部屋朝暑い暑い埃春春春春

朝起きると変なことをしたくなって、これを書いている。誰も読んでないからできること。人と会うと疲れ果てて永遠に眠ってしまう。また私に会えた、また疲労感を背負って生活をする。暑い。暑い暑い。君の、手を加えていない美しさは、太陽を浴びてより強い光を反射させる。まるでそれが正解みたいに、意図せず偶然に美しすぎるから、それが正解になる。でも太陽を味方につけて、これ以上ないものを味方にしてしまったから、君はこれから右肩上がりになることない不幸な将来を知らぬ間に背負っているに違いなくて、そう信じたくて、そんなことを考えながら私は春の暑さに耐えている。世界で1番暑い部屋は間違いなくここだ。起き上がり、春になって可視化した部屋の埃たちをこの鼻で吸い込むことで、私は徐々に慣れていく。春に。この恐い世界に。この恐怖の世界でまともに、規則正しい息をして生きていくために、こちら側が恐怖を背負って生きないといけないとはなんと本末転倒な、私はなんと滑稽な被害者だろう。なんの擬音語も似合わない無音の朝。私こそがこの部屋の朝に似つかわしい者にならなければ、誰が成ることができるだろうか。今日初めての音はなんだろうと期待して待つこの時間が、真っ白な感性が私はかなり好きだ。この時間こそが本当の私なのではないかとも思えてくる。私は本も、音楽も、映画も、会話という手段さえなにも知らない。それらは全部歪なカテゴライズで今日の私に迫り来る。区切りに区切られたこの世界、土地、区域で生きることを一刻一刻と強要してくる。これが未知の恐怖でないのなら、なにが恐怖なのだろう。吸い込んだ部屋の埃の量と同じくらい、今私は、今日に適応した。このままで、どこまで今日に慣れるだろう。このままで、どこまでわたしに成れるだろう。

なんて有りがちなことを言ってみて、嗚呼。この声は、電車で脈絡ない言葉を叫び続けるおじさんの声と同じだ。言葉とは、言葉の自由とは、本来あれだ、あのおっさんの声だ。あのおっさんの声こそが、聴いたことないハトの鳴き声なのだ。
脈絡のないもの同士に脈を、一筋の線を付けていくことこそが、区切られた恐怖の世界を私で生きていくための、唯一の方法なのだ。

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