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雨の粥の詩集

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詩をまとめた記事だけまとめて置いておきます。
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記事一覧

詩集『夜磔刑』PDF配布版

詩集『夜磔刑』PDF配布版

皆様、お久しぶりです。
暦の上では春になりましたが、ここ数日は雨が続きますね。いかがお過ごしでしょうか。わたしはなんとか元気でやってます。

先月、先々月とネットプリントに上げていた詩集をPDFで配布したいと思います。
作ろう、作ろうと思い続けていたら、年末にするっとできてしまった詩集です。
タイミングがばっちりだったのでしょうね。

掲載している文章は、古いものだと高校生の頃に書いたものもあり、

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三篇の短い詩・季節ごとに数日間だけ訪れる楽園

三篇の短い詩・季節ごとに数日間だけ訪れる楽園

「湖」

ベッドに寝転がって
掌に湖を載せる
カバンの中で電話が止む
わたしの体は
壁に吊したドライフラワーに変わる

「黄昏」

バスルームの鏡に映る体に
骨まで焦がれたい
死んだままで
血の通わないキッチンに立つ
卒業式
水に浮かぶ夢を見た
私ひとりがいない世界

「夜明け」

白い腕のふくらみ
夜が明ける
仮塒
戸を叩くのは夜を失った指先
夜を失ったままでどこへ行こう
暗い部屋で蛇の舌だけ燃

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雨の粥の13篇の詩集

雨の粥の13篇の詩集

雨の粥の13篇の詩集空港

展望デッキの裏で涙に暮れる
月明かりのうろこ雲が
隣りまで降りてきて
雲の上で会ったよねと告げる
そんなはずないよと言いかけて
国内線の離陸する音を聞いている

記念日

僕ら背伸びして盗み見た
柵の向こうの海を
ポケットに忍ばせて電車に揺られる
カフェのテーブルで一筋の雨になる
椅子の背に凭れて覗き込む万華鏡
今日は僕らが目を覚ました日

水死人の夢

枕元の小さな森

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自己紹介・雨の粥の11篇の詩集

自己紹介・雨の粥の11篇の詩集

自己紹介
皆様、はじめまして。
雨の粥と申します。

「雨の粥」読みは「あめのかゆ」で、これはたぶん、雨にさらされてふやけたお粥のこと……というのはウソ。
ちなみにアクセントの位置は「か」で、「雨の・粥」で名字・名前です。

関西在住。福祉関係のお仕事をしています。洗礼名はマリア。
主にnoteでは詩とエッセイ的なものを書いています。

最近は小説を書くことを再開しました。
賞に応募する長編エンタ

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