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RPAを使って寄付金受領証明書発行業務の最適化

寄付金受領証明書の発行ってかなり面倒ですよね。早く電子化されて欲しい…
そんなこと言ってもどうしようもないので、今回は寄付金受領証明書の発行について検討していきます。

ちなみに、2月24日(木)19時からNPO業務ハック勉強会で「RPAについての勉強会」を開催する予定です。


寄付金受領証明書発行の選択肢

寄付金受領証明書を発行する選択肢として以下が考えられます。

  1. 寄付金管理専用ソフトに付属した機能を用いる

  2. データベースソフトにオプションで帳票発行機能を付ける

  3. RPAで実装する

  4. マクロで実装する

  5. 差し込み印刷で実装する

  6. 手書きや、Excelを用いた手動発行

それぞれメリデメありますが、 RPA の操作を覚えることで他の業務改善もできるので、今回は 3 の RPA を使った一時的な業務改善を紹介していきます。


業務の完成イメージ

Excelに寄付金を管理しているデータベースから出力したCSVデータを貼り付け、それを寄付金受領証明書のFMTに貼り付けて印刷する形をとっていきます。

サンプル(情報はすべてダミーです)

ちなみに、これから寄付金受領証明書を発行する場合は、以下のサイトにちゃんとしたサンプルが掲載されているのでご確認ください。

https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/kifu_kifuzyuryou_kisaipoint.pdf


Power Automate Desktopを用いて実装

今回はWindows11から標準搭載されたPDAを用いて実装していきます。
PDAのインストールはこちらから


機械が操作できるように整理する

当然ですが人間が操作するわけではないので、わかりやすいように業務手順を整理する必要があります。

今回は以下のような手順にしたいと思います。

  1. 作業ファイルを開く

  2. データシートの範囲を取得する

  3. データシートのNoの値を上から順に、行数分繰り返す

    1. テンプレートのNoに入力する

    2. PDFで保存する


PDAの実装(1)作業ファイルを開く

今回はシンプルなフローなので、サブフローは使わないでひとつのフローにまとめてしまおうと思います。

作業ファイルを選択できた方が良いので、以下の方法を参考に「ファイルの選択ダイアログを表示」でファイルを選択できるようにしましょう。


PDAの実装(2)データシートの範囲を取得する

次にデータシートの範囲を取得していきます。
データシートの範囲を取得するには、以下の工程が必要になります。

  1. シート名を選択する

  2. 最終列と最終行を取得する

  3. 範囲を取得する

それぞれ実装内容を画像に貼り付けます。

シート名を選択する
最終列と最終行を取得する
範囲を取得する


PDAの実装(3)データシートのNoの値を上から順に、行数分繰り返す

PDAの繰り返しは「For each」で行います。
先ほど取得した「datasheet」の行数だけ実行します。

PDAの実装(4)Excelでの処理

今回はNoを変更することで寄付金受領証明書の内容が動的に変わるように数式を組んであります。RPAでそれぞれ自動入力させても良いですが、Excelで容易に実現できることはExcelに任せています。

そのあとはショートカットキーを駆使して操作を実行していきます。

  1. 「印刷(Ctrl + P)」を送信する

  2. 印刷画面が表示されるまで待機する(時間は要調整)

  3. デフォルトで印刷ボタンにカーソルがあたっているので、「Enterキー」を送信する。

  4. エクスプローラーが起動するので、ファイルの名前を入力する

  5. クリップボードに「フォルダのパス」を記憶させる

  6. 保存先のフォルダに移動し、保存する

今回はPDF保存していますが、直接プリンターに送信するのもありだと思います。
しかしながら、プリント待ちが増えたり、処理待ちの時間も増えてしまうのでいったんPDF保存することを選択しました。

実行画面

※利用している個人情報は疑似データです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
RPAを活用すればこういった形で業務を自動化することができます。お昼休み中にパソコンにやっておいてもらうとかもありですよね。

今回はExcel操作まででしたが、次回はこの事後処理として出力したPDFをひとつのファイルにまとめるところまでを紹介していきます。
Excelだけではなく、複数のアプリケーションの処理ができるのがRPAの強みだと思いますのでぜひご覧になっていただけると嬉しいです。


【参考】マクロを使わないの?

マクロを使っても同様のことができます。以下の観点からマクロではなくPDAを選択しました。

  • そこまで難しいことをしない

  • 感覚的にRPAより学習コストが高い

  • Excelでしか利用できないため汎用性が低い

特にRPAを使えば、複数アプリ間の操作を自動化できたり、Excel以外でも同じようなことができたりします。
上記背景から今回の勉強会ではRPAを用いた実装をしました。

ちなみに、差し込み印刷を使わないのはExcel・Wordの組み合わせしか使えないことが理由です。


【参考】RPAを禁止しているサービスがあるので気を付けましょう。


【参考】本当はExcel上でまとめたかった

本当は以下の動画のように、印刷用シートに貼り付けて一括でPDFに出力したかったです。

しかしながら、改ページの挿入や、印鑑画像の調整が面倒そうだったので今回のフローに方針変更しました。

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