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ふと思い立ってマニュアルトランスミッションの話

MT(マニュアルトランスミッション)は、完全にAT(オートマチックトランスミッション)に押されて風前の灯。もともとはそのときにベストなギヤポジションに任意にシフトチェンジできるために、スポーツドライビングなどでは好まれました。

ミッションじゃなくてマニュアルとせめて呼んで欲しいMT

MTをミッション、ATをオートマと言ったりする昨今ですが、MTでもATでも(トランス)ミッションなのは同じだから、せめてMTはマニュアルと呼んで欲しいなあ…などと思いつつマニュアルトランスミッションの話をしてみます。

MTでシフトチェンジとかギヤチェンジと言いますが、この時、あっちとこっちにあるギヤがいちいち動いて変速されるわけではありません。例えば、図の4速MT(古いか…)では、1速から4速までのギヤがすでにギヤボックスの中で組み合わされた状態になっています。

つまりチェンジするといっても、組み合わされたギアセットのどれかを選ぶということになります。ちなみにこの構造を「常時噛み合い式」と呼びます。じゃあ、ギヤが動くわけではないのになんでシフトレバーを動かすと変速ができるのかということですが、これはスリーブというパーツが動きます。

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治著/日刊工業新聞社)」より。

自分が入れたいシフトポジションにシフトレバーを動かすと、そのギアセットの隣にあるスリーブが、「エンジンによって回転するギヤ」とタイヤに出力しているメインシャフトを固定します。シフトチェンジとは、このスリーブの内歯(ギヤ)を動かすと言えないこともありません。

まだるっこしい解説になりますが、ここにでてくる「エンジンによって回転するギヤ」は、スリーブ側のギヤと対になっているギヤから動力を得ています。そっち側をカウンターギヤ(シャフト)と呼びます。詳しくは上図を見てください。

シフトチェンジの際には大体の人が?クラッチを切ります。これはカウンターギヤからトランスミッションに入るエンジンからの回転を切り離すことでスリーブ(直接的にはシンクロ)に余計な負担をかけないためです。

クラッチを切るとメインシャフトはタイヤから入力で回転していますがスピードは落ちる方向、ギヤもエンジンからフリーなので回転が落ちる方向(というか終いには回転が止まってしまいますが)になります。

ガッと入れずに当ててから入れる感じだとシンクロが効く!

ここでシフトレバーをずばっと電光石火で入れるのではなく、ご希望のシフトポジションに押し付けるようにするとシンクロ機構が働いて、回転するギヤのスピードとメインシャフトのスピードが同期して、その後スポッと入っていくというイメージです。ここでクラッチを繋いでいると、エンジンの回転までシンクロで同期させなければならない無理筋となります。

「きちんと知りたい!自動車メンテとチューニングの実用知識(飯嶋洋治著/日刊工業新聞社)」より。

もっとも、シフトアップ時には、けっこうクラッチを踏まずにアクセルオフするだけでもいけてしまいます。もちろんおすすめはしませんが…

ということで、ちょっと解説っぽい感じになってきましたが、っぽいだけですので緩くお読みください。


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