【3.6】 最初のフォロワーたちを巻き込む(Engaging a group of first followers)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。(サイトにある日本語対訳に句読点等をつけ、読みやすいように、一部、接尾語や接続語などを足し、加工したものです)
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/36.html

■翻訳メモ
小さな組織のリーダーなら組織全体を引き込むのは比較的簡単です。ミーティングで全員を部屋に集めてビジョンを語り変革へと誘えばいい。しかし千人や1万人規模の大きな組織だと簡単ではありません。大組織を変革したリーダーたちを振り返ると最初のフォロワー・グループを迅速に作っていました。初期の賛同者たちです。この動画は“呼びかけの力”という題も考えました。効果の大きさを知っているからです。リーダーが社員に対し力強く呼びかける効果です。心の底から呼びかけて、変革が自分にとって重要な理由を伝え、実現には協力が必要だと語るのです。変革には皆の力が必要だと伝える。最初のフォロワーを得ることは、とても効果的なだけでなく決定的に重要です。彼らが定期的に集まることで活動が周りの目に見え継続性も生まれます。最初のフォロワーが重要なのはリスクをとってシステムの限界を超えるとき、仲間の協力を得ようとするからです。さらに各部門から集まることで、組織全体が変わっていきます。特定分野だけで試していたらそれは不可能です。それからまたこうしたフォロワー・グループは変革を呼びかけるリーダーを支援してくれます。変革には抵抗がつきものです。初めのうちは経営陣や他のメンバーから理解されない可能性もあるので、理解し賛同してくれる人がいることで、リーダーはバッテリーを充電し
方向性の正しさを確認できます。

そんなグループを得る方法は2つあります。当然ですが1つ目は全体に向けて呼びかけをして賛同してくれた人が最初の支持者となります。しかしこの方法は機能しないことも多いようです。実践した人たちによれば、集まるのは真のフォロワーとは限らなかったそうです。“CEOが熱心に呼びかけてるから行かなきゃ”と、社内政治で来る人も多かった。結局真のフォロワーはいないという状況になってしまう。多くの組織は2つ目の方法として
何人かのメンバーへの呼びかけから始めていました。協力してくれそうな人に呼びかけるのです。もちろん簡単なことではありません。予想に反して非協力的な人や逆に予想外の人が最大の支持者になったりします。最初に集まったあとでグループに相談し、次に誘う人を決め呼びかけてもらいましょう。そして当然のことながら最初のミーティングの進め方は
きわめて重要です。グループの雰囲気や使命を決定づける場だからです。よく準備しファシリテーターを呼んでもいいでしょう。まずは個人的なストーリーや動機を語るのです。この点については動画で何度も紹介してきました。1-2の動画が良い例です。心からの言葉で伝えれば相手にも響くでしょう。それ以外にも社員を小グループに分け、呼びかけへの感想を語らせ、不満や要望を共有することで、当事者意識を持たせる方法もあります。

もっと根本的な手段としては、現在の経営システムに潜む暗黙の前提について語り、新しい考え方を伝えてもいい。別の動画でじっくり語るのでここでは深く立ち入りません。あるいは、実際に改革案を考えてもらってもいい。そして“私はみなさんの案を守り変革をサポートしていく” と伝えるのです。もちろん全部は守れないと伝えましょう。新たな道を進む際は限界にも行き当たります。簡単でないこともあります。だからこそ楽しい冒険なのです。リーダーはメンバーを守ると同時に、自分がいない時であっても、変革を実践するよう促しましょう。最初のフォロワーを得るもう1つの方法はグループが自発的に変革へ向けて組織化していく形です。そのグループに任せてリーダーは関わる頻度や方法を相談し、ファシリテーターや他の協力が必要か聞きましょう。自己組織化していく権限を与え、リーダーは参加もできますが基本的には任せるのです。その呼びかけはとても効果的です。自己組織化チームに参加した人は驚くのです。この組織に変革が必要だと感じているのは自分だけかと思っていたら、他にも同じ思いの人がいて真剣に話し合えるのは、とても大きなエネルギーになります。

次のことに気づいて力がみなぎるのです。これまで自分が密かに願っていたことや、自分では思いつきもしなかった面白そうなことが、実現可能なばかりか実現を推奨されており
組織の存在目的にも見合っている。

私からの提案です。大組織を率いるなら最初のフォロワー・グループをつくり変革の原動力にしましょう。

■翻訳メモの全体の目次
https://note.mu/enflow/n/n51b86f9d3e39?magazine_key=m3eeb37d63ed1

最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。