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業務改善とセキュリティ対策の両立

おはようございます、いつきです。

組織運営上どうしても非公開にしないといけないやり取りや情報資産があると思います。業務効率化をする上で、それが弊害になってしまうことも少なくはありません。

今回は情シスの目線で、その話題について話していこうと思います。

情報を不必要に公開するのは危険

情報資産の保護は、情シスの主要な任務の1つです。
情報を不必要に公開してしまうと、情報資産の保護が脅かされる可能性があります。具体的な例を挙げて説明します。

例えば、企業の経理部門が財務データを公開してしまった場合を考えてみましょう。この場合、以下のようなリスクが生じます。

  1. 機密性の喪失: 財務データは機密性の高い情報であり、不正なアクセスや漏洩を防ぐために適切な制御が必要です。しかし、不必要にこれらのデータを公開すると、機密性が失われ、情報への不正アクセスや競合他社への情報漏洩のリスクが高まります。

  2. 競争上の不利: 公開された財務データには企業の業績や戦略が反映されています。競合他社がこれらの情報を入手すれば、企業の強みや弱みを把握し、競争上の優位性を得ることができます。これは企業にとって大きな損失となります。

  3. 法的コンプライアンスの問題: 特定の業界や地域では、財務データの公開に関する法的規制が存在します。これらの規制に違反することは企業にとって法的な問題を引き起こす可能性があります。

  4. 信頼性の低下: 情報が不必要に公開されると、ステークホルダーや顧客、取引先から企業の信頼性が低下する可能性があります。特に機密性の高い情報が漏洩した場合、企業の信用や評判に大きな影響を与えることがあります。

以上のように、情報を不必要に公開することは情報資産の保護を脅かす要因となります。情報の公開は慎重に検討され、適切な制御が行われる必要があります。

業務効率化においては、情報は組織内で公開されていることが望ましい

業務の効率化も、情シスの重要な任務の1つです。
業務効率化のためには、非公開の情報資産へのアクセスが必要な場合もあります。

例えば、以下のようなケースが考えられます:

  • Sharepointの非公開領域にファイルがアップロードされた場合、それをTeamsのプライベートチャンネルに通知する。

  • Teamsのプライベートチャンネルでワークフローを実行し、Notionにページを追加する。

しかし、Teamsのプライベートチャンネルではワークフローの手動実行ができません。このように、外部システムからは非公開領域になるため、アクセスできなかったり、アクセスするために特別な設定が必要になることがあります。

業務効率化の観点では、非公開領域が増えると、業務効率化に悪影響を与える可能性があるため、情報資産はできる限り公開されるべきです。

情報公開のバランスを考える

DX化が進む中、システムの連携によって生まれる価値は理解されています。しかし、情報漏洩のリスクも増加しています。情報をただ非公開にするのではなく、業務改善も考慮しながら業務設計を行うことが重要です。

例えば、新しいテクノロジーやデジタルツールの導入により、業務プロセスが効率化される一方で、情報へのアクセスが増える可能性があります。このような状況では、情報の公開範囲を適切に設定し、機密性の高い情報を保護する対策が求められます。

また、業務改善を図るためには、各部門やチームが情報を共有し、協力して作業することが不可欠です。しかし、情報の共有にはリスクが伴います。例えば、不正なアクセスや情報漏洩が発生する可能性があります。そのため、情報を公開する際には、適切なアクセス制御やセキュリティ対策が必要です。

さらに、業務設計においては、情報公開の必要性とリスクを総合的に考慮することが重要です。特定の情報を公開することで得られる利益と、それに伴うリスクをバランスさせながら、最適な情報公開のポリシーを策定する必要があります。

したがって、情報の公開に関する戦略は、単純な非公開化だけでなく、業務効率化や協業の促進という目標と調和させる必要があります。情報資産の保護と業務の効率化を両立させるためには、情報公開のバランスを適切に考えることが不可欠です。

業務改善とセキュリティ対策の両立を目指して

このようなことを考えながら日々業務改善やツールの選定、セキュリティ対策を行っています。

情シスは多くのチームに関わるが故、多くのステークホルダーの要望を同時に叶える必要があります。しかし、これはかなり高い難易度を伴います。
喜ぶチームもあれば、苦労を強いられるチームも少なくありません。

私は、組織全体がより良くなるよう、さらなる成長を目指して努力していきたいと考えています。

それではまた来週!


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