−若芽色− あなたは本当のワカメをまだ知らない【いろどり旅行記#06宮城県】
あなたは、本当のワカメを食べたことがありますか?
乾燥わかめを戻したやつしか食べたことがない??
それはいけませんね。
そんなあなたは、この冬〜春、三陸に行きましょう。
ある年の2月、宮城県女川町を訪ねた。
仙台から仙石線の終点石巻まで1時間半、そこからさらに石巻線で終点女川まで30分。
頭端式のホームが旅情をそそる。
2月の東北の冷たい風に吹かれながら女川駅前の商店街を歩いていると、食堂の店先に「わかめうどん」の文字。
冷え切った体は自然にわかめうどんに引き寄せられ、お店に入るなりわかめうどんを発注。
しばらくして、わかめうどんが着弾。
ワカメは、うどんとは別のお皿に添えてあって、「そのままポン酢につけて食べてもおいしいですよ」と店員さん。
言われるがまま、まずはワカメをポン酢につけて口に入れると。
衝撃が走った。
これが……ワカメなのか!?
君がワカメだったのか!
ぼくが今まで食べてきたものは……ワカメじゃなかったということ?
いや、一応ワカメなはずだった。
でも、本当のワカメとは、このことだったんだ!!
ワカメの概念が覆った瞬間である。
「なんか味噌汁にチョロっと入ってるやつ」
「食べ終わったお椀にペラんと一かけ張り付いてるやつ」
……勘違いも甚だしい。
ワカメは偉大なのだ。
その美味しさを形容するのはなんとも難しいけれど、
陸で言えば、新玉ねぎをサラダにして食べた時の喜びや、
もぎたてのとうもろこしにそのままかぶりついた時の喜びに近いかもしれない。
海で言えば、磯の良い香りを濃縮してシャワーで浴びたような快感です。
おそらくぼくの言いたいことの2割くらいしか伝わってないと思うので、とにかく三陸に行ってワカメを食べてみてください。
きっとぼくの気持ちを分かってもらえるはずです。
【若芽色】わかめいろ
植物の若い芽のような色。
ワカメとは関係ないけれど、せっかくなので。(?)
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