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−青丹– 恐怖!せんとくん【いろどり旅行記#07奈良県】

共感してくれる方がいるかどうか分からないのだが、ぼくは着ぐるみがちょっと怖い。

着ぐるみの中にもランクがあって、ぬいぐるみ感のあるやつはまだマシだ。
問題なのが、うっすら人間味のあるやつ。

ディズニーランドのきぐ……仲間たちで言うと、
ダッフィーは大丈夫。
ドナルドはセーフで、ミッキーは結構怖い。

ぬいぐるみなのか人間なのか、その存在に多重性を帯びている感じが薄気味悪くて苦手なのだと思う。

そのことを初めて自覚したのが、奈良県に旅行した時だった。

当時、奈良県は平城遷都1300年で盛り上がっていて、せんとくんが一世を風靡していた。


平城京跡に向かう電車に乗っていると、せんとくんがご乗車されていて、お客さんの席を訪ねて握手して周っていた。

やがて彼はぼくの目の前にやってきた。

差し出された茶色いモフモフの手に誘われるがまま、ぼくはせんとくんと握手した。
見た目とは裏腹に、しっかりと人間の手だった。
めちゃくちゃ怖かった。

彼はそのビジュアルで物議を醸すこともあったが、ぼくにとってそんなことは問題ではなかった。
ただただ、その手の見た目と感触が合致していないことが本当に怖かった。


それ以来、着ぐるみとは共演NGを出している。
友達とディズニーランドに行って、着ぐるみと写真を撮るときも、着ぐるみとぼくの間には必ず友達に立ってもらった。

(あっ、着ぐるみって言っちゃった。)


奈良県といえば真っ先に思い出される、恐怖のせんとくん体験でした。

でも、平城京跡も、法隆寺も東大寺も鹿たちも、とってもよかったですよ、奈良県民の皆さん!!!



【青丹】あおに
岩緑青の顔料の色。
「あおによし」は「奈良」にかかる枕詞。



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