観た人は気持ちに応じた何かを贈り返す。どうかこの取り組みへの支援として贈りものをご一考ください。

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。